- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894564411
感想・レビュー・書評
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若き天才情報工学者、島津圭助は「十三重に入り組んだ関係代名詞と、二つの論理記号のみの文字」で構成される『文字』を見せられる。論理では解くことのできないこの文字は、やがて「神の存在」へと繋がって行く。この世に神は存在するのだろうか? SF小説の名作。
この作品は、昭和51(1976)年に書かれているので、コンピューターを使用する場面の描写はいささか古めかしく感じられますが、読者を作品に引き付ける魅力はいつまでも色褪せないはず。 -
全ては妬む神の御業である…幸も不幸も。
その軛から解放されるためには
[非論理的なる世界については、それがどのようなものであるか語ることさえできないない。/byヴィトゲンシュタイン]
と説くヴィトゲンシュタインを超えなければならない。
この世に示現し、神に触れ得ようとした聖人達を神の犠牲者と語る本作にストンと何かが落ちた気分。 -
面白かった。最後はあっけなかったが一気読めた
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若き天才情報工学者、島津圭助は、神戸市で調査中の遺跡、花崗岩石室内壁に、ある『文字』を見せられる。十三重に入り組んだ関係代名詞と、二つの論理記号のみの文字。論理では解くことのできないその世界の言葉を執拗に追うある組織は、島津の卓越した頭脳に、この文字を通じて『神』の実在を証明することを強要する。―語りえぬことについては、沈黙しなくてはならない。ヴィトゲンシュタインの哲学に反く行いに幕を開ける、SF小説の金字塔。
神に対するアイディアがまず面白い。70年代のSFだが時代をあまり感じさせない。 学生運動が描写されているシーンではじめて古い作品だと気が付いた。 -
限られた環境の中で信仰されている神々は、信仰している人間が滅んでしまったらどこにいくのか?
すなわち神がいる場所は…
なかなか超次元的で面白かった。 -
13の関係代名詞と2つの論理記号から、神の存在を…というあおりに期待しすぎて拍子抜け。
なぜ関係代名詞と論理記号であるのかの理由付けとか、なぜ人間がそれを理解できないのかの描き込みをしているのかと思っていたが…
行く手をはばむ超自然の力に挑むというのがいいのかな?
霊能者がでてきたり、キリストも超自然の力にねじ曲げられた犠牲者のひとり…というくだりでは、CLAMPのXとか「百億の昼と千億の夜」を思い出した -
およそ40年前に・・・デビュー作で・・・この内容!?
凄すぎる\(◎o◎)/
でもクリスチャンの母が読んだらひっくり返りそうな話だわ(笑)
すご~く盛り上がったのに、ここから!ってとこで話が終わってしまうのが非常に残念。 -
山田正紀という人は、とにかくうまい。
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《神》を狩るというとんでもない主題の小説。短い小説のためか登場人物も少なく、無駄な描写のない、筆者のイメージをズンズンと記していったのかな、と思わせる構成。死体をどう処理したかとか、機動隊に囲まれてどうやって脱出したかなどという疑問はあえてすまい。
核となるなぜ《神》を狩るのか、の部分は歴史・宗教的な側面を踏まえ、説得力あるロジックが構築されており、中盤以降はどうやって狩るのかをまんまと期待させられてしまった。