アイデア大全

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894517455

感想・レビュー・書評

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  • 読書猿さんのブログはお世話になっています。
    発想法の出典から利用目的からしっかり載せていて読書猿さんらしいこだわりを感じました。
    発想法を使ったであろう人物の歴史に触れたり、知識の宝庫でもあります。
    ただ、アイデア博覧会の役割は達成できてますが、抽象的なツールに過ぎませんので、つまみ食いして地道に実践してくことが望ましいでしょう。
    項目の分、記述は簡素に感じましたが、単純に読み物としてもよかったです。

  • 創造とブレイクスルーを生み出すアイデアの発想法が満載。言葉にする、書き出す、組み合わせる、強引に動いてみる、深掘りする、要素分解する。こうした手法を、その開発者にも触れながら、実例と共に体系的に学ぶことができる。

    多くは既に身に付いていることであり、実際にはあまり使えないかもしれない。それでも、写真や図解もあり非常に愉快な本である。楽しみながら読んだ。

    夢から着想を得ると言う方法。これはこの本で一番最後に紹介される手法だ。そこに書かれたビートルズのポールマッカートニーがイエスタデイという曲を作った事例。夢の中でメロディーが浮かんだらしい。写真も掲載されていた。

    イエスタデイを聴きたくなり、YouTubeを開いた。そこから、レコメンドのImagineを聞いた。Imagineを聴きながら、宗教戦争を思い、ウクライナ情勢を想起した。この本に紹介される手法ではないが、着想のきっかけを得て、連想し、感情を移入。どんなアイデアの手法でも、きっかけが重要なヒントであり、自身の経験に繋げてアイデアを生むのかも知れない。為政者たちがImagineを聴きながら世界平和のアイデアを考える日が来て欲しいと思う。

  • 非常に面白かった。古今東西のアイデア創作法が網羅されている。
    以下、

    02.フォーカシング。
    05.ノンストップ・ライティング。
    06.ランダム刺激。
    07.エクスカーション。
    08.セレンディピティ・カード。
    09.フィンケの曖昧な部品。
    10.ケプナー・トリゴーの状況把握。
    11.空間と時間のグリッド。
    14.なぜなぜ分析。
    15.キプリング・メソッド。
    18.仮定破壊。
    20.ルビッチならどうする?
    22.ヴァーチャル賢人会議。
    23.オズボーン・チェックリスト。
    26.さくらんぼ分割法。
    28.形態分析法。
    29.モールスのライバル学習。
    31.対立解消図。
    32.バイオニクス法。
    33.ゴードンの4つの類比。
    34.等価変換法。
    35.NM法T型。
    42.夢見。

    は、実際にやってみた。

    特に05.ノンストップ・ライティング、11.空間と時間のグリッド、14.なぜなぜ分析、42.夢見は気に入ったので、まずはこの辺りから自分自身の技法として取り入れたい。

  • ‪雑に読みさしのままにしていた『アイデア大全』をKindleで点検読書。

    42/42番目が「夢見」で終わってたことにいまから気づいた。(直前のポアンカレの方法も、「ひらめき」をかろうじて方法化した走りだし。

    「デペイズマン」と「さくらんぼ分割法」の説明の仕方がかなりよかった。‬特にさくらんぼ分割法は、MECEを捨てることで可能な発想法だってある(大意)と強調していたことが印象的だった。

    発想法の来歴を、膨大な注釈付きでマッピングし、比較可能にした、労作だという印象は変わりない。『問題解決大全』が出てなかった時は「え、これが最初?」と思ったものだが、いま『独学大全』も出ようとしているいま、狙われた機能を読み手の方で理解できるようになっていると思う。

    とはいえ、実践は足りてないし、注釈を脳裏に焼き付けてもいない。発想法が必要になるたび周回プレイをしてよい。

  • 世界中の文献から集めた42のアイデア発想方法をまとめた一冊。全くのゼロからアイデアを作るパターンと、1から複数のアイデアを作るパターンの2部構成。難易度が1(易)~5(難)まであり、ほとんどのアイデアが何度1~3までにおさまっているので、読んでみて使えそうなアイデアはすぐに使えるようになると思う(中にはとんでもなく難しいのものあった)。収録数が42と多いので、アイデアが煮詰まった時には再読してみて、よさそうなものがあれば使ってみようと思った。

  • 心の中のもやもやこそが複雑なし後の土台である。瞑想を行い、それにピタリとくる名前をつけてみる。

    ノンストップライティング:とにかく書きなぐる。文の体裁なんて気にせずにひたすら書く。語尾の間違いも気にしない。怖い考えやヤバイ感情に突き当たったら、そこに飛びつく。

    エクスカーション:〇〇についてのアイデアがほしい、となったら…
    全く関係ない△△というカテゴリを一つ選び、それに関係する語を出しまくる。その後、一つずつ、思い浮かぶことを書き出しながらテーマと組み合わせてアイデアを考える。すぐに考えつかなければ、パスして次のリストへ進む。

    これらのことから分かることは、偶然性により出来たものに創意工夫やテーマをつけることで、思わぬアイデアが生まれるということ。

    カイゼン方式
    何故?と自問自答することを5回繰り返す
    何故問題が起こった→何故1の原因を起こした?→何故2の原因を起こした...?

