さよならジュピター 上 (ハルキ文庫 こ 1-15)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.54
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本棚登録 : 216
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894565227

作品紹介・あらすじ

二十二世紀、火星で驚くべき発見がされた。火星の北極の永久氷床の下から、太古の宇宙人が残したと思われる"地上絵"が見つかったのだ!絵に秘められたメッセージの解読を進めるうち、木星の大気中に何か重要な秘密が隠されていると知った宇宙考古学者・バーナード博士は、「木星太陽化計画」主任の本田英二に、協力を要請するのだったが…。広大な宇宙を舞台に描く一大SF巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • 日本のSF小説界の重鎮、小松左京が日本のSF映画をけん引すべく自ら原案、脚本、製作、総監督を務めたSF超大作映画『さよならジュピター』のシノプシスを、作者自身がノベライズしたのが本書。1973年に刊行され一躍ベストセラーとなり、映画版も大ヒットした小松の代表作である『日本沈没』を、さらにスケールアップして舞台を太陽系に移し≪リメイク≫したSFスペクタクル巨編の上巻。
     西暦2125年、太平洋上の無人島が一夜にして姿を消した。その調査に向かった遠距離宇宙調査船「スペース・アロー号」も突然消息が途絶える。一方、主人公の本田英二(旧称:小野寺俊夫)はマリア・ベースハート(旧称:阿部玲子)と運命的な出会いを果たすが、エドワード・ウェッブ総裁(旧称:田所雄介博士)の命により木星の大気の海に存在すると伝えられる謎の浮遊物体調査の為に木星大気圏深部調査艇「JADE-Ⅲ・わだつみ」に乗り込み木星の深海で海底乱泥流《ジュピター・ゴースト》に遭遇する。その発見と遭難した「スペース・アロー号」の飛行経路から太陽系マントルの異常によるマイクロ・ブラックホールが太陽に向かって来る事が判明する。
    このままでは数年で太陽はブラックホールと衝突して太陽系から沈没してしまう。太陽系が壊滅してしまう前に地球から他の生存が可能な天体に全人類を移住させるという人類の存亡をかけた一大計画「木星太陽化D計画-1」がついに発動される!驚天動地のスペクタクル巨編『さよなら日本ジュピター沈没』は怒涛の下巻へ!(←あらすじは一部ねつ造個所有)

  • 2020/9/11
    10年ぶりにまた読み返してみる。
    映画のシナリオ作成と同時並行して生まれたノベライズ。発表当時は公開より先に小説版が出版されたはず。映画は相当ひどい出来で日本SF映画はもう見ないと心に誓った小根時代を思い起こした。

    小説版は高度成長期当時の世相が反映されていて興味深い。どうせ何も手を加えていかなくても、エントロピーの法則により自然に混沌にかえっていくのだから宇宙も含めて環境を自分たちの都合にあわせて次々に変えて有効に活用することになんの不都合があるのか?という思想と、人間は地球上で調和を保って楽しく生きていけばいいという思想のぶつかり合いが描かれています。

    現代では持続可能な生き方を求める風潮にありますが、時代とともに振れ幅の大きい葛藤です。著者は具体的には木星を太陽化させて、外惑星も生活可能圏に改造しようとするプロジェクトを舞台にしたスケールの大きい物語に仕上げています。

    映画での主人公はなんかベビー・フェイスすぎて迫力なかったけど・・・苦い思い出に浸りながら。このあと日本沈没を超える災害がせまる下巻に続く・・・

    10年前とほぼ感想は変わらない稀有な作品だということがわかった。

    2011/11/10
    木星を太陽化し、外惑星の開発に利用しようとするプロジェクトにからむ自然保護団体と、火星で発見された「ナスカの地上絵」そっくりの模様、彗星の巣方面で起こる事故・・・

    スターウォーズに対抗すべく企画された映画の原案だけあって、一般人にも受け入れやすくするわかりやすいネタ満載。映画のほうはひどかったなぁ。確か三△友○が出ていたような。

    技術的には古さを感じるものの、バブル景気にわく寸前の世相を反映させた自然を「征服」するのだという前のめりな雰囲気が懐かしい。

    いずれ放っておいても自然は崩壊していくものだから、新たな調和に向かって少し手を入れてもいいじゃないか、という主張(再読のはずが、この部分しか記憶にない・・・)。下巻でどう自然に立ち向かっていくか。

  • 途中で力尽きた。。。
    250ページあたりで読むのをやめました。
    内容は面白くないことはなかったけど、なぜか内容がほとんど入ってこなかった。
    表現が特殊なのか、普通は文章を読んでると頭の中に映像として映し出され、それで理解が進むんだけど、この本はそれがほとんど無かった。
    ただ、目で文字を追っているだけでストーリーがほぼ理解できない状態。
    何とかがんばって上巻だけでも読み切ろうとしたけど、苦痛な読書の時間ほど人生を無駄にしてることはないなと思って、途中で断念しました。

    ただ、1999年に書かれた内容にしては、現代にも通じる表現があったり、そういう意味ではSFとはいえ、あまり古さは感じなかった。

  • このSF小説は、「木星太陽化計画」側とそれを阻止する教団との攻防とその発端とも思わる「火星北極の謎の地上絵」など多岐にわたって書かれています。

  • 上下巻ともに読了

  • 無駄に長い濡れ場がなければ良かったんだけどね。上下巻読了だが上巻のみ登録。

  • 読んだのはサンケイ出版版なのですが、表紙絵が無くて寂しいのでこちらを登録。

     悪名高い映画のノベライズ(微妙に、「原作」では無いと思う。)ですが、木星周辺の宇宙開発を舞台にして政治・宗教などいろいろなエッセンスをぶち込んで話を広げています。
     木星の大赤斑や宇宙船などの描写が非常に細かく、読んでいるとビジュアルが脳裏に浮かんでくるようです。また、細かいガジェットの描写も多く、「これを80年代の日本の映像技術で表現するのは無理だよなあ」と感じさせます。

     まだ前半ということで、ストーリーは風呂敷を広げっぱなしの状態なのです。先が楽しみではありますが、会社の昼休みに少しづつ読み進めているので、後編の読了がいつになるやら不明です。

  • 悪名高い映画版の原作ということで、とんでもストーリーと思っていたらかなりの骨太SF小説でした。

  • 母の本。感受性豊かな10代の時に読んだのでとても印象に残っている。
    私がSF好きになるきっかけになった作品のひとつです。

  • 未読

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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