- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894565982
感想・レビュー・書評
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だいぶ昔に読んだ、オムニバス形式のSFもの。
『謎の大型爬虫類調査のため、中央アフリカ・ウガンジ奥地へ向かったアメリカの生物学調査隊が、目的を遂げたとの連絡を最後に、消息を絶った。』
こんな始まりなのでロスト・ワールドみたいなのかな?と思っていたら。
ジョン・エナリーには凄く引かれました。
SF としては入門書みたいな部類に入ると思いますが、読み終えて温かい気持ちになれる本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アフリカ、探検、謎の大型爬虫類のキーワードに引かれて読む。結局、恐竜物語でも探検記でもなかった。辺境の地を舞台にした連作集。1話毎に語り手が変わるが、金魚鉢を外から覘くかのようなもどかしさを感じる。語り手と読み手の間にある奇妙な距離感。やがて語りし者と語られし者の立場が反転・・、全作を通して登場する異星の人の視点を通して物語が語られていくかのような錯覚に陥る。我らが青き母なる星を彷徨い続ける、遥か彼方からの来訪者にして優しき観察者。たいして期待せずに読みだしたが思わぬ掘り出し物。20世紀の『死神の精度』
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厨二病の1冊を30年ぶりに再読。この当時の田中光二は本当に面白かった。
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中学の時に始めて読んだんだと思う。
ジョン・エナリーは、地球に調査に来ている異星人。
いろいろな事件に巻き込まれるが、人間とは違う身に付けている能力のおかげで、その事件の真の悲しみを感じながら解決していく。
オムニバス形式となっていた独立した数話としても読める。
徐々に人類に肩入れしていくエナリー。
調査員としての任務の続行と人間の命を天秤に掛けたあげくに、その能力を失う。
それでも人間への想いのゆえに、新たな事件により最後には命を失う。
最後、その勇気を称えた友人の言葉。
「さよならジョン・エナリー。この地球(ほし)が君にとって真の故郷となるように。」
感動のSFです。