    問題逆転
    ①問題や課題を言葉で表現する
     →売り上げが足りない
    ②これを対義語や逆転させる
     →売り上げが多すぎる
    ③逆転したものの逆転解決策を考える
     →売り上げを減らすため、売り渋る、ネガティブ広告を打つ
    ④逆転解決策がいくつかでたら、元の問題の解決に使えないか考える
     →売り渋る=期間限定や地域限定とし、プレミアム感を出す。

    YAZAWA法
    尊敬する人物や賢人を思い浮かべ、「〇〇なら何て言うかな?」と想像してみる。

    オズボーンチェックリスト
    既存のアイデアや成功例を元に、次の9つの質問に答えていく。
    1.他への転用は?
    2.他のものへの応用は?
    3.変更したら?
    4.拡大したら?
    5.縮小したら?
    6.代替したら?
    7.再配列、アレンジしたら?
    8.結合させたら?
    9.逆転したら?

    等価変換法
    ①解決すべき課題を決める(室温を保つ)
    ②課題の解決に役立ちそうな観点を選択する(冷却)
    ③観点の本質を抽出する(ものを冷やす)
    ④3を含む多数の事例を集める(木の葉、打ち水)
    ⑤事例を一つ選び、事例に特有の条件を取り除き、一般性のある条件を抽出する。(水蒸気による気化冷却)
    ⑥5を問題解決に適用する
    →要するにアナロジー。過去より受け継いだものの中から、何かを捨て去り、新しいものを加えて全体を再構築する。

    NM法
    ①要するにどうなればいいか?を問い、課題を端的に一語のキーワードで表現する。(目を覚ます)
    ②キーワードについて、「〇〇するものといえば何がある?」という実例を集める。(目を覚ます:植物、鶏)
    ③2について、「そこで何が起きているか?」を問いかける。(光合成をしている)
    ④3で出てきたイメージをヒントに、それはテーマの役に何か立たないか?と問いかける。(朝の光を浴びれるように、寝る前にカーテンを開けておく。)

    ポアンカレのインキュベーション
    ・問題に意識的かつ集中的に取り組む。
    ・その後しばらく問題から離れ、休息する。
    ・休息中や他の活動中にひらめきが生まれる。
    ・得られたひらめきについて、再び意識的かつ集中的に取り組む。

  • 01 バグリスト
    紙に10分間、嫌なことや不愉快なことをひたすら書き出す。
    すっきりしたら、やるべきことに取り掛かる
    問題解決のモチベーションがあれば改善解決を考える。

    リストから何を選ぶか?
    ・たくさんの不満から解決できることを探す目利き力が得られる
    ・些末な問題より大きな問題の方が実は解きやすいこともある

    02 フォーカシング
    リラックスして体の内面に意識を映し、体の中の「何か」に名前をつける
    「何か」に質問して具現化していく

    04 エジソンノート
    アイデアや情報などなんでもノートに記録しておき、見直して書き加える

    05 ノンストップライティング
    タイマーを15分セットし、とにかくなんでもいいから書き続ける
    自分の中の仮想の読み手、批判者、自己検閲が無い状態に持っていく
    あとで書いた行間に補足して本当は何を言いたかったかを見つけ出す

    06 ランダム刺激
    問題とは関係の無い刺激を選び(目に入ったもの、開いたページ)、問題と結びつけて連想する
    占いの利点:失敗しても決定者に責任がない、情報不十分でも迅速に決定できる

    07 エクスカーション
    テーマを決め、テーマと無関係なカテゴリからリストを作る
    テーマとリストの組み合わせからアイデアを考える

    08 セレンディピティカード
    「おやっ?」と思う現象に出会ったら、テーマ、仮設、5W1H、結果 を書き留める
    すぐに問題解決につながらなくても、この蓄積により、偶然の事象に反応できるようになる。

    10 ケプナートリゴーの状況把握
    「気になっていること」おかしいと感じること」「こうあってほしいこと」を列挙
    大きければ分解と明確化し、重要性、緊急性、影響性を3段階評価する
    優先順位を決め、分析が必要か行動が必要かを決め。納期を決める

