三国志〈11の巻〉鬼宿の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894569669

作品紹介・あらすじ

張飛は死なず。呉への報復戦を劉備自ら率いる蜀軍は、関羽を弔う白亜の喪章、張飛の牙旗を掲げ、破竹の勢いで〓帰を制した。勢いに乗る蜀軍に対し、孫権より軍権を委ねられた陸遜は、自軍の反対を押し切り、夷陵にて計略の秋を待つ。一方、自らの生きるべき道を模索し、蜀を離れゆく馬超。呉の臣従に対し、不信感を募らせる魏帝・曹丕。そして孔明は、呉蜀の決戦の果てに、遺された志を継ぐ。北方"三国志"衝撃の第十一巻。

感想・レビュー・書評

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  • 本当にこの辺になってくると、寂しくなる。2世、3世が頼りないのはいつの時代も一緒なのかとため息が出る。
    今後は孔明が主役になってくるのだろうが、どのように描かれるか楽しみ。

  • ついに劉備死す。関羽の死からの蜀の階段を転げ落ちるような没落具合が非常に悲しいところだが、残す南蛮戦と五丈原に思いをはせよう。

  • 張飛が死に、劉備にも死の気配が色濃くなってきている。
    呉蜀の対決は前哨戦を終え、決戦へと向かう。

    長い対峙ののち、陸遜の策がはまり蜀軍は思っていた以上の大敗を喫する。劉備はなんとか逃げ延びたが、若く有能な将を複数失い、戦乱初期からの伝統と経験を受け継ぐ最強の騎馬隊は壊滅、皇帝直属の精兵も大きく失った。
    決戦前から見えていた劉備の心の衰えも顕著に見えるようになり、老いと終わりが見えてくる。
    このまま失意の中消え去るように死んでいくのかと思いきや、燕京の鍼の助けをかりて精神力を取り戻し、それと共に強まった苦痛に耐えながら孔明と語り合い、蜀の行く末を託して死ぬ。
    蜀の勢力が衰えたことで呉と魏の風向きが怪しくなっていく。蜀はその空隙を突いて国力の回復に努め、南征を企てる。
    唯一生き残った五虎将軍、趙雲と孔明が満月の月夜を2人で歩く幻想的なシーンで巻を閉じる。

  • できる男、陸遜がこの巻の主人公格。これまでの戦いの中で一番リアルな感触があった。
    劉備が最後にシャキッとしたところも良い。

  • ついに劉備が逝く。兄弟を失い、戦で大敗を喫し、失意の底にあった劉備でだが、死に際の貫禄は英雄に相応しいものであった。

  • <凡>
    北方三国志は,もう終わった様な展開となっていて,ここから先は惰性で読んでいるのかもしれないと僕は感じている。

    ところで今は2021年の5月ゴールデンウイーク。毎年この時期に僕達にわか素人ミュージシャン達は大阪の服部緑地公園で三日間に渡って開かれる「祝春一番コンサート」の観覧に行っている。いや行っていた,が正しいか。そのコンサートがもう都合2回中止になっている。ワクチンがきちんと供給されて人々の大多数が接種できない事にはこのコロナバイラス禍津は何年でもづっと続くだろう。

    ああ,どうやらまたも本の感想とは全く関係ない文面になってしまった。相変わらず,すまぬ。

  • 再読。

    あぁ、爽快でない。
    英傑と言われた方々が舞台から消え去っていく。

    だから、三国志は「赤壁の戦」かフィーチャーされるのね。

  • 関羽、張飛を亡くした蜀。
    劉備が率いて呉に攻め込む。

    対するは孫権から全権を託された陸遜。
    陸遜の苦悩と忍耐が目に見えるようである。
    その先に、渾身の一撃ともいうべき呉の大反撃、大勝利がある。

    結果として大失敗に終わった遠征の後、
    劉備は病の床に就く。
    死の直前に劉備は、蜀の今後を諸葛亮に託す。

    混沌とした状況の中で、
    馬超の生き様が一服の清涼剤ともなった。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    結末を知っていても、劉備軍による快進撃には心躍るものがあった。一方で劉備、関羽、張飛の三兄弟の登場から始まったこの物語も一つの終わりを迎えるということを強く感じた。
    また、これから蜀を一身に背負うこととなる諸葛亮のことを考えると切なくなった。
    一方で魏では曹丕が着々と新たな体制を固めており、馬超は厭戦から病死と偽り、山中へと隠遁するなど多くのことで変化が訪れた。
    次が最終巻のようだがどのような結末になるのかが楽しみだ。
    それにしても爰京が劉備の前に姿を表した事には驚いた。これで爰京は曹操と劉備と二大英雄の死を看取ったことになるんだな。なんと数奇な運命だな。

  • いよいよ最終章へ。劉備死す。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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