コミケ殺人事件 (ハルキ文庫 こ 2-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.10
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本棚登録 : 58
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894564770

感想・レビュー・書評

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  • 再読。トリックも犯人も何も覚えていなかった。あのラストをするにしては、作中作「ルナティック・ドリーム」に魅力がない(ヒント「人間椅子」)。道理で何も覚えていないわけである。

  • コミックマーケットで起こる連続殺人事件と、「ルナティック・ドリーム」というアニメを元ネタにした同人誌「月に願いを」が交錯するメタミステリーです。この「月に願いを」には、アニメの中で発生した殺人事件の真相を、サークルのメンバーがそれぞれ考案し載せています。その内容は小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」のパロディから恋愛小説まで幅広く、楽しく読めました。
    学生を意識してか、素人っぽい文体が若干読み辛かったものの、作中作など上手く使いつつ、どんでん返しへと持っていくストーリーには工夫があり良い作品に仕上がっていると思いました。

  •  今は無き晴海・東京国際見本市会場で開催された最大規模の同人誌即売会、コミック・マーケット(コミケ)で起きた殺人事件。しかも午前11時20分から午後1時までの間に三人も立て続けに殺される、という連続殺人。
     そもそも同人誌即売会とは何か、という解説を登場人物の口から説明してくれるので、コミケを知らない人でもすんなりと小説世界に入ることができるが、もちろんコミケに参加したことがある人ならより楽しめる作品だ。
     晴海世代の人は懐かしさを抱きながら、有明世代の人は新鮮さを抱きながら読める。
     この本(新書版)が出たのは1994年。その一年後の1995年に会場の取り壊しが決定して、1996年から有明の東京ビッグサイト(国際展示場)に移動。晴海コミケ当時の状況を知るための二次資料としては最適。新書版には当時の会場の様子を収めた写真が多数掲載されているので、酔狂な人は古書店を巡って探してみてもいいだろう。

     ……にしても、この本を最初に読んだ人は、コミケが現在のように肥大して、メディアからも海外からも注目を集める存在になるとは夢にも思わなかっただろうなあ。
     きっと際物扱いして読後すぐに売ったか捨てたんだろうなあ。

  • 期待せずに読みはじめたのですが、予想以上におもしろかったです。
    コミケという一種異様な場所で起こる殺人事件です。
    作中作を使用した工夫があり、お約束のどんでん返しもあって驚かすだけではなく、本書の構造を考慮に入れた上でのラストも素晴らしいと思います。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1994年、『コミケ殺人事件』でデビュー。『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論研究部門受賞。『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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