偽書武功夜話の研究 (新書y 61)

  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896916263

作品紹介・あらすじ

一九五九年の伊勢湾台風で、愛知県内の旧家の崩れた土蔵から発見された「前野文書」は、のちに『武功夜話』と題して公刊された。同書はNHKや朝日新聞などのメディアが、戦国時代を解明する第一級の史料として喧伝したり、遠藤周作や津本陽らの有名作家の作品に種本として使われたことから、その内容が史実として一人歩きすることになる。しかし、同書はその原本が公開されていないために、用語や記述に多くの疑問がありながら、専門家の検証すらなされてこなかった。在野の戦国史研究の第一人者が、様々な角度から徹底検証し、真贋に決着をつける。

感想・レビュー・書評

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  • 墨俣一夜城が創作だったとは…。改めて、小説と歴史的事実の線引きの難しさに悩まされる。

    偽書は、エンタメとして受け入れられるうちは良いけれども、いつのまにか真実かのように一人歩きするのが怖い。

  • 「事件は現場で起きているんじゃない、会議室(生駒屋敷)で起きているんだ」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=K23674

  • 近年の歴史小説や大河ドラマに、多大な影響を与えた
    「武功夜話」。

    タイトルから分かるように、本書はこの家譜の信憑性について、
    様々な考察を経た上で偽書という判断を下しています。

    一読した感じでは、この「武功夜話」の発見過程や記述内容に
    ついて、確かに怪しい点があるようにも思えます。

    人気作家や一部の専門家が持て囃したこともあって、先祖自慢の
    域を越えないこの家譜(若しくは後世の偽作)が、いつの間にか
    一級史料のような扱いを受けてしまい、引き返せない事態になって
    いるようにも思えます。

    この史料の真贋について現在も論争は続いていますが、
    「否定・偽書側」の方が優勢な状況のようです。

    この手の真贋に、殊更目くじらを立てることでもありませんが、
    いち歴史好きからすると、内容の検証・考察に関してはとても
    興味深く、面白かったです。

    偽書については「先代旧事本紀」や「東日流外三郡誌」に関しても
    成立過程等、興味深く面白いところではあります^^

  • 今では武功夜話は殆ど史料として見られてないのかな? 発見(?)された当時は反響が大きかったのだなあという事が窺える、憤り溢れる文体で御座いました。
    墨俣一夜城の章の、縄張りに関する考察が非情に面白かった。こういう縄張りを考察する本はないのかなあ。

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