光村ライブラリー・中学校編 1巻 赤い実 ほか

  • 光村図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895283694

作品紹介・あらすじ

昭和30年度版〜平成14年度版教科書から厳選。

感想・レビュー・書評

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  • 光村ライブラリー「中学校編」全6巻の、これが第一巻。
    長いこと登録のみだったが、この中から3話ほど(それぞれ日にちは別)朗読したところ非常に好評だったのでレビューも載せてみる。
    どなたかのお役に立ちますように。

    教科書教材の名作を集めたもので、この一巻で7つの短編が載っている。

    「赤い実」井上靖
    「おいのり」三木卓
    「サーカスの馬」安岡章太郎
    「一切れのパン」F・ムンテヤーヌ
    「内蔵允留守(くらのすけるす)」山本周五郎
    「おふくろの筆法」三浦哲郎
    「吾輩は猫である」夏目漱石
    巻末にはそれぞれの作品の解説付き。

    教科書に採用されるのはこういった名作の部類に入る作品が多い。
    中学生が自分からは手に取らないだろうと思われるものがほとんどで、そこに採択される理由があるのかと思う。
    手に取りやすく読みやすいものは、同時に忘れ去られるのも早い。
    「授業でやったような気がするけど、タイトルが思い出せない。あれ何だっけ?
    確か猫がいっぱい出て来て喋るんだよ。魚屋さんも出て来て・・ええと・・」
    そんなおぼろげな記憶から「それ、三木卓の〈おいのり〉だよ」と誰かに答えをもらい、そこから読み直してみたり。新たな出会いで自分の成長を確認できたり。
    名作というのは、人生の中で時に何十年もかけて理解していくものかと。
    今すぐ分かろうとせずに、心の中の釘にひっかけておけば良いのだ。答えはいつか出る。

    全ての作品を「音読」してみて、お話会の時間内におさまるものを3編選んだ。
    「赤い実」25分。「おいのり」14分。「おふくろの筆法」8分。少し解説も加えた。
    ちなみにお話会では「朗読」で、本番まで猛練習を積んだ・笑
    その他に季節の素話を組み合わせた。

    中学生ともなると、身じろぎもせずに集中して聴いてくれるため、こちらもしっかり集中できる。それでミスもない。練習ではミスするのにね。
    「上手くやろう」とか「どう思われるか」とか、よけいなことを少しでも考えるとミスに繋がる。やはり無心で集中することがいかに大事かを思い知らされる。

    こちらでは国語の教材は東京書籍なので、光村は新鮮に感じるらしい。
    お薦めは三浦哲郎の「おふくろの筆法」で、短いながらも親子の情が巧みに描かれており、深い余韻を残す。
    特に好きなのは「一切れのパン」。名作なのでご存じの方も多いだろう。
    この一編で、かつて読書会を開いたこともある。
    朗読してみたい作品のナンバーワンだが、残念ながらやや長すぎ。
    図書館にあれば、ぜひ中学生向けのお話会で使ってみてね。

    • メイプルマフィンさん
      nejidonさん、お久し振りです!私は光村の教科書で学んできたので、懐かしくてコメントしちゃいました!
      当時「赤い実」「サーカスの馬」が大...
      nejidonさん、お久し振りです!私は光村の教科書で学んできたので、懐かしくてコメントしちゃいました!
      当時「赤い実」「サーカスの馬」が大好きで大好きで。教科書での出会いがきっかけで、井上靖や安岡章太郎の作品をよく読んでました。多感な時期に名作に親しむことができて、本当に幸せだったなと思ってます。
      光村ライブラリーに中学校編があったことを知ることができてよかった~。是非読んでみたいと思ってます。
      2020/06/12
    • nejidonさん
      メイプルマフィンさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      このレビューに書きこんで下さって、とーっても嬉しいです(^^;...
      メイプルマフィンさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      このレビューに書きこんで下さって、とーっても嬉しいです(^^;
      光村の教科書で学ばれたんですね!なんと羨ましい。名作揃いですものねぇ。
      解説によると「赤い実」は人気作品だったらしく、ここから読書好きになった子が大変多いのだそうです。
      「サーカスの馬」もいいですね。ラストで思わず拍手をする少年の気持ちに、応援したくなります。
      このシリーズは6巻全部がどれも良いのです。
      載せたのは最初の巻だけですが、機会がありましたらぜひお読みになれますように。
      急激に暑くなりました。
      メイプルマフィンさん、どうぞお身体に気を付けてお過ごしください。

      2020/06/13
  • 2さつあります。

  • 懐かしかった。

  • 著者より

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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