S.モームが薦めた米国短篇

  • 未知谷 (2017年11月20日発売)
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896425383

感想・レビュー・書評

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  • サマセット・モームが編んだ米英の短編集(1943年初版)から、米国人作家の六編が紹介されています。のめり込んで読み耽ったのは、A.ヘミングウェイの『フランシス・マカンバ-の短い幸せな生涯』とJ.スタインベックの『贈り物』でした。F.フィッツジェラルドの『再訪のバビロン』とW.フォ-クナ-の『エミリ-に一輪のバラを』も云い知れね深い味わいを残しました。S.モ-ム曰く、小説はプロットが大事な要素で、読者を驚かすどんでん返しのような予期せぬ展開があるのが良いとし、作品選定基準にしたようです。(県立図書館蔵書)

  • ■図書館から借受
    ■棚に刺さっていたのを偶然発見して回収した。
    ■サマセット・モームが選んだ短編アンソロジーのうち一部を選んで訳出した短編集。収録されている話自体は1930年代のもので、わたしの好みだし、面白い作品ばかりだったと思う。しかし、どうにも全体的に訳がぎくしゃくしていて読みにくかった。特に収録されている最後の作品『ローマ熱』は、語り手の女性2人だけで進行していくのだが、会話文がどちらがどちらに向かって話しているのか判然としない。訳者は(わたしは)あまり聞いたことない人。ふだんはIT関係やゴルフなど結構実用的な英語の訳をフィールドにしているようだ。こんなことはあまり書きたくないけど訳があんまり良くないように思う。
    (普段、柴田元幸氏や村上春樹氏の訳本ばかり読んでいるから、雰囲気に違和感があるだけかもしれないが。)
    訳者によって雰囲気や味わいは変わるものだな~と実感した。

  • イーディス・ウォートン『ローマ熱』。練られた上質なミステリのように、渦巻く波を水面下に秘めて。

    この「私には私だけの宝石が胸のうちにあって、その秘密はお墓まで持ってゆくわ。…と思ってたけど、ちょっぴり打ち明けて、この鼻持ちならない女を完膚なきまでに叩きのめしちゃおうかしら。だって、懐かしい思い出を分かち合えるあの人はもういないんだし、そうなれば当然、外ならぬこの女と分かち合うのが最適じゃないかしらね、ふふ」的な成り行きは、同性から「無害な地味女」と思われている女性としては思わず知らず共感してしまう。(いえ、ここまで積極的に意地悪しようとしてた訳じゃなくて、ふつうに思い出話をしてただけだったんだけど、結局こんなことになってしまったの。どういうつもりだったかはともかく、結果は同じだし、違いはないわね)
    女性同士がいつもこんなことやってるわけではないですよ、念のため。でもなんか分る。

    まさにこういう物語が読みたい、という作品を、モームは自身で書いてくれただけでなく、まめに編者も務めてくれている。読み手としても相当の目利きだったのだろう。

  • さすがに既読の話が多く。モームの趣味の良さに敬服しつつ、懐かしさに浸りつつ、優雅に(自分で言うな笑)ページを繰っていたら…最終話の「ローマ熱」、アンスリー夫人の最後の一言に一撃された。1930年代の米国で、中年女性の若かりし頃に、ソレはありなのか?一瞬「…え??」意味するところが分からなかった。わー、ビックリした。

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