カラス学のすすめ

著者 :
  • 緑書房
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本棚登録 : 51
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895313322

感想・レビュー・書評

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  • 「車でくるみ割り」とか、「他の鳥を遊び半分で追いかける」というような、他の鳥類では見られないような行動をするという特異性がカラスにはある。そういう「カラス特有の行動」というのを、解剖によって解き明かそうとする筆者による、研究発表本。
    カラスの解剖学的生態について知ることができるが、専門用語が多く、その反面図がちょっと少ないような気がするので一読だけで理解するのは難しい。ただ、詳細に書かれているからこそ、よりカラスを身近に感じられるかもしれない。

  • おそらく雀と並んで身近な鳥類であるカラスについての本。文学の世界でどのように表現されてきたか、から骨格や神経の特徴、カラス対策についてなど幅広くカラスについて学べる。

    田んぼで刈り終わった米を啄む姿やごみ袋にちょっかいを出す姿をよく見るカラス。人間の生活空間に最も近い鳥だが、詳しく知る機会はあまりない。この本がその知識不足を補ってくれる。

    例えば、他の鳥類と比べてカラスの脳がとてもは発達していること。この脳により、1年にも渡る優れた記憶力、記号の類推能力、他の仲間が体験していたことを横で見るだけで学習できるー真似る能力などを発揮する。
    また優れた声帯は様々な種類の泣き声の発声を可能にすること。鼻は人間よりも効かないこと(代わりに紫外線の色や反射を通じた視覚からの情報を得ている)。

    カラスは人間の生活圏に近いが、人間のように暮らすわけではないので、普段何をするかというのは全く知りようがない。しかし、全体を通読することでカラスがどのように生活しているか想像を膨らませることができる。
    森林やビル群に巣を構え、人間の収穫物や廃棄物の残り・昆虫を食べる。群れの仲間とコミュニケーションを取り、夕方頃に一斉に巣へ帰る。夜もある程度活動する。この本を読む前は上記のことは全く知らなかった。ある意味数十年間ご近所で一緒に生活していたのに。

    人間に近い距離で生活し、人間の生活残滓から食事を取ることもあるカラスだが、農作物を食べたり、乳牛などの家畜を傷つける、光ファイバーを噛み切るなど害も多い鳥であることという意識を得られた。

    ※カラスが人間には見えない紫外線の色が見えているという話を見たとき、人間と同じものを見ていながら得ている情報は全然違うということに衝撃を受けた。生きている世界が違うというか。人間の見え方や得る情報は非常に限られていることがよくわかる。

  • カラスを通じて鳥類の体の仕組みを知ることができました!

    特に目の構造、意図的に遠近両用できるってことは、目の筋トレも可能ってこと?視力落ちにくくない?うらやましいってなりました(たぶんそうじゃない)

    ハシブトとハシボソの区別は、たまーに、あれ?カラスってこんなに頭まるかったっけ?冬毛?っておもっていたので、たぶん種類の差だったのか!と思ってちょっとおかしかったです笑

    雑食で共食いもアリだけど、嗅覚は鈍くて、紫外線を含めた四色の世界……。想像もつかないんだけど、どんな風に見えてるのかな。

    カラスに対する興味が深まりました!
    一般人にもわかりやすくかみ砕いてくれているんだけど、それでも専門的なことばも多くて、表面的なところしかよめなかったので、3つ。

  • (図書館員のつぶやき)
    カ・ラ・ス学のすすめ、とはなんでしょうか?イメージが悪さするてありませんか~
    しかし、この本を読めば、からだ、知恵、五感、鳴き声などなど知らなかったことが
    わかります。なるほどの、”カラス学のすすめ”です。借りてみらんですか。

  • カラスのことがほぼ全てわかる。やはり頭がいい

  • カラスは、日常、どこにでもいて、うるさい。しかも、大きな鳥だ。国際基督教大学には、木々が多いので、カラスがたくさん住んでいる。厄介な鳥である。この本の著者は、カラスの研究、20年という、カラス博士である。じつは、近年、脳科学、認知科学などの発展に伴い、カラスについて非常に多くの研究がされるようになったそうだ。その結果、数の概念、カラスのコミュニケーション、カラスの顔の認識などをカラスはしていることが解ってきた。だからといって、カラスが知的動物だからといって、やはり、可愛いく見えるわけがない。カラスは、どうしても、嫌われ者だが、人間とのうまい共存ができればいいのだが。学内のカラスをもうすこし減らせるといいのだが。難しそうだな。

