鶴見和子・対話まんだら 佐佐木幸綱の巻

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894343160

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  • 佐佐木幸綱という人がどの時代の人なのかは、利綱・徳綱・弘綱・信綱・治綱・幸綱と6代にも及ぶ系譜を見て吃驚です。そして父治綱、祖父信綱とも先代の存在感の大きさと闘ってきた歴史の重みを感じました。
    「歌人おほかた 虚空に遊ぶ 青葉時 たのみの綱の佐佐木幸綱」という歌の面白さ、というか、大変さを鶴見が指摘しているのは新鮮です。二人の対話に出てくる与謝野晶子の衝撃性というのが、明治時代であればこそ痛感しますね。幸綱が紹介するのは次の歌などです。
    「今はゆかむさらばと云いし夜の神の御裾さはりてわが髪ぬれぬ」確かにあまりにも大胆です。
    死刑囚の歌人が多く、なぜ俳人がいないかを、歌は日常的、俳句を非日常的、そして死刑囚は言葉を大切にするから、と二人が説明するところも納得です。連赤事件の「坂口弘歌集」などもあるのですね。

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著者プロフィール

●鶴見和子(つるみ・かずこ) 1918年生まれ。上智大学名誉教授。専攻・比較社会学。1939年津田英学塾卒業後、41年ヴァッサー大学哲学修士号取得。66年プリンストン大学社会学博士号を取得。論文名Social Change and the Individual:Japan before and after Defeat in World War II(Princeton Univ.Press,1970)。69年より上智大学外国語学部教授、同大学国際関係研究所員(82-84年、同所長)。95年南方熊楠賞受賞。99年度朝日賞受賞。15歳より佐佐木信綱門下で短歌を学び、花柳徳太郎のもとで踊りを習う(20歳で花柳徳和子を名取り)。1995年12月24日、自宅にて脳出血に倒れ、左片麻痺となる。2006年7月歿。

「2015年 『地域からつくる 内発的発展論と東北学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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