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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896425383

感想・レビュー・書評

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  • サマセット・モームが編んだ米英の短編集(1943年初版)から、米国人作家の六編が紹介されています。のめり込んで読み耽ったのは、A.ヘミングウェイの『フランシス・マカンバ-の短い幸せな生涯』とJ.スタインベックの『贈り物』でした。F.フィッツジェラルドの『再訪のバビロン』とW.フォ-クナ-の『エミリ-に一輪のバラを』も云い知れね深い味わいを残しました。S.モ-ム曰く、小説はプロットが大事な要素で、読者を驚かすどんでん返しのような予期せぬ展開があるのが良いとし、作品選定基準にしたようです。(県立図書館蔵書)

  • ■図書館から借受
    ■棚に刺さっていたのを偶然発見して回収した。
    ■サマセット・モームが選んだ短編アンソロジーのうち一部を選んで訳出した短編集。収録されている話自体は1930年代のもので、わたしの好みだし、面白い作品ばかりだったと思う。しかし、どうにも全体的に訳がぎくしゃくしていて読みにくかった。特に収録されている最後の作品『ローマ熱』は、語り手の女性2人だけで進行していくのだが、会話文がどちらがどちらに向かって話しているのか判然としない。訳者は(わたしは)あまり聞いたことない人。ふだんはIT関係やゴルフなど結構実用的な英語の訳をフィールドにしているようだ。こんなことはあまり書きたくないけど訳があんまり良くないように思う。
    (普段、柴田元幸氏や村上春樹氏の訳本ばかり読んでいるから、雰囲気に違和感があるだけかもしれないが。)
    訳者によって雰囲気や味わいは変わるものだな~と実感した。

  • イーディス・ウォートン『ローマ熱』。練られた上質なミステリのように、渦巻く波を水面下に秘めて。

    この「私には私だけの宝石が胸のうちにあって、その秘密はお墓まで持ってゆくわ。…と思ってたけど、ちょっぴり打ち明けて、この鼻持ちならない女を完膚なきまでに叩きのめしちゃおうかしら。だって、懐かしい思い出を分かち合えるあの人はもういないんだし、そうなれば当然、外ならぬこの女と分かち合うのが最適じゃないかしらね、ふふ」的な成り行きは、同性から「無害な地味女」と思われている女性としては思わず知らず共感してしまう。(いえ、ここまで積極的に意地悪しようとしてた訳じゃなくて、ふつうに思い出話をしてただけだったんだけど、結局こんなことになってしまったの。どういうつもりだったかはともかく、結果は同じだし、違いはないわね)
    女性同士がいつもこんなことやってるわけではないですよ、念のため。でもなんか分る。

    まさにこういう物語が読みたい、という作品を、モームは自身で書いてくれただけでなく、まめに編者も務めてくれている。読み手としても相当の目利きだったのだろう。

  • さすがに既読の話が多く。モームの趣味の良さに敬服しつつ、懐かしさに浸りつつ、優雅に(自分で言うな笑)ページを繰っていたら…最終話の「ローマ熱」、アンスリー夫人の最後の一言に一撃された。1930年代の米国で、中年女性の若かりし頃に、ソレはありなのか?一瞬「…え??」意味するところが分からなかった。わー、ビックリした。

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著者プロフィール

Ernest Hemingway
1899年、シカゴ近郊オークパークで生まれる。高校で執筆活動に勤しみ、学内新聞に多くの記事を書き、学内文芸誌には3本の短編小説が掲載された。卒業後に職を得た新聞社を退職し、傷病兵運搬車の運転手として赴いたイタリア戦線で被弾し、肉体だけでなく精神にも深い傷を負って、生の向こうに常に死を意識するようになる。新聞記者として文章鍛錬を受けたため、文体は基本的には単文で短く簡潔なのを特徴とする。希土戦争、スペインでの闘牛見物、アフリカでのサファリ体験、スペイン内戦、第二次世界大戦、彼が好んで出かけたところには絶えず激烈な死があった。長編小説、『日はまた昇る』、『武器よさらば』、『誰がために鐘は鳴る』といった傑作も、背後に不穏な死の気配が漂っている。彼の才能は、長編より短編小説でこそ発揮されたと評価する向きがある。とくにアフリカとスペイン内戦を舞台にした1930年代に発表した中・短編小説は、死を扱う短編作家として円熟の域にまで達しており、読み応えがある。1945年度のノーベル文学賞の受賞対象になった『老人と海』では死は遠ざけられ、人間の究極的な生き方そのものに焦点が当てられ、ヘミングウェイの作品群のなかでは異色の作品といえる。1961年7月2日、ケチャムの自宅で猟銃による非業の最期を遂げた。

「2023年 『挿し絵入り版 老人と海』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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