ソラリーマン―働くって何なんだ?!

著者 :
  • ピエブックス
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894448223

作品紹介・あらすじ

ヒラから社長まで、皆跳んだ。日々頑張って働くサラリーマンたちに「働くって何なんだ」に答えてもらった、空へ向かって跳ぶ"ソラリーマン"たちの写真文集。

感想・レビュー・書評

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  • 宙に浮かぶサラリーマン!?
    働くってどういうことなの?
    そんな疑問を持っているあなた!
    ソラリーマン達の十人十色な仕事観から
    何か学べるかもしれませんよ。

  • 「ソラリーマン」とは、「空跳ぶサラリーマン」の意。スーツ姿の
    サラリーマンにジャンプしてもらって、その瞬間を撮る。

    最初に名刺の写真があって、一枚めくると、普通の顔写真。そして、
    その横に跳んでいる写真。これが見開きになっていて、もう一枚め
    くると、その人の働くことに対する考え方を聞き書きしたもの。一
    人合計4頁。それが40人分集められています。

    働き始めたばかりの若い会社員もいれば、60歳を過ぎている人もい
    る。肩書きがない人も、社長もいる。職業も、会社員だけでなく、
    役人、学者、医者、政治家、消防士と多彩です。サラリーマン=会
    社員ではなく、「サラリー(給料)」を誰かからもらう、いわゆる
    勤め人のことなんだよなと改めて気づかされます。ただし、「マン」
    ですから、女性はいません。男ばかり。

    「サラリーマン」という言葉にどういう印象を持っているでしょう
    か。安定した身分やお給料が憧れや嫉妬と共に語られることもあれ
    ば、個性をおしつぶして仕事する人の代名詞として使われることも
    あります。憧憬と侮蔑と。考えてみれば、不思議な言葉ですよね。

    本当は一人一人考え方も個性も顔も違うのに、サラリーマンと呼べ
    ば一括りにできてしまう。個性や人格ではなく、記号的存在として
    片付けることができてしまう。

    でも、空を飛んでいるサラリーマンの写真には、その人としか呼び
    ようのない個性がにじみ出ています。跳ぶ格好も、顔も、本当にそ
    れぞれです。仕事に対する考え方も、一人ひとり違う。辛い思いを
    してきたことを語る人もいれば、楽しくてしょうがない、仕事以外
    考えられないという人もいる。歯車だから良いという人もいれば、
    それに虚しさを感じる人もいる。

    一人ひとり違うのが当たり前なんですよね。そんな当たり前のこと
    も、こうやって跳んでいる写真を見て、一人ひとりの仕事に対する
    考え方を聞いてみないと気づけない。

    本書を読んでいると、普段、いかにものごとを一括りにして見てい
    るのかを改めて気づかされます。同時に、一人ひとりの輪郭に触れ
    たような気がして、それぞれが愛しい存在に思えてきますし、働く
    こと、仕事をすること自体が、有り難く、素晴らしいことに思えて
    くるから不思議です。

    本書は現在、Amazonでは新刊が入手困難なようですが、中古は豊
    富にあります。シリーズ化されているので、他のものでも良いでし
    ょう。ポジティブな気分にさせてくれること間違いなしの一冊です
    ので、是非、チェックしてみてください。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    サラリーマンといえども自分が主体になって何かをやっているって
    いうのが喜びなんです。ただ、競争っていうのはときとして空しく
    なります。負けるのも空しいけど、勝ったときでも、それは誰かを
    踏み台にしているわけですからね(取締役)

    あるひとつの逃げようのない環境に根を生やしていく、いろいろな
    悩みがあっても、決まった場所に毎日通い続ける。これって、すご
    いことだと思います(大学病院医師)

    サラリーマンってのは傭兵だと思う。自分も学校に雇われた兵隊。
    今のような終身雇用のない時代では、勝ち残るためにみんながそれ
    ぞれ闘っていて、会社はその闘いをするために人を雇っている。だ
    から傭兵なんですよ(大学教授)。

    価値観っていうのは時代の個性だから、良いとか悪いとかで判断す
    べきもんじゃない。変わっていくもんなんです。若い人が自分と正
    反対の価値観をもっていたとしても、私は否定しない。それはそれ
    でありかなって思います(部長)

    会社は、フリーランスと違って個人が多少失敗してもつぶれること
    はない。だから新しいことに臆せずチャレンジできる(マネジャー)。

    これだけひとつのところで続けていると、良い悪いを別にした何か
    が見えてくる。続けてきた人間だけに分かる何か、っていうのがあ
    るんです。出世云々とか、そういうことじゃなくてね。長くやった
    ほうが勝ち、みたいなところがね、仕事にはあるんですよ(平社員)。

    ある日、会社の人事に呼ばれて「あなたを不必要と言わざるをえま
    せん」って。15年も必死で働いてきたのに、初めて会った人に不必
    要って言われるんです。容赦ないんだなって思った。だけど、部長
    が人事と掛けあってくれてたみたいで、2回目に呼ばれたときは
    「吉田さんは職場に信頼があるから、まだやり直すチャンスがあり
    ますよ」って言われた。泣きたくなりました(平社員)。

    外国だと、よく国をつくったヒーローがいますよね。でも日本って
    誰がつくったっていうのがあまりない。家康が、龍馬が、吉田茂が
    国をつくったわけでもない。嫁さんに見送られ、満員電車に乗り…
    みたいな、そういう名もない人たちが今の日本をつくってきたんじ
    ゃないかなって思うんですよ(平社員)。

