Y (ハルキ文庫)

著者 : 佐藤正午
  • 角川春樹事務所 (2001年5月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894568587

作品紹介

ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた一枚のフロッピー・ディスクと、五百万の現金を受け取ることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか?時間を超えた究極のラブ・ストーリー。

Y (ハルキ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この手のものは大好物なので色んな映像作品も観ている。
    その上で本作は文句なしに面白い。

    ただこの手の物語は集中して読まないとすぐに色んなことがこんがらがるので要注意。
    与えられた情報を整理しつつ読む手を止められない素晴らしい読書体験でした。

  • リアルなのにどこかフワフワとした感じ。(村上春樹の小説を彷彿とさせるものがあった。)

    主人公に舞い込む謎のフロッピーディスク。その中身を読み進めるうちに、主人公と同じく次第に不思議な出来事に心を奪われていく。

    そのフロッピーの中身が語るのは、運命の分かれ道という意味での「Y」。18年前に起こった電車事故をひきずった男女の群像劇といえるだろうか。愛する女性が亡くなった現実を覆すために、18年前にさかのぼる北川。果たして現実を覆すことができるのか……

    全編通して切ない思いがあふれる叙情的なファンタジーだ。

  • 人生のやり直しができれば・・・と思ったのは誰でも経験があると思います。

    43歳から18歳に戻って、人生をやり直すという設定の物語です。
    ただし、主人公は人生をやり直す男ではなく、その友人。

    ふたりは1度目の人生では、親友同士であったが、2度目では親友ではない。
    その親友でない男から渡された物語と、主人公の生活とで話が展開していきます。

    元ネタはケン・グリムウッドの「リプレイ」のようですが、また違った雰囲気の物語です。

  • 直木賞作家なのに未読とはイカン、勿体無いことをしたかと思い、図書館で見かけて貸出。


    うーん、残念ながら私には合わない作家さんなのかな。

    取り返しのつかない出来事をやり直したいと願う男、そのことで変わる何人かの男女の運命…というテーマだが、ただ思考実験のよう。
    作中でふれられる「リプレイ」はもちろん、SFなら「クロノス・ジョウンター」で、非SFなら「ターン」で、もっと登場人物は熱くせつなく描かれていた。
    タイトルのYについてはナルホドね、と思ったが、そこを読んでからは頭の中に「今日の選択は〜♪」とBGMが流れて、ますます作品の中に没入できなくなってしまった。

  • 時空を越えて未来から戻ってきた男が、何とかして電車の事故から大切な人を助け出そうとする話。設定は少しベタなところもあったが、話はなかなか面白かった。もっと効率的に対処すればよいのにともどかしく感じる部分はあった。

  • マトリックスやパラレルワールドラブストーリーに模した設定で、日常に対する違和感や疑問がストーリーを動かす。
    ある日突然の友人からの電話を皮切りに、託された手紙から紐解かれる謎と、人間関係やつきつけられた現実、何を信じたらよいかわからなくなる、この辺りは秀逸。

    ラブストーリーではない感、どこか他人事感があり、もう少し主人公が感情を激しく揺さぶられたなら、感情移入できたかと思うが、全体としては面白く一気に読めた。
    最後があっさりだった気がするが、会話から少しずつわかる事実と緻密な筋書きは、シナリオとしても魅力的と感じた。

  • 単行本が1998年刊なので約20年前の作品ですが、本作の中核を成す超常現象および、SF・ミステリを前面に出しつつ実は恋愛小説だったという体裁から考えると、直近の直木賞受賞作『月の満ち欠け』と相似形をなす作品となっているように感じました。
    本作の読みどころは構成の上手さです。北川健に起きる事象自体は、先行作品もありさほど目新しいものではありませんが、それに付随する伏線、登場人物各々の背景およびそれらが明らかになる過程が非常に凝っていて面白かったです。バックギャモンを人生になぞらせるくだりのように、本筋とは関係ないところで時折出てくる小ネタも味がありました。
    星を一つ減らしたのは、第九章で顕著にみられるように、ご都合主義的な展開が散見されたからです。例えば私だったら事前に詳細を調べて、事故自体をなかったことにするよう行動すると思います。主人公が北川のことをずっと思い出せないのも不自然。もっとも、このあたりは人知の及ばない大きな流れの中に我々がいることによる、と解釈すれば大した疵ではないのかもしれません。
    本作に登場するキャラクターは、既読の作品のそれとほとんど変わらないように感じました。男性の主人公には時々びしっと決めてほしいなあ、とじれったい気持ちを覚えることがあるのですが、何作か読むうちにそういう作風の方だししょうがないか、と思えるようになってきました。これを安定した作風ととるか、芸が無いととるかによって、佐藤正午作品についていけるかどうかが決まるような気がします。

  • タイムループもの。1998年刊行。
    流し読みに近い読み方をしてしまったので、語り手の「私」が誰で、彼女が誰なのかごっちゃになってしまった。話も、語り始めの時代も複雑だった。
    至るところで、交錯する男女。それは縁でも運命でもなく、ここまでくると必然なのかもしれない。

  • パラレルワールドものはあまり当たりがなくて好まないけど、これはおもしろかった。少し痛くほんのり甘く、中年男の悲哀。いい話でした。ヌーベルバーグの映画を見たくなりました。今ならもっと鑑賞できるかもしれない。著者は映画が大好きなのですね。きっと。

  • 読み始めはわけがわからず、フロッピーディスクの中身が退屈に思えた。
    少しずつ中身が見えてくると、その複雑さに魅せられ読み進めることが出来た。
    縁はあると思う。

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