- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894563490
感想・レビュー・書評
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ベイエリア分署から神南署に移った安積班。
安積警部補の中間管理職としての苦慮と部下に対する信頼、そして班員それぞれが主役然として活躍9短編。
『異動』その他で、再びベイエリア署への復帰が語られる。
『刑事部屋の容疑者たち』は、安積と部下たちとの堅い絆が描かれ、ベイエリア署シリーズファンにとっては、堪えられない一編。
このシリーズ、頭から読み通したい。 -
安積シリーズとしては初めて(?)の短編集。安積班の面々や交通課の速水が主役となるスピンオフ版ともいえます。
普段は安積目線で描かれていた人物たち自身の目線による描写もあり、非常に新鮮です。扱われる事件そのものも長編とは違い、小粒なものが多く、より一層、登場事物たちの人となりが引きたつというものです。
これを読んでいると、やっぱ安積班の面々はいいわ~、と改めて思ってしまいますね。特に村雨は、安積の一方的な思い込みにより、少々損な見方をされていますが、本作を読むとガラッと違う一面も垣間見えます。
そんな安積班ですが、本作終盤では臨海署再建の噂が立ち始め、安積をはじめとする強行犯係のメンバーたちの配属がどうなるのか、という展開に。本作を読むと、この班のメンバーがばらばらになってしまうのは忍びないな、という思いが強くなったところでのこの展開ですから、次作が気になります…。 -
短編集。
事件そのものを追って解決するというよりも、刑事それぞれにスポットをあてた話になっている。
こうして読んでみると、本当に個性豊かなメンバーが揃っている。
中でも「刑事部屋の容疑者たち」は好きな物語だった。
馬鹿々々しいけれど、ほんわりとしていてあたたかい。
みんなの班長を思う気持ちがストレートに出ているし、それでいてちょっと笑える。
5つの花束というところもいい。
肝心要の人が忘れていたのでは笑えなくなってしまうから。
それにしても、みんな班長が忘れていると考えて行動しているところが(笑。
そういう意味では信用がないんだな、と安積がちょっとだけ気の毒になった。 -
まさにタイトル通り(笑)。これはもう安積班一家の家族物語だな。須田、黒木、村雨、桜井というおなじみの面々が事件解決に活躍するのだが、短篇でもあり事件そのものなどどうでもいいのであって、要は安積班のほのぼのとした人間模様を楽しむものだ。警察小説というよりは警察署を舞台とした世話物とでもいうか。脇を固める交通課の速水とか金子課長とかもできがよすぎて、もうほんとに警察がこんなにアットホームでいいのかと思ってしまう。特に本書は短篇のそれぞれで活躍あるいは葛藤する主人公が異なっていて、安積の目配りの横糸に対して個々の班員の心象が縦糸となって交錯するという効果的なつくりになっている。しかも読んでいくうちにじわじわと神南署から新たに再開されるベイエリア署への再配置転換計画が見えかくれして次作へつながるという趣向。これはもう安積ファミリーの行く先を見届けねばという気になる。
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安積班シリーズ初の短編集。
1話1話がコンパクトに纏っていて、
読みやすく、かつ、面白いです。
中盤の作品から、湾岸署復活の話が真実味を帯びてきます。
次作から、舞台が変わるとみられ
楽しみ倍増です。 -
時に軽妙に、時にしんみりと、それぞれの人間模様が一編毎に見事に表現されてる。村雨部長刑事も酔うことがあるのね。
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短編って敬遠してましたが、この方の本は全くそんなことない。
さすがです! -
やっぱり優秀な人材は、ほっとけないですよね。