- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895728188
感想・レビュー・書評
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ひまわりの眩しい、夏の牧歌的風景において、ごく自然に佇んでいるかに見える、その柵は、人種が異なることにより、安全を確保する目的で、仕切られているという。
しかし、本当に危険だと思うならば、いっそのこと、向こう側が何も見えないくらいの、厳重な厚い壁でも張り巡らせればいいとも思うが、そうしないのは、おそらく、どこかでそうしたくない願いというものもあるのだと、私は感じております。
『この うえに のぼると いい きぶんなの。
ずっと とおくまで みえるよ』
『こういう さくは、こしかけるために あるのよ』
本書の原題である、「THE OTHER SIDE」には、『向こう側』という意味の他に、『逆の見方』という意味もあり、柵に登ってずっと遠くまで見えるというのは、もっと世界を広い視点で見ようよといった、メッセージにも感じられて、それを子供たちに考えさせるような展開も、大人とはまた違った柔軟な思考法を教えてくれて良いと思います。
そして、その柵がお互いの世界を狭めさせたのなら、そこに登って更なる広い世界を見ればいいといった、正に逆転の発想には、私自身の人生に於ける、新たな物の見方を教えられた気がしましたし、日本人にとって馴染みの薄い、多様な人種が隣り合わせで生活する社会を、絵本で知ることのできる、手軽ながらも意義深い、こうした機会をこれからも大切にしていこうと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〝その夏、町を仕切る柵が、いつもより大きく見えた。私たちは、柵のこっち側に住んでいた。柵の向こう側には、白い人たちが住んでいた。「向こう側に行ってはだめよ。危険ですからね」ママは、そう言っていた〟・・・その夏、女の子がひとり、柵の処にやってきた。 やがて、二人の少女は言葉を交わすようになり…。人種の壁を乗り越えて友情が芽生える、アメリカの児童文学作家ジャクリ-ン・ウッドソンの心打つ和みの絵本の再読。
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「こんな ふるい さく、
そのうち だれかが きて とりこわすよね アニーが いった
肌の色の違いで人を分けることって、できっこない。そんな切なる思いが伝わってくる。(6分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #ジャクリーンウッッドソン #EBルイス #さくまゆみこ #光村教育図書 -
隣り合っているのに、姿が見えているのに、遠い遠いあのこ。
美しい絵と、余分な説明なしに子供達の口から語られる言葉に、胸が締め付けられた。
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柵がなんのためにあるのかやっと分かった。
感動した。
その視点はなかった。 -
柵のむこう側に住む人種の違うあの子。子供向けの本を読んでいると人種の違いに敏感なのは大人であって子供たちは仲良くしてる(仲良くしたい)ものだなーと思う。
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ジャクリーン ウッドソン (著), E.B. ルイス (イラスト), Jacqueline Woodson (原著), E.B. Lewis (原著), さくま ゆみこ (翻訳)
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人種の違いから柵で隔たれた家に住み、お互いむこうがわに行ってはいけないと親に言われている子どもたちの交流
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2020.04.13