処女たち

  • 未知谷
3.40
  • (0)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896425222

作品紹介・あらすじ

大戦に向かって閉ざされていく、20世紀ヨーロッパ。その中で明かされる人々の呻き、嘆き、叫び。ぶつかり合い、すれ違う愛と憎しみ。荒涼の時代の心を巡る珠玉の作品集。表題作ほか8篇。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「目撃者」「ローズ氏」どちらも逃げる機会を遅らせてしまった人の話。
    愛を得て幸せになった人の話がないな。逆ばかり。特に女が男を愛しても愛さなくても幸せになれないみたい。

  • 雪原に丹頂鶴が一匹。空からは落ちてこないが、既に降り積もった雪が時折風にあおられ舞い踊る。その中鶴は静かにたたずみ、何もない虚空を見つめる。我々は誰一人として、この鶴がどこから来たのか、どこへ飛んでゆくのか知りようもない。(作者のイメージ)

    作品は普通の人の普通の日常。その様子を恐ろしい程繊細に収集し、機織り職人のように精巧に織り込んでゆく。まるで伝統工芸のような、静かさ、巧みさ、力強さ、熱さ。

    オシャレな模造品などを蹴散らす、確かな存在感。

  • フランス組曲を読み、こちらも読んでみる。
    やはりパリパリしい。(とんでもなく優雅でおされで素敵な雰囲気ってことです)
    短編集ですが、それぞれ長編の一部を切り取ったような造りで、おお、これからどうなるの!と余韻が残ります。

  • 未完の長編「フランス組曲」が素晴らしくよかった(未完だったことが惜しまれる)ネミロフスキーの、こちらは短篇集。
    フランスのお嬢様やマダムの生活を描いているのであっても、いつも何か不安や危機感が漂っている。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1903-1942年。キエフ生まれ。ロシア革命後に一家でフランスに移住したユダヤ人。1929年、長篇第一作『ダヴィッド・ゴルデル』で成功を収め(31年J・デュヴィヴィエ監督が映画化)、一躍人気作家に。第二次大戦が勃発すると、夫と娘二人とともにブルゴーニュ地方の田舎町イシー=レヴェックに避難、やがてフランス憲兵によって捕えられ、42年アウシュヴィッツで亡くなった。娘が形見として保管していたトランクには、小さな文字でびっしりと書き込まれた著者のノートが長い間眠っていた。命がけで書き綴られたこの原稿が60年以上の時を経て奇跡的に世に出るや、たちまち話題を集め、本書は「20世紀フランス文学の最も優れた作品の一つ」と讃えられて2004年にルノードー賞を受賞(死後授賞は創設以来初めて)。フランスで70万部、全米で100万部、世界で約350万部の驚異的な売上げを記録し(現在40カ国以上で翻訳刊行)、映画化された。

「2020年 『フランス組曲[新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

イレーヌ・ネミロフスキーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
M.バルガス=リ...
イレーヌ ネミロ...
モーシン・ハミッ...
アリス・マンロー
マイケル・オンダ...
エリック・マコー...
ポール オースタ...
クラリッセ・リス...
クセニヤ・メルニ...
フランシス・ハー...
カーソン・マッカ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×