折れない自分のつくり方

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894515123

感想・レビュー・書評

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  • 著者の他の本と、然程変わらない。読みながら、「あれ、この本読んだことあったっけ?」と思うほど。
    ただ部分部分では所見の記述もあり、参考になった。

    根本的なところで思うのは、「他人軸でなく自分軸で評価せよ」というが、リーダーの価値は、他人(部下や同僚)を幸せにすることだ、ともいう。
    つまり、どうやっても他人軸からは抜け出せないのではないか、と思うのだ。本当に自分軸というなら、仏教の修行僧のように、家族も何もかも捨てて、涅槃を目指す…ということにならないか。うーむ。

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    他人に軸を預けている限り、私達は人生においても幸せになれない。なぜならば、幸せかどうかの判断を他人に委ねているから。
    自分の中に軸を作り、結果ではなくプロセスを見て、それだけにこだわるべき。

    自分には師がいないという人ほど、相手のちょっとした欠点が許せない。自分はできていないにもかかわらず、相手にパーフェクトを求めたがる。

    陽徳を積むと、エネルギーを奪われる。「いいことをする」といった瞬間に批判され、誹謗中傷の的となるから。リーダーは、そもそもが、常にエネルギーを奪われる宿命にある。
    だからこそ、永遠に陰徳を積み続ける必要がある。
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  • *他人が何をしたか、また何をしなかったかに心を向けてはいけない。自分が何をしたか、何をしなかったかだけに心を向けよ。
    *大事なのは受け入れ方の問題ではない。起きたことが正しいか何が間違っているのかの答え探しでもない。それが自分にとってどんな意味を持ち、そこから何を学べるのか、未来へはどう進んでいけるのかをつかんでいくことにある。
    *自分の世界観を広げ、豊かさを備えた人間に成長するためには、先人の教えと自らの経験をかけ算にして、学びを抜き出すのが、迅速かつ唯一の王道である。もちろん、先人からの学びなしに、経験の中だけから見つけていくことも可能だろう。「百聞は一見にしかず」と言うように、経験は最大の学びになるからだ。だが、「経験から学ぶ」というのは、口で言うほどに簡単ではない。経験から何を学べるかは人それぞれだ。ある出来事からたくさんの教訓を得られる人もいれば、何も感じず何も得られない人もいる。なにがその差を生み出すのかと言えば、それは経験に対する光の当て方にある。経験に光を当て、学びを抜き出す能力を身につけることが大切だ。その光の当て方を先人に教えてもらうのだ。すると、経験から抜き出す学びが何倍にもなる。ムダに経験だけを重ねても学びはない。
    *若さゆえにしかたがない面があるとは言ったが、頑固さが学びを阻害しているという自覚は若い頃から持っておくべきだろう。「実るほど頭を垂るる稲穂かな」という有名な句があるが、それは真実で、豊かな人ほど謙虚に人から学ぶ。先達や目上の人からだけではなく、年下の人や目下の人からさえも学ぶ。もう学ぶ必要がないほど豊かな人ほど、さらに学んでいく。そんな先人たちに一歩でも近づきたいと思ったら、謙虚で素直な気持ちになって、ときには人の話をまる飲みしてみるといいだろう。
    *一流の人は皆素直です。逆もまた真なりである。素直だから一流になる。頑固な人はせっかくもらったアドバイスを聞かない。そして自分流を貫いていく。するとどうなるか。誰も二度とアドバイスをしてくれなくなるだろう。言ってもムダだと思われてしまう。すると情報は入ってこなくなる。ダメなところがあっても誰も指摘してはくれないだろう。そして成長が止まってしまうのだ。逆に素直な人は、言われたとおりすぐ行動に移す。それを見て、アドバイスした人は喜ぶに違いない。自分が言ったことを素直に実践しているのだから。そして、嬉しいからどんどん教えてやろうという気持ちになる。親切に、ことあるごとにいろんなことを教えてくれる。頑固な人と素直な人。どちらが成長できるかは、言うまでもないだろう。素直な人の周りには、人がたくさん集まってくる。この人はいい人だな、かわいいな、と思われてみんなが手を差し伸べてくれる。だが、頑固な人からは、人が去っていく。一流の人はみな素直だ。素直だからこそ一流になっていく。対して二流、三流な人ほど頑固だ。頑固な人ほど二流、三流に堕していく。ぜひとも素直でいてほしい。たとえ相手の言うことが間違っていても、ウソかもしれないと思ったとしても、この人から学びたい、と思ったならば、まる飲みしてみるのだ。いったん、フィルターをオフにして、批評的な視点を捨てて、言われたことをすべて信じ切るのだ。そうすれば、私たちの成長はぐんぐん加速するに違いない。
