- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894341708
感想・レビュー・書評
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この作品は欲望がすべて叶うとわかった瞬間、人生が一変し、欲望が叶う度に残りの命が減っていくという運命を背負ってしまった青年の物語です。 私がこの作品を読んで真っ先に思い浮かんだのはブッダの生涯のとある話でした。まるで仏教説話のような物語です。
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記録
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呪文の刻まれた「あら皮」に念じると願いが叶う。しかし寿命も削られていく。男は金を手にし、恋を叶え、、地位と名誉を手にするが...。
「暗黒事件」のようなロマンティシズムを求めて読んだら、哲学的思索の続く作風であった。決してつまらなくはないのだが、中華料理を求めて入った店で、冷や麦を食わされたような印象。しかしながら哲学一辺倒ではなく、神秘主義的な妖しさも漂い、一筋縄ではいかないところは流石。 -
あら皮に遭遇する空間。
Wunderkammerには世界が濃縮されていて、悪魔と契約したものしか知りえない、秘術すらもそこにおさめられているのである。
もしくは、いままでいた世界とは違う、その別世界にあら皮という通行手形をもってはいりこんでしまったのかもしれない。そして2度ともとの世界へ帰るとなんてないのだ。すべての時間旅行と空間移動がそうであるように。
あら皮を所持してからの彼の日々は、ヴンダーカンマーを飾る品々のように、魅惑的な引力とどこか妖しげな輝きに満ちている。
ところで、
「あら皮」っていうと、ついスルメみたいなのを考えちゃうんだよね~。
じゅうじゅうエキスを吸い取ってるうちに、小さくなっちゃって、お・し・ま・い、と。 -
<閲覧スタッフより>
約100篇もの小説に2000人を超える人物が登場する『人間喜劇(La Comédie humaine)』。何人もの登場人物が複数の物語間を縦横無尽に動き回る「人物再出法」と言う手法が特徴的です。『人間喜劇』は、バルザックの射程の広さを実感するオムニバス劇場です。
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所在記号:953.6||ハオ||10
資料番号:10128497
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【09.3.25/図書館】
今まで読んできたのと、雰囲気が違うな…と思ってたら、シリーズ内での分類も違うし、初期の作品ゆえにかキャラが固まってないっぽい。
ラスティニャックに微妙な違和感が(笑)
内容は、普段にも増して風刺色強し。
全体としては、控えめ大人しめな印象を受けた。
主役がいつも(?)に比べて印象薄いのかも…まぁ1つ前に読んでるのが娼婦の栄光と悲惨だからねー。
そりゃ尚更ねー。
挿絵が多かった。けど、使用された挿絵が、種類複数あって混乱した(笑) -
古いのはちょっと…というそこの貴方!
これはただの古い臭い本ではありません←
ファンタジーあり!人生で大事なものを教えてくれる哲学書なのです!
賭博や金儲け…欲望溢れるパリの街で一人の人生に絶望した若貴族はとある怪しい商人に出会う…
童話といってもとても残酷な童話。
別にグロいシーンがあるわけじゃないのに読み終わった後に吐き気がしたというダークな作品です! -
ラストがすき。解説のタナトス/エロスっていうのがまさにそう。寓意性、物語性からいって「あら皮」はこの時代の仏文学っぽくない。そのくせ安っぽくならず、読みやすい。