    11 空間と時間のグリッド
    縦軸:自分、家族、地域、職場、日本、世界
    横軸:今日、1日後、1週間後、1か月後、3か月後、半年後、1,5,10,30年後
    表の欄を埋めて関連事項を発見したら矢印で結び影響を書く
    作った表を数か月後に見直して予測をチェックし、新たに表を作る
    未来は用意されるものではなく、人の行動が未来を築き上げるという考え方を持てるようになり、自分から問題解決できるようになる

    13 PKディックの質問
    それは、本当は何なのか? を自問自答する。
    我々の創造性はおきまりの思考によって抑制されているので、あえて壊していく

    14 なぜなぜ分析
    一つの出来事や現象について、「それはなぜか?」を5回繰り返す。
    原因は常に複数あるため、なぜ?を繰り返すと指数関数的に増えるので、記録していくことが大事。

    15 キプリング メソッド
    何から考えればわからない状況になったら、5W1Hに順に答える

    16 コンセプト ファン
    問題を紙の真ん中に書いて丸で囲む、右に放射状に線をひき、解決策を書く
    丸の左側にその問題が生じたのはなぜかを書き、そこからまた右に解決策を書く

    17 仮定破壊
    3列の表を作り、状況、前提、破壊 の見出しを付ける
    状況から前提を書き出し、前提を選びそれをひっくり返せる仮定を破壊欄に書く

    18 問題逆転
    問題や課題を言葉で表現し、それを否定形や対義語をつかって逆転する
    その逆転した問題の解決策を考え、それを一部変更して元の問題解決に使えないか考える。

    23 オズボーンチェックリスト
    既存のアイデアや成功例を元に9つの質問に答える
    他への転用は? 他のものへの応用は?
    変更したら? 拡大したら? 縮小したら? 代替したら
    再配列アレンジしたら? 逆転したら? 結合させたら?

    26 さくらんぼ分割法
    課題を簡潔に「○〇を〇〇する」、「○〇な〇〇」と2語で表現する
    それぞれの言葉を二つの属性(要素)に分割することを繰り返す
    分割してできたたくさんの属性を組み合わせて新しいアイデアを作る

    27 属性列挙法
    改善したいものの属性を列挙する(名詞的、形容詞的、動詞的)
    属性リストから一つずつとりだし、変更して改良のアイデアを作る


    32 バイオニクス法
    生物を研究し、モデル化し、設計デザインに活かす

    35 NM法T型
    「要するにどうなればよいか?」課題を端的に一語で表現したキーワードを決める
    キーワードについて、「たとえば何があるか」を問いかけ、類似の実例を集める
    実例のそれぞれについて「そこで何が起きているか」を問いかけて背景を探る
    背景に出てきたイメージをヒントに「それは何かの役に立たないか?」を問いかけ、課題の解決法を考える

    41 ポアンカレのインキュベーション
    まず集中的に問題に取り組み、しばらく問題から離れる(別の仕事、休息、散歩)
    ひらめきがおとずれたら再び集中的に取り組む

  • 読書猿さん2冊目。膨大な方法を紹介していただいていますので、この人の頭の中どんなんなってんのって訝しいところです。これも図書館で借りたけど、どちらかと言うと迷ったときに索引する参考書として、書棚に置いておくべきものでしょうか。表紙のデザインも質感もおしゃれなので、飾ってても彩が映えるな。

    ・ゼロから1へ
    -自分に尋ねる:ノンストップ・ライティング
    自分の中にいる「仮想の読み手」をぶっつぶす。
    -問題を察知する:空間と時間のグリッド
    「未来は誰かに用意されるものではなく、人の行動が未来を築き上げる」という世界観。
    ・1から複数へ
    -矛盾から考える:対象解消図(蒸発する雲)
    「こちら対あちらの対立」を「こちら&あちら対問題」の対立に
    ‐アナロジーで考える:NM法のT型
    どんな問題にも、未知なるものにさえお手軽に挑める手法。QK,QA,QB,QC

  • 古今東西の発想法集。一度さっと通読しておき、煮詰まった時にパラパラとめくる使い方が吉かな。

  • 【行き詰まりを感じている人へ】古今東西のアイデアが体系化され、実践の手引きとなっている本。図書館で借りたけども手元に置いておくのが良いと感じた。読み物としても面白い上にちゃんと実践できるような工夫がなされている。アイデアと聞くとクリエイター向けかと思いきや、一般的な悩みや問題を抱えた人が行き詰まった時にも使えると思う。
    とにかく実践なので試せそうなものを選んで日々試したい。

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著者プロフィール

読書家。正体不明。メルマガ「読書猿」で書評活動を開始し、現在はブログでギリシャ哲学から集合論、現代文学からアマチュア科学者教則本、日の当たらない古典から目も当てられない新刊までオールジャンルに書籍を紹介している。著書に『アイデア大全』(フォレスト出版)、『独学大全』(ダイヤモンド社)など。

「2021年 『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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