- Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896450088
感想・レビュー・書評
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美輪さんの三十三歳までの半生について書かれたエッセイ。波瀾万丈でした。
終盤まで辛く苦しい事がわりと多いのですが、ここでは終わらない!みたいな意思の強さが眩しいです。
周りの人へ真摯に接してらっしゃるのも素敵。男性を翻弄する手練手管も凄かったですが。。
美輪さんは講演会へも行きましたし、『黒蜥蜴』の舞台を観たことは一生の思い出です。美しかったです。
わたしも生きている限りは一生懸命生きよう、と襟を正しました。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生まれながらに芸術的センスを身に付け、美しさに恵まれている美輪さん。
さぞや、昭和初期の時代を生きていくのは、好奇の目にさらされ苦悩の日々であったことでしょう。
「マトモ」ってなんでしょうかね?
この本を読んでいて私が強烈に感じたこと。
「マトモ」のバロメーターを他人にあてがって自身を満足させている輩。
美輪さん強いです。 -
1968年刊行、美輪明宏氏(当時は丸山明宏氏)初の著書を、1992年に再再単行本化したもの。
何しろ、美輪様が、まだ33歳の時の著書なので、まだ文章が若い、というか、自叙伝なのに、途中所々で詩になったりする、という、ちょっと不思議な構成です。
一人の美少年が、美しく成長し!歌手として俳優として成功するまでを描いた、サクセス・ストーリーではありますが、生まれた時代が時代なので、複雑な家庭環境から、長崎での原爆体験、という幼少期のエピソードがあまりにもビターな味わいなので、初っ端から、かなりシリアスな雰囲気にさせられます。
戦後の物語も、長崎時代こそ、まあまあ複雑な家庭環境の物語で、男性同士のラブロマンスが描かれる割と明るいエピソードではあるものの、本格的に歌手を目指して上京してからは、様子が一変。壮絶な苦労エピソードと、驚異のモテエピソード(男性からです)に、圧倒され続けます。
その後は歌手として売れたり落ち目になったり、また売れたり、というエピソードですが、その間も男性からのモテエピソードは、止まらず。
それでも、単なる自慢話にならないのは、とても不思議。
これは、その後の美輪様の活動と、感動的な歌唱を知っているからこそでしょうか。 -
著者の哲学と美学、そして詩が散りばめられた半生記。
壮絶な人生でありながら、文学作品のような味わいを感じさせるのは著者の美学か。 -
上京するあのコへ一冊。