生きる言葉 〔名編集者の書棚から〕

著者 :
  • 藤原書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894349612

作品紹介・あらすじ

時代や作家の本質を映すことばたち
古典から新刊まで古今東西の書物の世界を自在に逍遙し、同時代だけでなく通時的な論壇・文壇の見取り図を描いてきた名編集者が、折に触れて書き留めてきた、書物の中の珠玉のことばたち。時代や作家の本質を映すことばを通じて読者を導く、最高の読書案内。
『機』誌好評連載を書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 芥川、川端、太宰、中島敦・・・・。名編集者粕谷一希氏が紹介する読書案内。最も心に深く届いたのは幸田文。花柳小説とは別種の角度から花柳界を覗いて見
    せてくれた文豪。一旦、嫁にいった清酒問屋を娘一人を抱えて離婚し、本来なら不幸のどん底にあった身で、花柳界の仲居を志望してそこに棲みつく。思い切った変身と冒険を試み自分で人生の場面転換を図っている。その間の意識に全く嘘も虚飾もない。経済的問題もあったろうが、全く動じた気配もない。気力が自らをイキイキとさせ世界の風景を新しくさせたのである。

  • 2014.8.23市立図書館
    いつか「考える人」メルマガで紹介されたのを読んで興味を持ち予約した。
    見開きに古今東西の文学・歴史・思想分野の書物からの引用(弔辞のような例外もあり)、それに触発された内容の文章、という構成。
    ややとりとめのないひとりごとも目立つが、加賀乙彦と北杜夫といった作家兼精神科医の存在感、石原慎太郎と大江健三郎は社会生活の経験なしに作家になったせいで幼稚だ・・・といった具合に昭和文学の作家たちのエッセンスを知ることができたのはおもしろかった。
    ざっと読み通したが、私にとってはちょっと読むには早すぎたかな。

  • 深く考えさせらる文学者の表現から2ページずつの解説による読書案内。川端康成の横光利一への弔辞は初めて読んだ。新感覚派として志を共にした友が時代に深入りしすぎて敗戦を迎えた挫折への言葉は痛々しい。大岡昇平「野火」は戦後最高の文学! また阿川弘之「雲の墓標」の「戦局は米国にとっても必ずしも有利な状況ではあるまい。米国の学生たちも、シェイクスピアやホイットマンの研究を擲って、鮮烈に伍して来ているであろう」は戦争の馬鹿馬鹿しさを訴える!高橋敏「小栗上野介忠順と幕末維新」は徳川慶喜の四転する態度を身近な人の言葉から紹介する。塚本哲也「メッテリニヒ」は19世紀の世界そして現代という時代を理解するのに役立つ大作のようだ。波多野精一「時と永遠」が取り上げられていることも嬉しい。なお、この書のタイトルと内容はイメージが違った。

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著者プロフィール

●粕谷一希(かすや・かずき)1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業。1955年、中央公論社に入社、1967年より『中央公論』編集長を務める。1978年、中央公論社退社。1986年、東京都文化振興会発行の季刊誌『東京人』創刊とともに、編集長に就任。他に『外交フォーラム』創刊など。1987年、都市出版(株)設立、代表取締役社長となる。現在、評論家。著書に『河合栄治郎――闘う自由主義者とその系譜』(日本経済新聞社出版局)、『二十歳にして心朽ちたり――遠藤麟一朗と「世代」の人々』『面白きこともなき世を面白く――高杉晋作遊記』(以上、新潮社)、『鎮魂 吉田満とその時代』(文春新書)、『編集とは何か』(共著)『反時代的思索者――唐木順三とその周辺』『戦後思潮――知識人たちの肖像』『内藤湖南への旅』『〈座談〉書物への愛』『歴史をどう見るか』『生きる言葉――名編集者の書棚から』(以上、藤原書店)、『作家が死ぬと時代が変わる』(日本経済新聞社)、『中央公論社と私』(文藝春秋)など。

「2014年 『忘れえぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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