石垣りん詩集 (ハルキ文庫)

制作 : 粕谷 栄市 
  • 角川春樹事務所
4.02
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本棚登録 : 128
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894564138

作品紹介・あらすじ

戦後の時間の中で、家族と会社と社会とに、ひるむことなく向き合い、自らを律して生きてきた詩人・石垣りん。『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』から『やさしい言葉』まで、小さきもの弱き者らへの慈しみや孤独な心情を観念や叙情の中に鮮やかに解き放った全4冊の詩集から代表詩を選び、女性の生き方に自由と活気と自立をもたらした言葉の歴史を、各時代ごとに提示する。

感想・レビュー・書評

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  • あまり「詩」は読まないのですが、石垣りんさんの詩はわかりやすくて、どんどん読めた。

    「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」
    昭和の家を出て働き始めた女性の心情がわかる詩。

  • 幻の花

    石垣りん


    庭に
    今年の菊が咲いた。


    子供のとき、
    季節は目の前に
    ひとつしか展開しなかった。


    今は見える
    去年の菊。
    おととしの菊。
    十年前の菊。


    遠くから
    まぼろしの花たちがあらわれ
    今年の花を
    連れ去ろうとしているのが見える。
    ああこの菊も!


    そうして別れる
    私もまた何かの手にひかれて。

  • 石垣りんさんは私の好きな詩人。
    醜悪なものから目を逸らさず、力強く表現してくれる。

    思ってもいないくせに「人間は美しい」などと言うようなことは決してない。
    彼女の詩は、言葉は、全て真実だ。だからこそ、その詩には力が宿るのだと思う。

    それらは時折、私達をどん底へ突き落とすが、私はその感覚が嫌いではない。
    私はその醜さを自覚し忘れずにいるために、突き落とされに詩集を開く。

    今回は図書館で借りたけれど、ちゃんと購入したい。

  • 「やすらかに うつくしく 油断していた」
    中学の時の教科書で出会ったこの一句に、ざわっと鳥肌が立ったのを覚えています。瞬間が固められたような言葉に溢れた一冊かな、と。

  • 資料番号:011236957
    ご利用の細則:貸出可能です
    備考:【元の所在場所】自動書庫
    http://lib-yuki.city.yuki.lg.jp/info/shoko.html

  • リアルで詩というよりも「つぶやき」だ。

  • なんともない単語だけど、はっとする。
    なんでこんな目にあうのか、と思うような毎日におかれた感性が豊かな人。その日記を読んでる気分になる。

  • 生活に密着した女性らしい詩。
    怒りや悲しみや空腹や悔しさを、すべて乗り越えた力強さを感じられる詩。

  • 「愛読書は石垣りんの詩集です」と語る女性がいれば、それだけで私はいっぺんに好きになってしまうことだろう。石垣りんの詩は、生活という大地にしっかりと足を下ろし、足の指が大地を鷲づかみにしているような力感に満ちている。

     <a href=\"http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081129/p6\" target=\"_blank\">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20081129/p6</a>

  • ことばの硬質な感じが好きです

  • 戦う職業婦人・石垣りんの代表詩集。流麗な詩とは一線を画する、野太い女性としてのアジテーションがかっこいいです。

  • その名のとおり りんとしたまなざしで、すっと背すじをのばし
    自然を、社会を、時代を、人間を、そして自らをみつめ、
    素朴な言葉で詩をつむぐ。
    地に足をつけ、生活に根ざした場所から
    ひろくて大きな世界をみとおす。
    慈しみと冷徹さ、その両方をかねそなえた感受性をもって。
    石垣 りんさんは、そんな詩人だと思う。
    苦悩にあえぎながらも、逃げず まっすぐに現実を見据え、
    立ち向かう彼女のつよさと、
    そんな彼女が 時折ぽろりとみせるよわさ がすきだ。
    血のかよった彼女の言葉は、まっすぐに私たちのこころに届く。

  • 生々しく容赦なく、包み隠さず壮絶に、きっぱりと言い切ってしまう潔さ。 戦中、戦後の社会的な時代の詩でもあるんだけれど、その見通しの切先の鋭さ。

  • 一番好きな詩人。惜しくも昨年(2004/12)享年84歳で亡くなられた。背負うものがどんなに重くても運命を恨むことなく、明るく力強く一人で立って歩いて生き抜いた女性。そんな彼女が書く詩には当然飾りなどなく、難しい言葉なども使われない。ごく日常的に使われる言葉で出来ているのになぜか新鮮。淡々とした中に強い意志がこめられている。背筋が伸びるようで読んでいてとにかく気持ちが良いのだ。りんさんとは感性が、感覚が近いのかなぁなどど光栄に思ったりする。

  • ふと、本屋で読んだ詩集。
    初めて読んだ石垣りんの詩集は激しく、胸を打つ。
    “儀式”は私が初めて魚をさばいた日を思い出した。・・・といっても小さいころから野生児だったあたしにとって、そのとき恐れは感じていなかった。
    この詩を読んで考える。
    私たちは生かされている。

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