メアリー・スミス

  • 光村教育図書
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895726405

作品紹介・あらすじ

月曜日の朝、よあけを待たずに家をでて、町へといそぐ、メアリー・スミス。ゴムのチューブに豆をこめ、ふいてとばす、その仕事とは。

感想・レビュー・書評

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  • う~ん、面白い!
    ほっぺたをぷうっと膨らましたおばさんの顔の表紙に興味を持って読み出したのだが、こんな話だったとは驚き。
    メアリー・スミスさんは実在したひとで、このお話もなんと実話なのである。
    裏にはご本人の写真もあり、1927年のもの。
    読み聞かせはもちろんのこと、仕事関連のブックトークにも向きそう。
    約7分。中学年くらいから、かな。
    絵も見やすく明るくて遠目も利くし、ほどよいデフォルメがとても楽しい。

    主人公のメアリー・スミスさんのお仕事の話。
    それが何とも珍しい「目覚まし屋さん」。
    ノッカーアップ(knocker up)と呼ばれて、目覚まし時計が普及していなかった時代の英国では、安い賃金でこういう仕事をするひとがいたということだ。
    表紙の絵がその方法で、ゴムのチューブに硬い豆を詰めて目標の家の窓めがけて飛ばすのだ。
    考えてみるとすごいスキルだ。
    しかも、その家のひとが確実に起きたかどうかを確認してから次の家に向かっている。
    のどかな時代だったとはいえ、なんと羨ましい話しだろう!
    どんなに高機能の目覚まし時計でも、ここまではしてくれない。
    やはり、ひととひとなのよね、仕事って。
    しかも、豆というのがいいなぁ。
    あとで鳥さんが食べてくれるものね。

    しかもちゃんと「オチ」までついているお話で、帰宅すると娘さんがまだ寝ている。
    あわや『紺屋の白袴』かと思いきや、そうではなくて、寝ているクラスメイトを起こそうとして豆を飛ばしたら間違って先生に当ててしまい、家に帰されたのだという。
    でもメアリー・スミスはお仕事のプロフェッショナル、怒るポイントが違うのだ。
    ここは文句なしに笑える。

    さて日本では目覚まし時計がなかった頃どうだったのかしら。
    もともと勤勉な国民性だけど、目覚まし屋さんは存在したのかな?
    もしやニワトリ?鐘の音?

    読んだ後清清しくなる、素敵なお話。後書きまでおすすめです。

    • 淳水堂さん
      nejidonさん こんにちは。
      レビューをお見かけしましたのでコメントさせていただきますね。
      お忙しければお読み捨ていただければ…。
      ...
      nejidonさん こんにちは。
      レビューをお見かけしましたのでコメントさせていただきますね。
      お忙しければお読み捨ていただければ…。
      こちらの本は低学年読み聞かせに持っていきました。
      勤労感謝の日と繋げたので、低学年でも分かってくれた反応があったと思います。
      nejidonさんの紹介される本や、本への考え方はとても頼りになります。
      ありがとうございます。
      2021/11/18
  • 実在した人がモデル。
    昔はこんな仕事があったんだと。
    それはそれでいい時代だったよなと思う。

  • 1,2年生読み聞かせ 5分程度
    11月の勤労感謝の日に関連して。
    本当の話ということと、仕事に関連できるということで、先生方からも好反応でした。


    表紙は、メアリー・スミスが豆をゴムチューブストローに詰めて吹こうとしている絵。裏表紙は、メアリー・スミスさんご本人の白黒写真。
    児童には表紙を見せて、「このメアリー・スミスは、今ではもう無い仕事をしています。さあなんでしょう?」と言うような話をして読み始めました。

    メアリー・スミスは、日の出前に町外れの家を出ます。
    町に入りパン屋さんの家に着くと、ポケットから取り出した豆をゴムチューブストローに詰めてプッと吹きます。
    窓が空いてパン屋さんが顔を出します。「メアリー、起きたよ」
    こうしてメアリーは次々に家を訪ねて、豆を窓に開けて人々を起こして回ります。
    最後に町長さんを起こすと「君のおかげで町が動き出すよ。ありがとう」とお礼を言われます。
    すっかり日常の活動を始めた町をみながらメアリーは家に戻ります。
    …ところが!家では娘のローズがベッドにこもっているではありませんか!
    うちの娘が寝坊だなんて、町の人達に顔向けできないよ!
    でもローズは寝坊したのではありません。学校で眠っている生徒ではなくて先生に豆を当ててしまったために家に帰されてしまったんです。
    メアリーはそりゃーなさけないねえ。と笑い、母娘は二人で豆飛ばしの特訓をするのでした。


    絵本の最後には、当時の「めざまし屋」についての説明と、他のめざまし屋さんの写真があります。
    児童にそのページを見せながら「さあ、メアリーの仕事は何だったかな?」と聞くと「めざましやさん」「起こす人」などと声が聞こえます。(読んでる最中にも「分かった!起こす人だ!」という声も挙がりますが)
    そうですね、この頃は目覚まし時計が普及していなくて、メアリーのように人々を起こす仕事があったのです、と言って、簡単にお仕事のこととか、勤労感謝の日のこととか、機械の発達とお仕事のこととかお話しすると終わり方もまとまりました。

  • みんなは朝、誰に起こしてもらう?メアリースミスは、めざましやさん。まだ夜明け前に起き出して、ずんずん歩いて家の前に。ゴムのチューブに豆をいれ、窓にプッ!カチン!みごと命中して、起きたなら、今度は次の家へ。こんな風に起こしてくれたら、きみもすぐ起きるかな?イギリスの実話を元にしたお話です。(2014.1締切分)

  • ノッカー・アップ
    めざまし屋というのだそうです。
    面白かった。
    仕事って時代にあわせてあるんだなあと納得。

  • 仕事に誇りと自信があるっていい
    胸を張れる何かを手にしたいと思える素敵な話だった
    オチもあるしね

  • ワーキングウーマンのメアリー・スミス、かっこいいです。昔のイギリスの風俗がわかるので、年かさの子達も興味を持つと思います。

    実際のメアリーの写真が載っているので、子供たちは見せて!と集まってきます。

  • 図書館で目にして気になっていたので、借りた。

    メアリー・スミスは、実在したノッカー・アップ(めざまし屋)。
    かたいゴムチューブにかわいた豆をこめて、窓に豆をふきとばして当て、町のみんなを起こしてまわったという。

    なるほど読みきかせに向いている。
    お仕事の絵本だけれど、ユーモアがある。
    手元でよく見れば、町の見開きの場面に何人ものメアリー・スミスや、7時7分の見開きの場面に起こした人々がいるのがわかり、おもしろい。
    こんな職業があったなんて、知らなかったなぁ。

  • まだ目覚まし時計のない時代、
    ノッカー・アップ(目覚まし屋)という仕事があったから驚きです。
    イギリスに実在したメアリー・スミスの物語。
    かたいゴムチューブにかわいた豆をこめて、
    それをとばして起こしてまわります!
    アナログなところ、人と人とのつながり。
    こんなお仕事は、今の時代では成り立たないと思うけど、いいなぁ!

  • こんな職業あるんですね。という感じです。面白かった!

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