フリージア (ハルキ文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 203
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894567511

感想・レビュー・書評

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  • 榊原健三シリーズ。
    正統派ハードボイルド。
    ページをめくる前の1ページ目から、読者を引き込む辣腕ぶりは流石の一言。
    主人公の台詞は非常に少なく、行間で読者に想像させる、考えさせる、その技法は圧巻だね。
    これぞ、読書の醍醐味という感じで。
    シリーズとは言え、二作しかないが、東直己氏の普段とは異するシリーズ。
    限りなく研ぎ澄まされた雄度を備えた不言実行に徹する元極道が、愛した...
    素人が字面に起こすと陳腐になるそれを、崇拝に昇華した一冊。
    『残光』を先に読んでしまったが、十二分に楽しめる。畝原シリーズに行こう。

  • 見事です。
    この、引退したヤクザやら兵隊やら殺し屋やらが、何かを守るため再び血なまぐさい戦闘のただ中に…っていうのは古今東西ありふれたストーリーだけど、これはよかった。
    これぞハードボイルド。
    過去も、面倒な人間関係も書くのを省いた。
    主人公はやたら無口で、昔の女を守るために殺しまくる。
    それで、やたら面白いじゃないか。
    ややこしい説明がないけど、どいつこいつも際立った。
    映画なら過去をフラッシュバック映像で一瞬で印象づけるところを、これは文章で匂わせるだけで完成させた。
    かっこよすぎて、ただそれだけだけど、もうそれでいいじゃないか。

  • 『鈴蘭』の時も話の流れに花が絡んできて意味としては解りづらかったんだけども、最後にぴかっと光ったっけな。残酷な殺戮シーン。人間はほんとにあそこまでできるんかな。ホッとしているといきなりガツンとくる衝撃。とても刺激を受けた作者さん。ちょっとしばらくは手にしたくないかもです。

  • 東直己は「ススキノ探偵シリーズ」を読んだが、他のシリーズもあると知ってよんだのが、この「榊原健三シリーズ」。やくざから足を洗った主人公が昔の女を守る、という話なのだが、殺すわ殺すわ、というハードボイルド。なんか探偵シリーズと似たシーンが多いと感じるのは、舞台が札幌近辺だからか。

  • 最初から最後まで関係者がバタバタ死んでいく。

    ススキノ探偵読んだ後なので面白いと感じが、
    そうじゃなかったら果たして楽しめただろうか。

    ストーリ自体は脇道にそれることなく、
    榊原が守る者の為に一直線に進んでいく。
    展開の移り変わりが多く、スピーディだった。

    もう少し榊原の過去とかに触れると良かったのかなと思う。

  • 結局、主人公榊原健三が多恵子を何を捨てても守ろうとする理由がわからずじまい。
    強くて孤独で女性に優しいハードボイルそのものの設定の主人公だけど、どことなく泥臭くて、決してスマートで格好良いとはいえない。そんなところが、周りに庇ってくれる人を作る所以だろうか?

  • 元彼女のピンチを知った元殺し屋は、隠遁していた山を降り関係各位(ヤクザ)を殺しまくる。ただそれだけのハードボイルド。その凄い殺人技をどこで覚えたのだ?
    ススキノ探偵シリーズの相田が元気で嬉しい。

  • ススキノ探偵シリーズとは雰囲気が全く違う、孤高の殺し屋が主人公のハードボイルド。というか、元殺し屋、元ヤクザ?どちらにしても、自分が選んだ道を信じて、女を守り通すことに決めた生き様には惹かれてしまいますよね

  • 愛する人を守るために、こんなことまでできるなんて
    榊原の愛はすごい!

  • ハードボイルドです。
    一人の女を愛し、守るために自らを危険にさらし、
    女をカタギに戻した過去。
    自分もその世界からは離れることを許され、山に籠る日々。
    条件はその女とは一緒にならない。

    ある時、その静寂は破られ、また同じ女を守るために山をおり、修羅と化す。
    修羅と言うと粗暴な感じがするかもしれないけど、
    当てはまる言葉だと思う。
    思考、行動共にスマートに見えるけれど、
    一人の女のためなら何人殺しても言いという考え方はクールとは程遠い。

    久々にワイルド系を読んだけど面白かったです。

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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