寓話 洞熊学校を卒業した三人 (ミキハウスの宮沢賢治絵本)

著者 :
  • 三起商行
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895881272

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  • 大島妙子スゴ!

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    「赤い手長の蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が、洞熊学校で習ったことは?
    そのあげくに、三人がたどった道は?
    競争とだまし合いに明け暮れるおろかな者たちのそばで、碧い眼の蜂たちは、せっせと実直に蜜を集めていた・・・。

    三人が、それぞれのやり方で、それなりに必至で、各々みんな一番になろうと一生けん命競争した様子を、大島妙子がいきいきと、ユーモラスに、水彩画で描いた作品。」

    大島妙子&工藤ノリコ二人展
    http://popotame.m78.com/shop/

  • 宮沢賢治の話がまだよく理解できません。
    ただ、絵本としては、後ろ表紙に、洞熊先生がまた生徒を集めて授業している様子が描かれているのにクスッとしました。

  • 洞熊学校に一緒に入ったのは3人。
    赤い手の長い蜘蛛と、銀色のなめくじと、顔を洗ったことのない狸です。

    洞熊先生が教えたことは、うさぎと亀のかけくらのこと、大きいものが一番立派だということ。

    3人はみな一番になろうと一生懸命競争し、それぞれの方法で一番を獲得しました。

    卒業したあと3人は、大変仲の良さそうに振る舞いましたが、腹の中では「へん、あいつらに何ができるもんか、これから誰がいちばん大きくえらくなるか見ていろ」と考えています。

    これからいよいよ、習ったことを自分でやることに。3人が辿る道は、どのようになっていくのでしょうか。

    実直な青い眼の蜂が、寓話としての内容に説得力を加えていると思いました。

  • いろいろな意味で衝撃的だったが故の、星4つ。

    まず絵だな。
    絵本だから当然、言葉だけでなく絵にも魅力があるのが理想だが、これは、なんと言うか、ある種突き抜けた感があって心の印画紙に焼きつく。
    大島妙子、という、割と昔から絵本の絵を描いてきた方なのだが、かわいいんだか怖いんだか分からない、瀬戸際な感じのギリギリなタッチに妙な求心力がある。蜘蛛がアブの子を喰らうシーンとかホラー漫画のようだし、狸が兎を騙して念仏唱えながらばりばり食べていくシーンはシュール過ぎてなにかその手の芸術表現のようだ。

    次に、内容。
    宮沢賢治の死生観とか人間観が、割と分かりやすい形で表現されている。が、分かりやすすぎて逆に心が引っ掻かれるのと、合間に挟まってくる淡々とした蜂の描写がまた妙な静けさとリアリティを感じさせる。この後どうなるか分かっているのに(私は人間だし、大人だからね)、つい夢中でページをめくってしまう。で、やっぱりそうなった、が何度か続いた後、今度は「え!?そんなんなっちゃうの!?」が差し込まれる。甘美さと厳しさと怖さの集合アパートというか、宮沢賢治の暗く厳しい部分を生々しくはないけれどもドライにエグく抽出した感じ。途中に出てくる歌なんて可愛いもんですよ、「あぁかいてながのくうも♪」なんて呼びかけソングなのだが、その後に蜘蛛腐ったりするしね…。

    そして、タイトルですよ。
    なんだこのタイトル。気になるに決まってるじゃないか。洞熊学校って何さ、三人って誰さ、卒業したら何が起こるのさ。タイトル付近に小さく「寓話」って書かれているので、あ、この登場人物や話の流れは何かを示唆しているのね、とはうっすら勘づくのだけど、それにしたって謎めいている。

    感動した!とか、素敵だった!とか、そういう感想は(私は)すぐに出てこないしたぶんこれからもそうだろうけど、不思議な魅力というか、生命のエネルギー的な何かについつい引き込まれてしまう独特の重力を持っている。きっと、たまになんとなく読み返して、そしてまたこの不思議な気分になるのだと思う。

  • 2013年4月15日

    デザイン/タカハシデザイン室

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著者プロフィール

詩人・童話作家。1896年(明治29年)岩手県花巻市生まれ。岩手をモチーフにした「イーハトーヴ」という理想郷を舞台に、幻想的な作品を制作した。1933年(昭和8年)に病死。死後に手掛けた作品の多くが発表され、以後世間に広く知られるようになった。代表作に『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』など

「2022年 『よだかの星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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