  • 日本には「カラス」という名の動物はいません。(略) 実は「カラス」はスズメ目カラス科の総称。

    日本でよく見られるハシブトガラスやハシボソガラスは、動物分類学的にいうと脊椎動物門鳥綱スズメ目カラス科に分類されます。このカラス属に分類される鳥は世界で四十六種、そのうち日本で見られるのは主に五種です。

    この二種のカラスはどちらも「留鳥(りゅうちょう)」と言って、四季を通していつも同じような場所に棲息し、渡りはしません。

    ハシブトガラス
    体重は六百~八百グラムで、体長は約五十六センチメートル。鳴き声は「カァ~カァ~」と比較的澄んでいます。食性は雑食ですが、どちらかというと肉を好みます。産む卵の数は二~五個です。

    ハシボソガラス
    体重は四百五十~六百グラムで、体長は約五十センチメートル。鳴き声は「ガァ~ガァ~」と濁った鳴き声をします。雑食性ですが、カエル、虫などの小動物、木の実、畑作物の種や芽などを好んで食べます。産む卵の数は二~五個です。

    ミヤマガラス
    ハシボソガラスより一回り小さく、体長は四十七センチメートルくらい、体重も三百グラム程度です。クチバシの根元の皮膚が露出しているため、白っぽく見えるのが特徴です。「カララララ」と細く小さく鳴く。穀類や昆虫をエサにする雑食性。

    コクマルガラス
    大きさは三十三センチメートルぐらいで小型のカラスです。黒一色のタイプと、白と黒のツートンカラータイプの二種類がいます。鳴き声は「キョン」「キョー」「キャー」と甲高くなくようです。冬鳥として大陸から九州地方にやってきます。

    ワタリガラス
    日本のハシブトガラスよりもさらに大きく、体重は千二百グラム以上もあり、ハシブトガラスの約一・五倍近い大型のカラスです。北極グマ、キツネ。コヨーテなど肉食獣のそばで生活して、ハンターのしとめた獲物のおこぼれを頂戴しているため、食性は肉食に近いようです。ワタリガラスは賢いカラスの仲間のうちでも特に賢い方で、昔から動物行動心理学の研究に使われています。鳴き声の種類はたいへん豊富なようです。

    一日の行動範囲は平均で五~六キロメートル。

    カラスは共食いをする

    どの動物でも、一生の心拍数はおよそ十五億回と決まっているようです。

    カラスのクチバシー恐るべきパワー
    このクチバシには、啄(ついば)む、突く、咬むなどの働きがあります。

    カラスには食料を貯めるそ囊はありませんが、その分、胃に貯めることができるようです。

    カラスにとって色彩はとても重要な情報

    カラスの色覚は四原色
    鳥ではさらに紫外線領域に感度の高い視物質をもち、赤、緑、青、紫外線を感知する四色型色覚を有します。
    人間に七色に見える虹は、カラスではより色彩豊かに見ていることが想像できます。

    カラスには特別好きな色も嫌いな色もなさそうでした。

    カラスはハムから反射する紫外線で、偽物と本物を見分けていると見当づけられました。

    カラスの嗅覚は鈍感

    カラスのクチバシは無骨な外観には似付かず、五徳ナイフのように多機能性を発揮する繊細な期間・・・(略)考えてみれば道具を自作して使うなど、カラスは高い知能で注目されますが、頭で考えたことを実行するには、知能だけではなく、すぐれた道具とそれを制御する感覚が必要です。カラスの知能の発現に、クチバシありですね。

    まれに十キロメートル飛ぶものもいましたが、ほとんどのカラスは四~五キロメートル以内と、基本的に狭い範囲で活動していることがわかりました。

    (GPSロガー)
    記録されたカラスの最高飛翔速度は時速七十三キロメートルでした。平均およそ時速三十四キロメートルで、原付バイク並みの速度です。

    夜に行動するカラスも結構いることがわかりました。(略)鳥目ではないようです。

    カラスを食べる
    ハシブトガラス、ハシボソガラスの深胸筋浅胸筋から三十二種類の遊離アミノ酸と、二種類のジペプチドが同定されたのです。なかでも、タウリンという遊離アミノ酸が四十~五十パーセントも含まれていることがわかりました。これはニワトリの七パーセント、カモの六パーセントと比べて非常に高いのです。タウリンは滋養強壮剤や栄養ドリンクのなかにたくさん配合されていて、消化や神経伝達、活性酸素の抑制などに大きく貢献する物質としても知られています。要するにカラス肉は健康にとても良いということです。
    「本当に美味しいカラス料理の本」GH社













  • 解剖学を主にした専門性と,一般人に分かりやすい内容が両立されている。だから興味深く,満足しました。
    カラスの魅力を十分感じられました。

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