燃ゆる頬 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896442311

感想・レビュー・書評

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  • 原作を読んだ時の、解っちゃいるけど直接的でない文学表現が昇華されて…文学的で高尚な表現のままにして欲しい、と思う人は薄っぺらく感じるのかもしれないが、どう書こうと描かれていたものはこういうものである、と作者が描いている気がする。解り易く直接的であるのが「平易」であるとは限らない。三枝の、いわゆるBLびっちぶりや、支配欲の強い魚住の身勝手な無骨さは、三枝に対する独占欲と言うより自分の「欲」を優先してるまでの事、と言う部分は存分に読み解ける。主人公が、背徳的な行為に身を投じながらも「疑似恋愛」を経験してるだけの男子であると言う残酷さもきっちり描かれていた。そこに作者のシニカルでありながらもユーモラスな感覚が加わっていて、胸にこみ上げる郷愁…こう言うの、JUNE全盛期にたくさん読んだ記憶がある。濡れ場突入で寸止め、もしくはシーツ隠し、と言う事をやらないでもいい時代になってるんだなぁ、ってひしひし感じる。その頃は雰囲気から想像を逞しくして読んでたなぁ。とは言え、この作品に古臭さは全くない、作者の卓越した原作への理解力が表現されている。
    三枝は散り際の命の間際に主人公に疑似恋愛を教えながらもちゃんと恋していたんだろう、たくさんの手紙は彼の執着を思わせる。それを無視し続けたのは異性への性的な目覚めもあるが、単純に主人公が三枝などよりかなり未熟な精神しか持ち合わせていなかったからだろう。原作を読んだ時は、この主人公は「人の気持ちを考える」と言うところの鍛錬が足らず、最後まで未熟で終わるのか、主人公の無責任な優しさは罪だ…と言う気持ち悪さ・自己憐憫・自己陶酔だけが後味として残ったのだが、小野塚漫画になると、そんな自分を笑い飛ばすような余裕が感じられる。
    無知は決して人を幸せに出来ない。原作読んでた時は、三枝は単なるBL的びっちだな、としか思わなかったが、小野塚さんの漫画作品になると、三枝に感情移入しまくってしまったよ。コミカライズの素晴らしい所はこう言うところだよね。原作があり、それに対して固定された思い込みがあると、コミカライズされることによって固定化されたものが破壊される場合もあるから、ブクログの評価が☆3ってのも解る。が、私はこっちの方が好き!!いわゆるサナトリウムものを疑似恋愛の残酷さと言う面で描いてある。

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