    *礼儀礼節を守る、ということは、我欲を交えずに社会的なしきたりに素直に従う訓練をする、ということだ。それはすなわち、チームの決定事項に批評的な態度で臨まずに、決定事項をまる飲みして実行する訓練でもある。リーダーがミッションを実現していくためには障害がつきまとう。いろんな邪魔者が入るし、人の力も借りなければならない。面倒なことだらけだ。だが、どうあろうとやり遂げなければならない。時間が足りないとか、人手がないとか、予算が厳しいなどと言い訳ばかりする人は、結局のところ何も実行しない。礼儀礼節を守る訓練をしてきた人は、そこに自分の事情を一切持ち込まない。つべこべ言わず決めたことを実行していく。それこそが、まさにいま組織で求められている高い業務遂行能力なのだ。しかし、礼儀礼節を守り、我欲を削る、と言うと、「その考え方は古い。今の時代にそぐわず、指示待ち人間ができるのではないか?」と言う人がいる。しかし、それはまったく逆だ。我欲を削り、主体的に意思を持ってチームの決定事項に従っていくことで、実は自分軸の芯が太くなる。よけいな我欲がそぎ落とされ、揺れない自分の哲学ができていくのだ。
    *それでもなお決定を下さなければならない。すると、当然ながら誰かしらからの批判を受けることとなる。そのときに折れないでいるためには、批判されることを「当たり前なのだ、宿命なのだ」ととらえることが大切だ。そして批判されても動じないメンタリティをつくっていくことが揺れないための大切な準備だろう。とどのつまり、それは軸である。確固たる自分軸である。人がどう言おうが、どう思われようが、自分が信じた考えを貫くのが、折れない生き方なのだ。
    *リーダーにとっての「信念」というのは、自分だけではなく、他人が信じてくれるものでなければならない。そうでないかぎり、それはチームを鼓舞する信念になりえない。つまり、社会に貢献できる、世のため、人のためのものでないかぎり、それは信念とは呼べない。たとえ天高く掲げたとしても、必ずや引きずりおろされる。
    *世の名経営者は、ほぼ全員が早寝早起きである。整理整頓もできている。なぜかというと、それは性格の問題ではなく、単にいい仕事をするためにはそれしか他に方法がないからなのだ。好むと好まざるとによらず、リーダーになったら考え方を変えて生活を改めていかないと、折れない自分など雲の彼方なのである。

  • リーダーが悩む理由、その悩みへの対処方法を著者の実体験を基に、分かりやすく解説してあります。新リーダーになった方、リーダー経験が長い方でも、自分軸を再認識できる一冊だと思います。

著者プロフィール

小倉広事務所代表取締役 心理カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ、組織人事コンサルタント。
大学卒業後、株式会社リクルート入社。組織人事コンサルティング室課長など企画畑を中心に11年半勤務。ソースネクスト株式会社(現東証一部上場)常務取締役、コンサルティング会社代表取締役を経て現職。 リクルート社在職中の昇進うつを機に心理学と心理療法を学び始める。日本アドラー心理学会正会員、日本ゲシュタルト療法学会会員。現在、研修講師として年間300回登壇し、一年先まで予約が取れないほどの人気を博している。 著書に、『任せるリーダーが実践している 1on1の技術』『任せる技術』(日本経済新聞出版)『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社)『もしアドラーが上司だったら』(プレジデント社)など多数。著書発行部数累計は100万部超。

「2021年 『コーチングよりも大切な カウンセリングの技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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