パリの胃袋 (ゾラ・セレクション)

  • 藤原書店
3.70
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本棚登録 : 85
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894343276

作品紹介・あらすじ

舞台は食の殿堂パリの中央市場。ガラスと鉄で作られたこの近代建築のなかは、活気あふれる喧騒に満ち、肉、魚、野菜、果物、チーズと、いたるところ食物の山、山、山。飽食と肥満が美徳のこの世界に、骨と皮ばかりにやせ細ったひとりの若者が入り込む。この男フロランは、一八五一年のルイ・ナポレオンのクーデターの折に無実の罪で南米ギアナに流され、苦しみぬいた末に脱走を果たして、ひそかにパリに戻ってきたのだった。市場で働く人々は、この哀れな男を初めは暖かく迎えるが、やがてうさんくさい異分子の匂いを嗅ぎつけ、彼の行動を監視して隙あらば追い出そうとする。正義と友愛を夢見ているフロランは、安楽な生活を守ろうとする彼らのひそかな敵意に苦しみ、ついには政治的陰謀に加担して第二帝政そのものの転覆をくわだてるのだが、さて、その結末は…。

感想・レビュー・書評

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  • 中央市場のありとあらゆる匂いが漂ってくるよう。動物の皮、肉、血、臓器、腐った野菜、発酵したチーズ。食と人間に圧倒されながら一気読み。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あらゆる匂いが漂ってくるよう。」
      匂いって時には凶器(狂気?)。或る時は夢を見させて呉れたり(媚薬?)、生きている証のようなモノですね。...
      「あらゆる匂いが漂ってくるよう。」
      匂いって時には凶器(狂気?)。或る時は夢を見させて呉れたり(媚薬?)、生きている証のようなモノですね。。。
      2014/04/07
  • <食べ物の色と匂いが織り成すパレード>


    映画の歴史、黎明期のことを調べたくなって『フランス映画史の誘惑』という本を読んでいたら、途中で困ったことが起きました。ルネ・クレールの紹介部分でエミール・ゾラの名前が登場するや否や、興味がゾラに移ってしまったのです。

    そこに載っているゾラの作品は、数年前に一度読んだ『パリの胃袋』。

    そのときは確か、目では活字を追いながらも、脳内では絵画に見入るような感覚として処理していた覚えがあります☆

    流刑地から脱走してきた人間が、目の当たりにした“パリの胃袋”。そこは食のパラダイスでした。市場の活気、食べ物の色と匂いが織り成すパレード! すきっ腹にきく表現たちがひしめきあって、身動きもとれなくなるほどです。

    赤キャベツは「深紅と暗い緋色の痣をもつ見事なワイン色の花と化し」、
    タマネギは「赤褐色の光沢」で、
    トマトの山は「血のような赤」で、
    キュウリは「黄色っぽい控えめな色」で、
    それぞれ人を幻惑する。

    野菜たちはいきいきと「緑のあらゆる音階を歌いあげ」る。うっとり。
    牛の肺臓だって「この絹のような柔らかさ、この新鮮な息の通路」。。
    魚もチーズも負けてはいません。よだれがいくらあっても足りません。

    すべての食材を克明に描写し尽くすゾラは、まるで小説という形式を借りて絵画に取り組んでいるみたいです。パリでは食さえも芸術なのか☆

    飢えのあとに見たら、これは夢のような光景ではないかと思いきや…、彼は小食だったのでした! 食の快楽をむさぼるどころか、激しく敵意を燃やしてしまうという……、皮肉な話なのでした☆

    勝手にめくって一人で感じる。読書というのは本当に個人的な行為です。別の人が読めばそうは見えないのかも!? でも、私が読んだ『パリの胃袋』は、食べ物の色と匂いがうねって迫ってくる小説、でした★

  • 2010.6.5 読了

  • あざやかな市場の描写
    パリが灰色の街の分、食べ物の色彩が引き立っていた

  • ひいっ読了!
    ★5が満点なら、★6コくらい必要だろコレ。

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著者プロフィール

(著者)エミール・ゾラ Émile Zola  
1840 年生まれ。フランスの小説家。自然主義を標榜する。
1860年代から出版社アシェットで働きながら、文筆活動を開始。幼少期からの友人である画家ポール・セザンヌとともに、のちに印象派となるグループと交流。マネの作品に心酔し、《オランピア》が非難の的となったさいには擁護の論陣を張る。代表作に『居酒屋』、『ナナ』など。
対象を冷徹な観察で生々しく描写する手法で高い評価を得た。1902年死去。

「2020年 『エドゥアール・マネを見つめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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