新しい人生

  • 藤原書店
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本棚登録 : 96
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894347496

作品紹介・あらすじ

「ある日、一冊の本を読んで、ぼくの全人生が変わってしまった。」工科大学に通う平凡な大学生だった主人公は、美しい女子学生ジャーナンが持っていた本を古本市で購入し、その本の圧倒的な力にすっかり魅了されてしまう。主人公はジャーナンに心を奪われるが、ジャーナンの恋人メフメットが突然の銃撃事件で撃たれ、直後に二人は現場から失踪する。二人が自分と同じくその本によって人生を狂わされたことを知った主人公は、二人の行方と、本に記された「新しい人生」を探し求めて、長距離バスを乗り継ぐ旅に出る。やがて再会を果たした主人公とジャーナンは、メフメットを追ってトルコ全土をめぐる旅を続ける中で、銃撃事件の背後に、トルコの西洋化に抵抗する秘密組織の存在を知る-。刊行時にトルコで史上最速の売行きを達成した、ノーベル文学賞受賞作家の小説第五作。

感想・レビュー・書評

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  • 新しい人生

    決して読みやすい本ではない。ただ読む価値のある本だということはわかる。
    翻訳がもう少し良ければ若干は読みやすくなるかもしれないが、
    おそらくそれほど変わらないだろう。

    思春期の煩悶、恋、理想、変質、いろんなものが抽象的に混ざり合って
    複合体を構成している。

    再び読む価値のある本。

    裏表紙のあらすじは、(おそらく売り上げを狙って意図的に)間違っている。

  • あまり悪いことは書きたくはないが、きっと翻訳がよくない。オルハン・パルクならこんな書き方はないだろう…と思っていらいらしっぱなしだった。残念。

  • ひとことで言うと厨二病みたいな小説である。主人公はある美しい女子大生に魅せられ、彼女が持っていた本を読み、それに圧倒される。そしてその女子大生ジャーナンと、恋人メフメットに出会う。ところがメフメットは銃撃されてしまい、二人は失踪する。

    主人公は長距離バスの旅に出て、なぜだかジャーナンと再会。そして…

    ご都合主義といってしまえば、すべての小説がご都合主義になってしまうかもしれないが、謎の女子大生や謎の秘密組織など、厨二病で妄想しそうな要素がふんだんに盛り込まれている。ただ、それが盛り込まれ過ぎで、どこにも行き場がないまま流れ去ってしまっているのが本書の残念なところである。

    10回くらい読むとほかの見方もできるかもしれないが、そこまで読み返すほどの魅力はちょっとなかった。

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著者プロフィール

オルハン・パムク(Orhan Pamuk, 1952-)1952年イスタンブール生。3年間のニューヨーク滞在を除いてイスタンブールに住む。処女作『ジェヴデット氏と息子たち』(1982)でトルコで最も権威のあるオルハン・ケマル小説賞を受賞。以後,『静かな家』(1983)『白い城』(1985,邦訳藤原書店)『黒い本』(1990,本書)『新しい人生』(1994,邦訳藤原書店)等の話題作を発表し,国内外で高い評価を獲得する。1998年刊の『わたしの名は紅(あか)』(邦訳藤原書店)は,国際IMPACダブリン文学賞,フランスの最優秀海外文学賞,イタリアのグリンザーネ・カヴール市外国語文学賞等を受賞,世界32か国で版権が取得され,すでに23か国で出版された。2002年刊の『雪』(邦訳藤原書店)は「9.11」事件後のイスラームをめぐる状況を予見した作品として世界的ベストセラーとなっている。また,自身の記憶と歴史とを織り合わせて描いた2003年刊『イスタンブール』(邦訳藤原書店)は都市論としても文学作品としても高い評価を得ている。2006年度ノーベル文学賞受賞。ノーベル文学賞としては何十年ぶりかという

「2016年 『黒い本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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