本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784896427226
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
詩はほとんど読まないのだが、リルケは唯一に近い、「好きな詩人」と言える存在だ(最初に読んだのは詩ではなく『マルテの手記』だったが…)。
そのため普段あまり読まないジャンルである往復書簡集を手に取ったが、非常に良かった。
一読者にすぎないハイゼからの手紙に応えるリルケの言葉は、常に相手の生活を慮り、深く考え抜かれたもので、誠意に溢れている。人生というものに嘆息し寄り添いつつ、絶望しない視座の置き方や少しの勇気を選び抜かれた言葉でそっと握らせてくれる。
対するハイゼの感受性の鋭さ、賢明さも印象的だ。二人とも困難な状況に置かれ、苦しみながら、手紙はお互いへの敬意と、自分の抱える苦しみを相手に感じさせまいとする思いやりに満ちている。
それにしてもリルケの言葉は美しく、恐らく想像できないほど深い苦悩に根を張った人生の捉え方に考えさせられる。咀嚼したい。
全2件中 1 - 2件を表示
ライナー・マリア・リルケの作品





