- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894514959
作品紹介・あらすじ
個を生かして成果を出す中日ドラゴンズ前監督「落合博満」式采配術をビジネス視点で徹底解剖!
感想・レビュー・書評
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◇落合監督のマネジメントの秘密を探った本。
→個を生かす、マネジメントのかなりの参考書とも言える。
→仕組み、逆算思考の考えもマネージャーには参考にすべき事柄。
■「一文は無文の師、…きのふの我に今日は勝つべし」少しでも自分より優れた人には、謙虚に仰ぎ、他流派より、昨日の自分に勝つ。
■そして、シンプルな仕組みで、予測の出来ない世界に柔軟に対応。
■リーダーの役割は「性格な時を告げる」事ではなく、「永遠に時を告げる時計を作る事」
■何事も逆算思考で…
→ビジネスでは「提供する価値からの逆算」
■「何が起こった」かではなく「何が起こるか」に気づく感性がマネージャーの重要な素質
→過去の成績ではなく、未来にどのようなことを起こし得るか、という視点で人を評価する。
■「勝負の方程式」はあっても「勝利の方程式」は存在しない。
→我々の目指すべきは「勝利の哲学」ではなく「勝負の哲学」である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
複雑化した現代における最強組織とそのマネジメント理論とは何か?
その答えを、日本のプロ野球で驚異的な成績を残した落合博満監督率いる中日ドラゴンズ(2004~2011年の8年間で優勝4回、優勝を逃した年は全部2位)に見い出し、監督という経営者の立場からどのような工夫がなされているかを徹底解剖したビジネス指南書。
著者が生粋のドラゴンズファンということもあり、選手データも含め、異様なほどの詳しさから、変わり種のビジネス書に見えますが、否です。
むしろ、「もしドラ」が野球チームの経営を通じてマネジメントの本質を伝えたことを考えれば、組織経営のど真ん中をいく王道路線と言えます。
特に、価値観が多様化・人材が流動化する現代では、求心力を高め、個の力を引き出すエンパワーメントは不可欠。「場のマネジメント」や「U理論」など、ビジネス書や組織論に慣れていない人には不向きかもしれませんが、今の時代に最も必要な考え方が盛り込まれていることは事実です。
ひとつ留意点を挙げるとすれば、やはり落合博光氏は現役時代に圧倒的な実績を持つ人材だけに、組織マネジメントの実践段階では、もっと密なコミュニケーションと関係づくりが必要となります。 -
複雑系をどう扱うか?
→シンプルな仕組みで複雑さに対応する
基本理念と進歩を促す、具体的で一貫性のある仕組みが必要
提供する価値からの逆算で考える
改善の余地があることに目を向け、自分達の持ち場でできることを探す
未来に気づく感性こそがマネージャーの重要な素質
勝負を徹底するにつなげるには、
1.プロセスの理解
2.フォーカスする領域の設定
3.チームのネットワーク化
4.チームのコヒーレンスを高める
5.チームという場を豊かにする -
● 一文は無文の師、他流勝つべきにあらず。きのふの我に今日は勝つべし。
● 「時を告げるのではなく、時計をつくる」『ビジョナリーカンパニー』ジェームズ・C・コリンズ
● 落合監督は、野球の本質について、「投手が投げなければ打者は打てない」といったような、人を食ったような表現をします。
● 「どうして手を差し伸べてやらんのですか?」すると、落合監督、真顔でこう言った。「和田は将来、指導者になるだろう。そのためには、こういう苦労もしとかないといけない」 -
内容自体はドラッガー~本の2番煎じような気もするが・・・・
落合監督が監督として優れていた点はその通りかもしれないがこのようなマネジメントシステムに当てはめるのはどうかと思うのだが。
落合という一人の人間が優れているからこそドラゴンズというチームをまとめ上げられたわけであり、マネジメントあり気では物事は進まないだろう。著者のファン心理のみが猛然と表に輝いているとしか思えない内容だった。
やっぱりこういう物は読み物としては最高なのだが実践には不向きだ -
ビジネス書としてためになる言葉も多かったのだが、それ以上に、著者の小山さんの野球好き、落合好きの圧をとても感じた(笑
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落合流マネジメントを知る。
○逆転思考
⇒バリューチェーンを逆から考えること。
優勝するためには、全部で何敗できるか、勝つためには何点まで取ら れてよいか・・。
○仕事の思考
⇒組織のためではなく、自分のために仕事をすること。
個人が自分のための仕事をすることにより、自律的な協調関係を生み出す。
それにより、他人との役割分担を意識したうえでの自己表現をする。
○場のマネジメント
⇒マネジメントは場への与贈循環を作り出すこと。
個人が違う次元の動きをしたときに、チーム(場)としてもひとつ上の次 元に場が形成される。その循環を生み出すためにリーダーが率先して与 贈をする。 -
<備忘録>
リーダーは「正確な時を告げる」のではなく、永遠に時を告げる時計をつくること。
どのように自分の居場所をつくるか、相互誘致合致させる
リーダーは「果の論理」でなく「因の論理」でマネジメントすべき