三国志 (6の巻) (ハルキ文庫 き 3-6 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.99
  • (161)
  • (165)
  • (158)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 1459
感想 : 73
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894569461

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間味のある孔明登場。正調では、ケレン味のある人物として描かれているが、ここではナチュラルな雰囲気を持った好人物である。
    人としての葛藤も描かれていて面白い。
    女性像に関しては、あまり好みではないが、三国志だから仕方がないというところだろうか。

  • 相変わらずスラスラと読める。
    三顧の礼も自然に書かれてる。
    「来ちゃった」劉備がタチの悪い女に見えた。
    馬超まカッコ良く書かれてる。男らしい人物は良く書かれてる傾向にあるな。
    張飛の方が関羽より印象的なのも。

  • 前巻の最後でも兆候が見られたが、曹操が苛烈になっている。自他共に厳しく、最高のパフォーマンスを求める人物に周りが意見できない状況はきつい。荀彧もそろそろ・・と思うと、この傾向はますます強まりそう。
    ようやくの諸葛亮の登場。かの天才が迷い、忸怩たる思いを抱いていたことの描写は意外であると同時に孔明も人間なんだなと親近感を感じる。
    どうも呉はダメな感じがする。孫権の器が小さく、家臣も周瑜以外は小物。
    曹操の焦り(奢り?)のなか赤壁へと向かっていく。

  • 諸葛亮、いよいよ劉備軍に加わる

    [三顧の礼]が、さらっと書かれているのがよい
    張飛がとても魅力的である

    曹操の南進が開始されて、
    張飛の仁王立ちと趙雲の一騎掛けで有名な長坂の戦

  • 前巻の最後、徐庶との別れと引換に紹介された諸葛亮孔明が登場する。長らく圧倒的強い戦力を持ちながらも、領土を持てなかった劉備は徐庶との出会いにより自らの軍に足りないものを確信したのかもしれない。孔明を軍師として迎えたいと願った劉備は、三顧の礼を尽くす。8年間流浪であった徐庶でさえ母の人質が無ければ、劉備に仕えることを本気で考え、その徐庶が紹介した孔明も劉備の熱意を受け軍師となることを決意する。劉備は徳の将軍と呼ばれながらも今まで燻っていたイメージだったが、やはり出会う人には何かを感じさせる力があるのだろうと感じた。劉備には最初から揺るがないビジョンと志があり、それに共感してくれる、関羽、張飛、趙雲という豪傑たちによる圧倒的戦力があり、戦術もある。その劉備軍が唯一持っていなかった戦略が孔明を迎え入れることによって手に入り、一気に躍進する。この4つの重要性はビジネスでも同じことが言えると思った。

  • ついに出た諸葛孔明。ちょっと、これまでの登場人物とは感じが違います。
    北方文学の特徴というか、主人公が至極あっさりしている。例えば呂布や張飛など男らしい軍人タイプがもっとも魅力的に描かれる。また、戦闘場面、つまり戦術の領域は非常に生き生きと描かれる。しかし、諸葛孔明は戦術よりも戦略の人。また軍人というより策士という立場でしょう。こういう人間をどう描いていくのか、それが楽しみ(不安)です

  • 孔明が出て来た、若々しい好青年でなんかいけすかない。でも3回も会いに行く劉備かわゆす。劉備のだめんずっぷりを知っているから、そこまで執着することに驚きと慈しみを感じる。
    黄祖はあっさりと倒せてしまう、前の川での戦いのときは苦労したのに。老いたということなのだろうが、もう少し頑張って欲しかった。
    そして周瑜が結核ということで、なんだか堀辰雄を思い出してしまった。変にロマンチックな病気だよなー、不謹慎な物言いで申し訳ないけど。
    関羽が老いを感じて苛立っていたりして、自分もそういうことがあるから親しみを持てる。死後神になったりして完璧超人みたいなイメージだったけど、北方センセはこういうとこで等身大の人間を見せてくれてありがたい。

  • 長坂坡の戦い。
    挙がる趙雲の雄たけび、敵が次々となぎ倒される。
    圧倒的な存在感と威圧感、血が煮えたぎるような躍動感。
    今までで一番の見せ場である。呂布よりもかっこ良く描かれているかもしれない。
    そして三顧の礼から、軍師諸葛亮の獲得。赤壁の戦いへの準備。歴史は大きく流れ出す。

  • 孔明に対して 劉備は 三顧の礼を尽くす。
    最初を 志を語り
    二回目は 生い立ちを語り
    三回目は 熱意を伝える。
    孔明は 受けて立つことになった。

    そのことで、劉備軍は おおきな変化をとげるようになる。
    大将と将軍たちは いたわけで、
    精鋭軍だった。それに 戦略と軍師が加わることで、
    戦いの方法が かわってくるのだった。

    魯陽の攻め方は 大きく違っていた。
    そして、砦のあり方も見抜いた。
    優れた軍師とは 観察力が優れていなければ、
    勝つことは できないと言えそうだ。

    そして、曹操の大軍がやってきているなかでも
    負ける方法を しきりに考える。
    そして、どこに よって来るべきところを
    明確にするのか が 重要なのだ。

  • いや〜おもしろかった

著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北方謙三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×