本からはじまる物語

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  • メディア・パル
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896100907

感想・レビュー・書評

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  • 18人の作家が、「本」「本屋」を舞台に描いたストーリー。どれも10ページほどの、短い短い話。面白いと思えた話、あんまりかなと思えた話、それぞれだったけど、興味がある物が舞台になってるので、楽しく読むことができました。感化されやすい私は、大変なのはわかってるけど、無性に本屋さんで働きたいです^ ^

  • 文章量がかなり少ないせいなのか、面白いと思ったのは残念ながら3篇だけでした。

    朱川湊人『読書家ロップ』
    猫飼いなら一度は考えるであろう、人の言葉を理解しているのでは?という思いが、見事に表現されていた。コミカルな終わり方で、くすっと笑えて気持ちよかった。

    山本一力『閻魔堂の虹』
    まだ見ぬお嬢様に一方的に思いを馳せる弥太郎が、その正体と自分の思い人に気づくおはなし。思い人が現れるシーンは情景が浮かぶようにロマンチック。ただ、文体がかなり現代的なのと時代を表すキーワードが少ないので、時代設定だけが遡った現代小説という感じがしてしまう。せっかくなら時代小説として読みたかった。

    有栖川有栖『迷宮書房』
    読み始めからもしやと思ったが、案の定、『注文の多い料理店』のオマージュ。食材ではなく、登場人物にされるというのがとてもおもしろい。けど、どうせなら最後まで『注文の多い料理店』の名は出さないでほしかった。

  • 18人の作家さんによるアンソロジー。一編が短く、隙間時間にサッと読めます。
    「本」がテーマの作品ですが、それぞれ個性があって楽しかったです。猫の登場が多かったのも、猫好きとしては嬉しかった。私が好きだったのは、阿刀田高さん・朱川湊人さんでした。

  • ミニコメント
    「本」「本屋」を舞台に描いた18のストーリー。
    恩田陸、阿刀田高、有栖川有栖…。
    同じテーマのこの作品は、作家の個性がキラキラ。「本」に対するそれぞれの思いがとてもよく伝わってきます。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/471836

  • 似たパターンが多いのは合わせたからなのか。でも繰り返されると飽きるというか。
    ついでに割と恋愛脳な話が多くて食傷。
    少なくとも離婚調停中の恋愛とか不倫とかは本とセットにされてもなーと。

  • 本多孝好しか読んでない。
    エロ本の立ち読みから始まるのがもう面白い。

  • 本が好きなので、それに関するお話はそれだけでちょっと嬉しくなれて楽しかったです。どれも短いお話なのでさくさく読めました。特にお気に入りのお話は、招き猫異譚と本屋の魔法使いです。本が好きって気持ちが伝わってくる作品が読めて幸せな気持ちになれました。

  • 本にまつわる短編を18名の作家が描くアンソロジー。
    本好きにとって純粋に本にまつわる話は楽しいし、読んだことのない作家の作風を知ることができるという意味でもよかった。

    もとは出版取次のトーハンが発行している機関紙に掲載されたものなので、物語の舞台はほとんどが本屋である。
    18編それぞれ作家の個性があらわれていて面白かったが、特に印象に残ったのは今江祥智「招き猫異譚」、いしいしんじ「サラマンダー」、山本一力「閻魔堂の虹」、大道珠貴「気が向いたらおいでね」の4編。

    「招き猫異譚」は京都の小さな本屋に通う主人公と猫の話。気に入った本屋にいる、置物のように動かない猫がおすすめの本を示してくれるようになる(ような気がする)。ラスト、猫がつないだご縁に心温まる。
    「サラマンダー」は、本のページを丁寧にめくる祖父の、若かりし頃のほろ苦い思い出。いしいしんじさんの作品に感じる「喪失感」が短編の中にも十分にじみ出ていて味わい深い。
    「閻魔堂の虹」は、貸本屋で働く弥太郎が、女中を通じて本を借りる桔梗屋のお嬢に思いを寄せる話。返ってきた本にきれいに鏝があてられていたら好きになっちゃうよなあ、と共感。
    「気が向いたらおいでね」は愛する人との距離をうまく縮められない女性の話。彼女が不倫相手と待ち合わせる本屋のコーナーには彼女の願望が現れている。両親を亡くした彼女の唯一の身内であり、彼女同様不器用な叔母がおずおずと言う「気が向いたらおいでね」の言葉が切ない。

  • 正確には「本屋からはじまる物語」。〈飛び出す、絵本〉だけは例外か。
    本好きにも、新刊書店好きや、大型書店好き、古本屋好き、ブックカフェ好き、図書館好き等いろいろ種族はいるかもしれないが、自分はたとえ有料だとしても図書館的な場所に足を運ぶと思う。

