- Amazon.co.jp ・本 (626ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894562295
感想・レビュー・書評
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横溝風の「探偵小説」を目指したと、作者さんが語る大長編。本来、理知的な作風の作者さんらしく、横溝・高木的な、大時代的で大仰な形容詞が少し浮いてる感じで、ケレンやおどろおどろしさが少し足りないが、これはご愛敬。こういうのが好きなんだろうなというのは伝わってくる。ただミステリとしてみた場合、大ネタがなく、メインになる事件もない。密室に、アリバイトリック、ダイイングメッセージと小ネタは豊富だから、普通はそこまで気にならないと思うが、この長さだから。さすがに軸がないのは厳しい気がする。心理の矛盾から犯人を指摘するなんて面白いんだけども。
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面白くないわけじゃないけど、
とにかく長すぎる。
作者がミステリーが大好きで、
過去の大家・名作を意識しているのもわかる。
ただ、根本のところで、
読者を楽しませるために書いているのではなく
自分のために書いていると感じる。
読者がどう思うか、読者は楽しんでいるか
というよりも、自分がこう書きたい、
ここまで書きたいということしか頭にない
というのを感じる。
ミステリーマニアによる同好の氏向けの作品。 -
『例の事件はどこか彷彿させるところがあったのだー
乱歩・正史・彬光の妖かしの耽美趣味、清張の社会性(冤罪)、カーのオカルト怪奇趣味、そして事件の解決にあたって弥生原が垣間見せることとなったクイーンの論理趣味。
しかし全体の雰囲気は、弥生原が推奨するヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』『僧生殺人事件』を遥かにあおぎ見るような味わいがあった。』
“本格”の宿命を背負い、一生懸命頑張ってる感はあるんだけど、少し物足りないかな。
探偵もその助手も凡庸だからかな。いまいちキャラ生えしてないんだよなぁ〜。
そもそも自分でハードル上げて、伏線はりすぎなんだよな。惜しい!
【読者への挑戦状】があることが素敵! -
亡霊騒ぎ、降霊会、密室事件など、本格のガジェットがたっぷり凝縮されており魅力的です。
しかし、事件の相互の結び付きが明らかになっても、そこから広がる展開がありません。謎を一つ解いては次の謎への繰り返しで、トータルでみるとメリハリのない感じに仕上がっているので勿体ない気がしました。
それでも、一つ一つの謎解きは十分に楽しめるので一読の価値はあると思います。 -
詰め込みすぎて集中できないけど、これだけ素直に乱歩&横溝大好き!を連呼されると微笑ましい。
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おもしろかった。でもいろいろ懲りすぎ詰め込みすぎでそれぞれが浅い感じがちょっとしたかな。
2009.6.2 -
長々と頑張っているとは思うけど……どうも何もかもイマイチ。
幾つもの事件、幾人もの登場人物、そして、多数の動機。
古風なミステリを目指したのかもしれないが……少々、懲りすぎたかな。 -
シリーズ第一弾です。気合が入っててかなり太いのです。厚いの間違い。
分かりやすく言えば火村&アリスシリーズのリアル版といったところでしょうか、このシリーズは。
読んでて思うのですが、探偵弥生原公彦は早い地点から真実に気づいていながら語りません。そしてそのせいで余計な殺人が起こっているような気がします。わざとしているとしか思えない。
だけどおもしろいのだ。