賢者の弟子を名乗る賢者 THE COMIC 5 (ライドコミックス)

制作 : りゅうせんひろつぐ 
  • マイクロマガジン社
3.92
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本棚登録 : 151
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896378955

作品紹介・あらすじ

アルカイト学園の術技審査会で召喚術の代表として急遽、審査試合をすることになったミラ。真の召喚術の力を知らしめる時――

感想・レビュー・書評

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  • これっていった処は無いけど…ねぇ

  • 衣食足りて礼節を知る、ただし女性のだけどね?

    四巻の引きから続くところ、傲慢な貴族のボンボンを一蹴した主人公です。
    ここまでの巻で主人公の活躍を目にした読者のこと、いまさら驚くわけはなし。

    けれど大目的の裏で知名度を高めていくという主人公「ミラ」の小目的は順調に推移していくということでどうぞよしなに。
    人脈を築きつつ名声を高めていく、そのことが細かな達成感につながっていくので長い目で読んでいくうえで短い目も大事。などと、原作小説のレビューで述べた気もします。

    なんにせよ召喚術の第一人者として一同に教授しつつ、同時に周囲の創意工夫から学ぶところもある主人公が上手いですね。
    長期間不在にしてきた自身の立場を埋めてくれた現任者の顔も立てつつ、ノウハウを提供して本来有能であるのに閉塞感から回っていなかった現場を動かす。

    当たり前ですけど「無能」ってあまり気分のいいものではないのでこの辺は本当に気分がいいです。
    年長者(?)目線の頼もしさと少女目線の柔軟性を兼ねているバランス感覚が上手い。

    少し気になったのが今後のバトルの肝となる「部分召喚」はダンジョン攻略の見せ場に回すのかってところですね。
    長期目線ならともかく現時点ではどう考えても要らないなってフラグを切ることでテンポが良くなっていることも否めませんが、構成の狙いはそこでしょう。

    その一方で、冷静に考えればそこをスルーするのは惜しいなと思う原作の一幕を膨らませているのが実に美味しい。
    面白味を作り出しているので小説と食い合わなくていいんです。気合の入りまくったオムレツは必見です。

    と、ここで強いて言うならこの巻のテーマは原作でも重視されている「服飾」と「食事」といったところでしょうか。
    主人公が不思議系とファッションへのこだわりを両立させてる「アマラッテ」さんに髪型をコーデされる幕間が、まったく本編と違和感なくつながって驚きました。

    すえみつぢっか先生と原作挿画の藤ちょこさんの絵柄の親和性が高いということもあってか、コミカライズで補完されるキャラクターデザインも並立しているような良さがあります。

    で、この漫画五巻までで原作小説三巻中盤までを消化。
    主人公の切り札のひとつでもあり、彼(女)を親と仰ぐ皇竜「アイゼンファルド」との再会。
    補佐官であり、ある意味人生のパートナーでもある「マリアナ」(と賢者代行のクレオス)へのカミングアウト。
    外せないイベントの要所を押さえつつ、ミラ様は女性としての経験値ゼロから成長を見せます……一番の成長要素はそこなんですね。
    さっそく実践して見せたのもポイント高い。

    一方でこの巻では一部遠景に違和感を覚えないでもありませんでした(アイゼンファルド関連は問題なし)が、マリアナの感涙の表情が最高の一言でした。
    「魂」がこもっているのを確信させる、終生の伴侶、帰るべき場所は彼女のことを指すと言っても過言ではない渾身の作画だったと思います。

    旅をする上でいつでも戻れる「ホーム」を意識するって大事なんだなと改めて実感できた気がします。
    「衣食住」、生活の基盤について思いを馳せつつ、それらをしっかり描くことはすなわち楽しみと娯楽に通じるのかもしれませんね。

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