  • 18人の作家さんの短編集。
    同じネタがあったのが残念。しかもみえみえの結論がまたガッカリ。
    個人的には、「23時のブックストア」(石田衣良)「生きてきた証に」(内海隆一郎)「The Book Day」(三崎亜記)が好きです

  • いろんなお話が入っていて面白かった。特に、迷宮書房はドキドキした。

  • http://mediamarker.net/u/bokkuru/?asin=4896100905
    メディアマーカー・読了コメントRSSで興味。
    本を題材にしたストーリー集らしい。

  • 読了。ほっこりした。すぐには思い出せないかもしれないけど...読んでる間は確かによかった。

  • 本をテーマにした18人の作家さんのアンソロジー。飛んでいる本を捕まえる話で始まり、本が飛んでいく話で終わる。うまいなぁ。同じような雰囲気の話が多い中、梨木香歩さんの話が異質でびっくりした。

  • 18人の作家による,本をどこかに挟み込んだショートショート18編.
    恩田陸さんと三崎亜紀さんの飛ぶ本というイメージで始め,終わったのが意図されたものかどうかはわからないけれど,洒落てました.

  • 2016/5/22.

    ちょっとしたときにチラホラと読み進めていたので結局どれだけかかっまか知れない。恩田陸目的で購入したので彼女の話は覚えているけれど、それ以外の作家さんの話が曖昧……
    読み終えて初めに思ったのは、「アンソロジーなのに、ちゃんと閉じられた作品集になってるすごい…!」ということでした。計算なのかはたまたたまたまなのか。
    作家さんたちだから、各々本に対する感情があって、それがファンタジーめいたものであったり現実であったり様々だけれども、皆さん本が好きなのだろうなぁということだけは共通して感じました。
    内海隆一郎さんの話でホロリと涙しかけた。ハートウォーミングだったなぁ。

  • いつも枕元には短編集を置いておくようにしています。
    はい、お察しの通り、長編は読み始めるとキリがなくなるからです。
    でも、この本は次々と読みたくなる短編集でした。

    特に印象的だったのは、
    恩田陸#飛び出す絵本 
    あ~絵本が飛び出す森。行ってみたい。
    『ちいさいおうち』ならつかまえられそう。

    本多孝好#十一月の約束 
    古書店にありそうなファンタジー、こういう感じ大好き。

    今江祥智#招き猫異譚 
    おススメ本を喉を鳴らしたりして教えてくれる猫のしずかちゃん。
    いなくなった時はハラハラしたけど、なんと!

    朱川湊人#読書家ロップ
    ロシア語で書かれた本を読む猫ちゃん。
    「ニャア」がロシア語の「ダー」に聞こえるとありましたが、
    間違いなく言ってますね。ロップちゃん♪

    山本一力♯閻魔堂の虹
    うん!猫ちゃん(タマ)はなんでもお見通しさ♪

    市川拓司#さよならのかわりに
    その人の人生を一冊の本にしてくれる不思議な書店。
    そこへ導いてくれた青年の正体は…。

    内海隆一郎#生きてきた証に
    おじいちゃんを思う、優しい男の子にうるうる。

    三崎亜記#The Book Day
    持ち主の元から飛び立っていく本たちを見送っていたら
    胸がいっぱいに。

    個人的に猫ちゃんが登場するだけで大喜びなのですが、
    この本には3編もあって感激です。
    本と猫ちゃんって妙に合いますよね。

    大満足の一冊でした。

    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      ちょっと留守にしていて、お返事遅くなってしまってごめんなさい。

      そうそう、枕元はなるべ...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      ちょっと留守にしていて、お返事遅くなってしまってごめんなさい。

      そうそう、枕元はなるべく短いものですよね♪
      そうしないと寝るのを忘れて次の日に激しく後悔(笑)

      この本、楽しかったですよ!
      美味しいバイキング料理をお腹いっぱい頂いた気分です!
      azu-azumyさんも美味しいものには目がないとご推察します(*^-^*)

      こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いします♪
      素敵な本とたくさん出逢えますように♪
      2016/01/12
    • koshoujiさん
      U子さん(笑)、こんにちは。
      挙げた2作は、戦後の日本児童文学の中でも名作中の名作です。
      是非読んでみてください。
      特に故後藤竜二氏の...
      U子さん(笑)、こんにちは。
      挙げた2作は、戦後の日本児童文学の中でも名作中の名作です。
      是非読んでみてください。
      特に故後藤竜二氏の「天使で大地はいっぱいだ」
      (今書いても、なんて心惹かれるタイトルだろう!!と思います)は、
      当時の課題図書にもなり、すごく印象に残っています。
      子どもながらに、人間としての生き方を学んだような気がします。
      大学のサークルに入部した時、その後藤氏がサークルのOBだと知って感激したものです。
      彼もたしか別の年にシンポジウムに呼んだのですが、
      その後、本人の引越しの手伝いなどもやらされる羽目になりました(笑)。
      あ、昔書きかけのレビューを発見し、載せましたので、是非ご覧頂ければありがたく。
      http://booklog.jp/users/koshouji/archives/1/4041107199
      そうそう、このビルの一階の本屋が高山書店ではなかったでしょうか。
      2016/01/13
    • koshoujiさん
      他の方のコメントも読んでいたら、私の名前を発見したので。
      ここに書くのも何ですが(笑)、
      けいたんさん、
      そんな、恥ずかしい、なんてこ...
      他の方のコメントも読んでいたら、私の名前を発見したので。
      ここに書くのも何ですが(笑)、
      けいたんさん、
      そんな、恥ずかしい、なんてことはございませんですよ。(^^)/
      2016/01/13
  • 初めての作家さんも多かったですが
    楽しめました。
    お気に入りは十一月の扉・サラマンダー。

  • ふうん、、印象に残ったのは、十一月の約束、生きてきた証に、ラストの THE BOOK DAY。
    他はほうほう、と思って読んだけど、すでに忘れたかも。

  • 978-4-89610-090-7 214p 2008・2・10 初版2刷

  • おもしろいのはいくつかあったけど、よかったのは柴崎友香の世界の片隅で。自分が読まないような本も、ほかの誰かが書いたり読んだりしているからいいっていうの。それは自分とは無関係じゃなくて、自分の知らない世界があるっていうことでその世界の人ともつながってる、みたいなの。そういうことを言ってくれるところが好き。

  • 本にまつわる短編集。本当にショートショートだった。もっと続きを読んでいたい作品ばかりだった。
    篠田節子さんの作品がよかったなー

  • 本の本。いろんな作家さんの短編が収められてます。
    個人的には梨木さんのが読みたくて購入したのだが、全体的に当たりだったなぁ。
    いしいしんじさんのがお気に入り……というか、印象に残ってる。やっぱり気になるのはファンタジー要素の強いやつですね。癖ですね。はい。

  • 恩田睦、飛び出す絵本に驚かされる。篠田節子、本屋のエレベーターから出た先には…?市川拓司、不思議な書店でとある能力を持つ女性に自分史を作ってもらう、有栖川有栖、山の書房で迷宮に入り込み大冒険、三崎亜記、深夜に本を持って集まる「本の日」とは?
    他にも色んな作家が本屋、書店員をテーマに楽しませてくれる。本を愛する言葉がいっぱい詰まっている1冊。この長さでこれだけの話が書けるのが本当に凄い。
    本多孝好の作品が一番好き、本屋での出会いが人生を変える話、いいわぁ。本屋に行きたくなった。私にも何か素敵なことが起こるかな。

  • 18人の作家による本にまつわる短編集。
    それぞれの作家さんの、本への思い入れみたいなものも伝わってきたり、短いながらもどの作品もおもしろかったです。
    特に山本一力さんが好みでした。

  • 本にまつわる話を集めたアンソロ

    本屋さんの話が多めかな???
    猫が本読む話がなんのへんてつもないけどかわいい
    あと書店員さんの恋のはなしとか

    まあこれといって面白かったものはない

  • 本好きにはたまらない内容でした。本屋や図書館からはじまる恋なんていうのはアニメやドラマでもよく見ますが、本というものが持つ力強さや、その本と出会う運命みたいなものも綺麗に描かれていました。違う作家さんが書く短編集なので、様々な雰囲気を味わえるところもおすすめです。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=242898

  • 本に纏わる物語が18編。どの話からも著者の本好きがひしひしと伝わってくる。最初の恩田さんの話から、とても好みで!知っている絵本がたくさん出てきて、嬉しくなってしまった。
    本の数だけ物語があるって、よく考えたら凄い事だ。本の世界の無限さに感動。

    特に好きだったのは下の通り…
    「飛び出す、絵本」恩田陸
    「十一月の約束」本多孝好
    「招き猫異譚」今江祥智
    「本屋の魔法使い」阿刀田高
    「迷宮書房」有栖川有栖
    「生きてきた証に」内海隆一郎

  • この18の物語の中で好きだったのは、本多孝好さんの「十一月の約束」と、いしいしんじさんの「サラマンダー」でした。
    初めて読む作家さんが多かったけど他の作品も読みたいと思う作家さんがおらず少し残念。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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