乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 2 (GCノベルズ)

著者 :
  • マイクロマガジン社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896378306

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルの第二巻でヒロイン追加なんて珍しい話ではないけれど、あの人って追加ヒロイン枠に入っていたりするんだろうか?
    高貴な身分だし夫も子供も居るんだけど、もしヒロイン枠に入っているとしたらラノベのヒロインとしてはかなり異色なタイプになってしまうんじゃなかろうか。
    2巻では序盤くらいしか出番なかったからまだ何とも言えないけど


    第一巻でユリウス達を退け、学園中を敵にしながらも陞爵してしまったリオン。色々と注目度の上がった彼が変わらずに願うのが平穏な生活であるのは面白い
    同様にライバルポジションのマリエもオリヴィエの立場や攻略対象を奪いながらも願っているのはリオンと同じようにある程度平穏な暮らしであるのも面白いね
    結局、階級やら偏見に満ちてやがて戦争に至るような世界で望むのは平和な暮らしということか
    だとしたら、二人ともやること為すこと裏目に出てばかりなのは笑えてしまうけど

    そんな暮らしの中で表面化してしまうのはリオン、オリヴィア、アンジェリカの身分の違いによるすれ違い。
    第一巻ではモブが主人公や悪役令嬢と親しくするなんて、とリオンの立場で語られていた関係性だけど、第二巻では平民であるオリヴィアの立場から三人の関係性が問い直されている
    マリエとの対立の中で親しくなってしまった三人だから、マリエとの対立が一旦落ち着き周囲から自分達がどう扱われているかを見直せるように成れば、途端に身分が異なる三人が揃う歪さが表面化してしまう。そして、歪さによる軋轢が向かいやすいのは平民であるオリヴィアなわけで
    三人の関係性に亀裂が入る展開は予想できたけど、それにオリヴィアが耐えられずリオンに八つ当たりしてしまう展開は予想できなかったな
    リオンからは未来の聖女として大切に扱われている彼女だけど、こういった場面からは普通の女の子としての感性を持っているのだと感じられた

    予想外といえば、ブラッド達の心境の変化も挙げられる
    第一巻ではマリエに参ってしまい、本来のヒロインであるオリヴィアを認識しないどころか、ユリウスの婚約者であるアンジェリカもぞんざいに扱ってしまった彼ら
    このままおバカ雑魚キャラとして終わってしまうのかと思いきや、立場が変わり本物の戦場でリオンと共闘する内にリオンの強さを認め、そして自分に足りないものを自覚するようになるとは
    終盤の展開ではおバカ雑魚キャラに戻ってしまったけど、それでも変化の兆しは感じられた。もしかしたらマリエに参ったままでもヒーローとしての役割を取り戻すことが有るんだろうか?

    そうして物語は様々な変化を含みつつも気になるのはスケジュールが前倒しされたかのように起きる幾つかの異変
    空賊やら公国の早い襲撃は何を意味しているんだろうね?公国の襲撃に関してはリオンが先頭に立ち生徒たちを扇動し、更に何とかアロガンツが間に合ったことで撃退できたけど、今回のようにスケジュールの前倒しが何度も行われたり、ゲームになかった要素が出現すれば流石にリオンだけで解決するのは難しいんじゃなかろうか?
    そうなってくるとやはりオリヴィアやユリウス達が本来の力を遺憾なく発揮する未来とか有ったりするんだろうか…?

    二人の転生者が勝手気儘に動き回り、元のゲームから在り方を変わってしまった世界は何が起きるかまだまだ見えてこない
    それでも、軋轢を経て互いの大切さを再確認したリオン達の仲の良さが読んでいるこちらを癒やしてくれるね
    あと、事あるごとに周囲を煽り倒すリオンの口の悪さは確かに魅力的かも

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著者プロフィール

鹿児島県出身。ライトノベル作家。別名義に旧ペンネームの「わい」がある。

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