ロシア革命の同伴者として無機的な統計学の資料と奇妙な事件や人々の生活をその場面場面を詳細に描く、新社会建設ボリシェヴィキの力と、荒々しい原始的農民の力を、機械と狼に象徴させて描いたソヴィエト革命の生きた外典。
”ロシアよ、左に! ロシアよ、前進! ロシアよ、駄足! 全速力で進め、ロッシーアー!!”
なんだかよくわからないまま、勢いに飲まれて読み進めた。
解説に、この作品のいちばん強靭な思想は、
”由緒ある地主貴族の子息としてその贖罪のためにとでもいうように革命戦争に参加したが、ついに身も魂もぼろぼろになって帰郷し、帰農して生き抜くことを選び、しかし土民によって殺されるドミトリイ・ロスチスラフスキイ像の提示にあるといっていい”
とある。ドミトリイの死は、はずみで拳銃の銃身で殴られ死んでしまうという、あっけないものとして描かれている。
一応、最後まで読んだもののよく理解できていない。当時の混沌とした世界は感じられたとおもう。