- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896100907
感想・レビュー・書評
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「本」をテーマにしたアンソロジー。いろいろな作家さんのさまざまなお話が読めてお得な気分になれます。それぞれの作中にもちょいちょい実在する本が登場するので、本好きにはそれだけで楽しいものになっていると思います。
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最初の恩田陸さんの話から引き込まれました!
「おしいれのぼうけん」とか懐かしい・・・・
読みながら思ったのは「本屋さんでバイトしたい!!」
私自身すごく本好きなので、登場人物にはすごく感情移入してました。
本好きの人は読みながら幸せな気分になれそう。 -
すごく短い。
白ヒゲの紳士 二階堂黎人
読書家ロップ 朱川湊人
バックヤード 篠田節子 -
“「ねえ、おじいちゃん」
「なんだね」
「おじいちゃんはいつもゆっくり読むね」
書物から視線をあげ、うっすらと微笑む。白髪に細やかな陽がちらちらと当たっている。
「おばあちゃんがいってたよ、ずっと前からそうだったって。大学の教室で会ったときも、まるで重い石をひっくり返すみたいに、文庫本のページをめくってたって」
祖父は声にだして笑った。乾いた太鼓を指先で撫でるような声だった。私は祖父の気をひけたのが嬉しく、空のグラスにぬるい水を注ぎ足しながら、昔っから、おじいちゃんは本がいちばんの宝物なんだね、といった。”
本に纏わる短編集。
結構あっさりと読める。
内容のジャンルも色々あるから楽しめた。
“風がどうと吹いてきて、草がざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴った。風で木がごとんごとんと鳴るとはどういうことか、いま一つわからないが。
きた道をもどろうとしたとき、一人が足を止めた。
「待ちたまえ。あそこに、ほら」
木立のあいだに、看板が見えていた。ただひと文字、本とある。
「さすがは本の虫だ。めざとい」
「どこを歩いていても、本という文字だけは目に飛びこんでくるさ。それにしても、こんなところに本屋があるとはね」
「行ってみようか。どんな店なのか興味がある」
すすきの原をかきわけて進み、木立を抜けて、店の前に出た。レストランのような西洋造りの家だ。
こんな札が掲げてあった。古びた看板で、ところどころ文字が欠けたり、かたむいたりしている。
『BOOK SHOP 書房 MANE どんな物語もそろいます』” -
本のお話 読みやすくてすぐに読み終わった
本屋も読書も大好きです!!!
「本からはじまる物語」 -
本の趣味が合う人、本と猫、背表紙の文字でメッセージ。本屋は面白い!
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多くの作家さんによる、本にまつわる小さなお話の数々。
初めて読む作家さんもあり、なんか新鮮。
本が空を羽ばたく、そんな夢のような映像が、頭から離れない。
久々に読んだ作家「阿刀田高/本屋の魔法使い」
こんな魔法使いの本屋さん、いいなぁ。
ちょっと不思議だけど覗いてみたいなぁ「篠田節子/バックヤード」
本屋さんのバックヤードって、どんなんだろう・・・
私だったらどんな本を選ぶかな「三崎亜記/The Book Day」
こんな日が、ほんとにあったらいいなぁ。
なんとも素敵な1冊でした。 -
皆さんの感想を読んで「本からどんな物語がはじまるのかな?」という思いと、このタイトルにも惹かれて借りてきました。沢山の作家さんによるホッコリするような物語でした。みなさん本や本屋さんが大好きなんだな(あたりまえ)と、どれを読んでも伝わってくる作品ばかりでした。
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装丁 / 中澤 裕志(super material.inc.
イラストレーション / 斉藤 きよみ初出 / 『出版フォーラム』2005年1月号〜2007年12月号連載。