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- / ISBN・EAN: 9784894192232
感想・レビュー・書評
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再読。ほとんどの乗客は眉間に蛾を留まらせているのだ。翅の眼状紋を自分の目に見立て、視界を遮断する人々のなかで、少女だけは擬態の目を身に付けていない。
見えないから見えるもの、見えるからこそ見えないもの、見たいこと、見たくないこと、見なくていいこと、見ないふりをすること。
どんなふうに物事を見るかで迷い、対象を目に入れれば惑いが生まれる。それでも、世界を知りたいと望むなら、瞼は開けておかないとね。七分の二十二時間の輪は回る。今日も、静かに狂った街を循環する地下鉄に揺られていこう。窓一面に広がる闇に、閃きを探して。
"わが傘は 傘にあらずして
わが瞳は ものを見るものにあらず
もの見るものは 惑わされ
もの見ずしては 生きられぬ
しからば 生きるは惑わしのこと"
《2022.01.09》
『七分の二十二時間』の物語。
私のよく知るアリスが夢の世界を冒険しているとしたら,こちらに登場するアリスは「夢の裏側」にいるよう。「悪夢」としないのは,彼女が乗る地下鉄の車両はカオス・シティを巡っているわけだけど,終着駅が地上駅である可能性もあるから。
大竹茂夫さんはトリイ・ヘイデン著書の装画の人,という印象が私のなかでは強く,見ていると不安になってきて背筋にひやりとした汗が流れるのを感じる。彼の描く異形の者たちは皆,キノコみたいに菌糸を持っているから,一度みた者の心に居ついて二度と出ていかないのだと思う。
《2014.07.11》詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大竹茂夫のイラストがとてもいい。たぶんパロル舎のこのシリーズは絵のほうが先で物語を後でつけてるんじゃないかと思うのだけれど、とくにこれはアリスっぽいイラストありきの印象が強かった。
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ぼーっと見ていると「あれ?いま絵が動いた?」となります。
ぬるりと動いているような、そんなような。
あの感覚がたまらなくなって、もう一度見たくなります。 -
ちょっとダークな世界観。
相変わらず、素敵な絵。 -
世間からの剥離。
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絵本というか画集というか。
奇怪で妙に人間臭い生物とか、絵全体からかもし出される異様な雰囲気とか。「変なの」とか「気持ち悪い」と思いつつ、思わず見入ってしまう作品たち。
この人の頭の中は一体どうなってるんだ。未知数。
「海星占い」発想はエグいけど、笑ってしまった。ひどい。 -
大竹茂夫さんの書かれたシュールな絵が、読者を不思議の世界に誘います。でも、導かれた世界は、現代社会と大差ないかもしれません…
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彩度の低い落ちついた色合い奇妙な生物不思議な語り。…ツボです。
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4894192233
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惹きつけられるのですが、理解は出来なかった(笑