    植木等が歌うような「サラリーマン」というひとつの商売を徹底的
    に極めてみるのもかっこいいなぁ、なんて思っています。同じ格好
    をして同じに見えるけど、みんな何か心に持って頑張っているんだ
    よ、って言いたいですよね(マネジャー)。

    当たり前のことですが、誰一人として、同じサラリーマンはいませ
    ん。いろんな色や形の歯車があって、自分たちの意志と力でもって、
    会社という大きな歯車を、回しているのです(著者)。

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    ●[2]編集後記

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    人は見かけによらないと言いますが、逆に言えば、それだけ見かけ
    にとらわれて判断しているってことですよね。肩書きとか身分とか
    そういうものでも人を判断してしまうのが我々の習いです。

    名刺を出した時、誰もが知っている会社や組織の名刺ならば、あぁ
    という顔で受け取ってもらえる。でも、あまり知られていない会社
    だと、はて、という顔をされる。何の会社か説明するところから始
    めないといけない。

    肩書きや身分の前にその人自身があるはずなんですが、いちいちそ
    の人自身と向き合ってなんていられないから、記号的なものが必要
    になるわけです。それはそれで有用なんですが、記号的なものだけ
    では、その人のことなんて判断できないですよね。当たり前ですが、
    その当たり前のことを、普段、忘れがちです。

    以前、会社で受付をやってくれていた派遣の子と話していたら、そ
    の子がオリンピック選手だったということを聞いてびっくりしたこ
    とがあります。「派遣」「受付」という身分や肩書きが先にあって、
    あとはせいぜい容姿くらいで、その人がどんな人生を生きてきた人
    かなんていちいち気にしてもいないし、想像もしない。よもやオリ
    ンピックに出ていた人だなんて可能性は、考えたこともない。自分
    がいかに「派遣」「受付」というふうにしかその子のことを見てい
    なかったか、いかに型にとらわれていたのかを、大きく反省させら
    れた出来事でした。

    型にとらわれた見方は、可能性をせばめます。自分の見方が型にと
    らわれていないか、注意する必要がありますね。

  • 図書館の仕事論とかのコーナーにあった。
    ゆきあおさんの写真集なのに、何でだろう?と思った。

    ソラリーマンは知ってたし、何度か観たことがあったけど、
    ちゃんと読んだ(かな?)のは、初めて。

    サラリーマンの仕事姿勢がとてもカッコイイです。
    僕はまだまだです。



    =========

    個人的な補足

    昔から一方的に知っていて、勝手に親近感があるので、
    青山裕企さんのことを僕は「ゆきあおさん」と呼び続けています。

  • たしかにヴィレヴァン向け

  • 『〈彼女〉の撮り方』の青山さんの著書。
    上記の作品を読んでから、筆者のことがちょっと気になってます。
    本書は、サラリーマンのひとたちにジャンプしている写真とあわせて、「仕事とは何か?」について答えてもらうという、変わった趣向の本。
    すべてのひとに共通しているのは、それぞれがそれぞれの捉え方において、本気で仕事しているってところ。けっこう深いこと考えているひともいます。
    とにかくシュールな本。

  • レビューにおっさんラヴ系が溜まってきたので、これも既読ですが挙げないわけにはいかない1冊。一流企業の会社員、社長さん、教授、政治家まで、8割おじさん、2割ちょっと若めなスーツ姿の殿方が、ぴょーんと跳ねてるところをとらえた珠玉の写真集。各位へのインタビュー付き。スーツなのに跳ねるというのが本当に絶妙なシチュエーションです。当然、それを承諾するような遊び心のある殿方ばかりだというのもステキです。

  • ソラリーマンを読みながら、今日青山さんのインタビューで泣きそうになったことを思い出す。私の父はサラリーマンではないけれど、休日は家でごろごろ、「先生」と呼ばれて仕事をしている姿はほとんど知らない。こないだ電話ごしに声を聞いたとき、父の声が年老いているのを感じた。私の中の父はずっと、上京する前の居間でごろごろしている父だけど、私の時間が流れるように、彼の人生の中でも時間が流れているのだ。バイト先に来る常連のおじさんたちのことを思い出す。彼らは飲み屋では驚くほど元気に、若い私を可愛がってくれるのだ。父にもそんなところがあるだろうか。おじさんたちは「お父さんだって、娘と一緒にお酒飲みたいと思うよ」と言っていた。5つある椅子は、2人の娘が上京して2つ空席になった。父の椅子に座わり、もう一脚に足を乗せて、どかっと腰掛け、バラエティーを見ながら、少しにやにや笑うような姿は変わってないだろうか。立ち仕事の愛らしい足の水虫は変わってないだろうか。今度実家に帰ったら、父の晩酌につき合おうと思う。

  • サラリーマンのおじさま達がジャンプしている写真と
    気持ちが前向きになるメッセージが書いてある本。
    ジャンプしてるおじ様方がかわいい!!

  • 飛んでるおじさんの表紙が可愛くて、ヴィレヴァンで購入。いろんなサラリーマンの働くことに対する自分の考えが書いてある。
    働くことだけ考えられるなら…。
    男に生まれてたら…。
    たられば、は、普段かんがえないけど、これを読むと、歯車だって、働くことに意味があるのかもって思える。
    明るくジャンプするソラリーマンたちの写真集。

  • 心の装いが解ける瞬間が、とても可愛い。

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