紫の履歴書 新装版

著者 :
  • 水書坊
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本棚登録 : 371
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896450088

感想・レビュー・書評

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  • 美輪さんの三十三歳までの半生について書かれたエッセイ。波瀾万丈でした。
    終盤まで辛く苦しい事がわりと多いのですが、ここでは終わらない!みたいな意思の強さが眩しいです。
    周りの人へ真摯に接してらっしゃるのも素敵。男性を翻弄する手練手管も凄かったですが。。
    美輪さんは講演会へも行きましたし、『黒蜥蜴』の舞台を観たことは一生の思い出です。美しかったです。
    わたしも生きている限りは一生懸命生きよう、と襟を正しました。。

  • 生まれながらに芸術的センスを身に付け、美しさに恵まれている美輪さん。
    さぞや、昭和初期の時代を生きていくのは、好奇の目にさらされ苦悩の日々であったことでしょう。

    「マトモ」ってなんでしょうかね?
    この本を読んでいて私が強烈に感じたこと。

    「マトモ」のバロメーターを他人にあてがって自身を満足させている輩。

    美輪さん強いです。

  • 1968年刊行、美輪明宏氏(当時は丸山明宏氏)初の著書を、1992年に再再単行本化したもの。
    何しろ、美輪様が、まだ33歳の時の著書なので、まだ文章が若い、というか、自叙伝なのに、途中所々で詩になったりする、という、ちょっと不思議な構成です。

    一人の美少年が、美しく成長し!歌手として俳優として成功するまでを描いた、サクセス・ストーリーではありますが、生まれた時代が時代なので、複雑な家庭環境から、長崎での原爆体験、という幼少期のエピソードがあまりにもビターな味わいなので、初っ端から、かなりシリアスな雰囲気にさせられます。
    戦後の物語も、長崎時代こそ、まあまあ複雑な家庭環境の物語で、男性同士のラブロマンスが描かれる割と明るいエピソードではあるものの、本格的に歌手を目指して上京してからは、様子が一変。壮絶な苦労エピソードと、驚異のモテエピソード(男性からです)に、圧倒され続けます。
    その後は歌手として売れたり落ち目になったり、また売れたり、というエピソードですが、その間も男性からのモテエピソードは、止まらず。
    それでも、単なる自慢話にならないのは、とても不思議。
    これは、その後の美輪様の活動と、感動的な歌唱を知っているからこそでしょうか。

  • 著者の哲学と美学、そして詩が散りばめられた半生記。
    壮絶な人生でありながら、文学作品のような味わいを感じさせるのは著者の美学か。

  • 上京するあのコへ一冊。

著者プロフィール

長崎に生まれ、小学校の頃から声楽を習い16歳でプロの歌手としてデビューし、1957年「メケメケ」、1966年「ヨイトマケの唄」が大ヒット。
ファッション革命と美貌で衝撃を与える。
俳優としては、寺山修司の「演劇実験室◎天井棧敷」の「青森県のせむし男」「毛皮のマリー」、三島由紀夫に熱望された「黒蜥蜴」をはじめ、ジャン・コクトー作「双頭の鷲」、デュマ・フィス原作「椿姫」、エディット・ピアフの生涯を描いた「愛の讃歌」など数々の当たり役を持つ。
作家としても、衝撃の自伝「紫の履歴書」(水書房)をはじめ、「人生ノート」(パルコ出版)など数多くのベストセラーがあり、テレビや映画も、宮崎駿監督によるアニメーション映画「もののけ姫」「ハウルの動く城」への声優としての参加、「ありえへん∞世界」(テレビ東京系)にもレギュラー出演中など枚挙にいとまがない。
2012年から四年連続の出場となったNHK「紅白歌合戦」では、「ヨイトマケの唄」や日本語バージョンの「愛の讃歌」で大晦日のお茶の間を圧倒した。

「2021年 『新装版 天声美語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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