天使猫のいる部屋 (ハルキ文庫 う 4-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 50
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894567030

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく奇妙な話でした。不思議というか読んだことないタイプの小説。
    依頼を受けて電子猫のデザインに携わるプログラマーの主人公。電子ペットとして発売される。依頼主のサムは病死。でもサムは本当に死んでしまったのか。画面の中のサムは実在するのか。次第にサムと主人公の僕の境界線があいまいになっていく。結末は読者に投げられたような感じ。どう解釈したら良いのやら。
    はじめの方の電子ペットはたまごっちを彷彿させたけど、だんだん人間もバーチャルの世界に入っていってしまう感じで。なんとも奇妙な。
    気になってぐいぐい読めたし、面白かった・・・んだけど、なんだか怖いような気持ちになった。SFなのかホラーなのか、なんとも言えない。とにかくこんな感じの本は初めて読みました。

  • 夜中にドアをノックしたのは誰だったのか? 時間がたぐり寄せられて重なったのか? 辻褄が合うことだけが小説ではない。ミステリーではない。ファンタジーという言葉嫌い。なんでもありになってしまうし甘ったるい。幻想小説。でもこれは(この人は)大人のファンタジー(もっとうまい言い方ないのか)。ヴァーチャルからリアルな部屋への持っていきかた。ススム→サムへの変化うまい(面会の予約はどうなっていた?)。サチコとの間に距離がおかれたままなのもいい(可能性を少しだけ示しつつ)。

  • だんだん残されたサムに憑かれていくのが怖い。怖いだけじゃないし、ホラーでもないんだろうけど、生の死を見せつけられるよりきつかった。リトルサムには鳥肌が立った。

  • *実際に読んだ91年発行版は画像がなかったため本棚に追加*

    CGデザイナの主人公と、伝説のプログラマ・サムこと貝塚修。
    修の恋人さち子に依頼され、猫のデザインをする僕。
    2人が作った究極の電子ペットの発売を待たずに、サムは病死してしまう。
    電子猫は爆発的にヒットするが、サムは他にもあるものを遺していた・・・。

  • 書かれたのは結構古いけど、現代で読んでも違和感のないような一冊。すごい。

  • 再読。1991年に初出された小説らしい。パソコン通信はあってもインターネットはなかっただろうし、バーチャルペットも世間になかった頃に書かれているのが凄い。/CGデザイナの主人公と、伝説のプログラマ・サムこと貝塚修。修の恋人さち子に依頼され、猫のデザインをする僕。2人が作った究極の電子ペットの発売を待たずに、サムは病死してしまう。電子猫は爆発的にヒットするが、サムは他にもあるものを遺していた・・・。/最後の40ページくらいの展開が気に入らない。そこまでは面白いのに、オチ(?)が微妙・・・。凄く惜しい。分類が‘物語’としか云えず、SFでもファンタジーでもミステリでもホラーでもない感じ・・・。最初読んだ時は、実は何だか怖かった・・・。

  • ヴァーチャルの世界には、なにが住んでいるのだろう。電子猫と、それと・・・?

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