私学的、あまりに私学的な 陽気で利発な若者へおくる小説・批評・思想ガイド
- ひつじ書房 (2010年7月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (513ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894765252
作品紹介・あらすじ
文芸批評家であると同時に教育者でもある著者の、授業で実際に教えている積年の「ネタ」が詰まった一冊、早稲田大学文学学術院講義ネタ帖。
感想・レビュー・書評
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本を読むことはインプットのアウトプットの連続
簡単に結論付けられるほど物事は単純じゃないし、何ごとも決めつけることは良くない。
全ての物事には両面がある。
よく見てしまうと嫌な部分も見えて、曖昧な方が美しく見える。
違うからこそ惹かれあい憎しみ合う。
絶望でさえも一人では完成しない。
誰かとの関係の中で反復される中で
深度も明度も高まっていく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鋭い評論ばかり。
しかし扱っている作品が全体的に古い。綿矢さんとか川上さんとか扱っているが。古典もいいが、渡部さんには新しい作品をもっとばっさばっさ批評してほしい。 -
渡部直己の授業を物理的・精神的に受けられない人のための本。テクスト読解の部分に関しては元本をほとんど読んだことがないので読んでから再読したい。春樹論は、共感はできないまでも理解はできる。
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読みたい。
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文学の勉強こそ、最強の就職活動。ベケットやニーチェを相手にできるなら、一般企業のエントリーシートや人事部長なんて端から目じゃない。
ファシズムとは、何かを言わせまいとするものではなく、何かを強制的に言わせるものだ。発言の自由をではなく、むしろ沈黙のしたたかな自由を奪うこと。ロランバルト。
世界の秘められた中心には真理があると思いこむこと。それこそ哲学2000年の最大のチョンボではないか、と指摘するニーチェはこの天では理性それ自体の限界を喝破したカントと意外と近いのだけれど、ついで即座に真理がないとすれば、そこにはいったい何があるのか、と問うところが彼の真骨頂となる。
後進国、低開発国って禁止用語で、発展途上国、開発途上国って言わなくちゃいけないらしい。日本語にはまだまだわからないことが多過ぎる。