大江戸残酷物語 (新書y 65)

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896916409

感想・レビュー・書評

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  • 血生臭い話。

  • 江戸の残酷エピソードをいろいろ紹介している。
    美少年(性格悪い)に惚れた男が、かたき討ちと騙されて、美少年の主を馬鹿にした町人を成敗させて、1回やっただけでとんずら。で、男は美少年を忘れられず、武士を捨て下働きの男として美少年に近づく。
    屋敷が火事になったとき、美少年に騙されているのを承知で火の中に飛び込み、家宝の掛け軸を自分の腹の中(腹を切って)格納してそのまま焼け死ぬ。
    という話は、戦前までは定番の人気物語だったそうだ。
    面白い。

  • 歴史を考察する上で、教科書的な為政者の行動、網野氏のような民衆の生活、三田村氏のような芸能など色々と考慮に入れていくことが大切だと思います。表立って議論されない裏社会も視野にいれていかなければ、歴史は見えてこないのではないと感じます。
    第4章の血達磨伝説の「同性愛から異性愛へ」の章は、井上章一氏の文章のようで著者がのっているように感じます。
    気になったことがあります。
    第7章の中の「塩漬けは重罪に限る」のなかで車善七のことが出てくるのですが、山田洋次監督の「男はつらいよ」の主人公の寅さんのことです。
    調べてみると、山田監督は、「車寅次郎」を車善哉七を参考にしたとのこと。色々な意味で考えさせらました。

  • 以前読んだ『日本死刑史』の方が残酷で、命の軽さに驚かされます。どうしてもそちらの本と比較してしまうことになりますが、『日本死刑史』には無くて『大江戸残酷物語』本書にあったものが『塩詰め』というもので、既に死んでしまった罪人を保存するために行った行為(判決が出るまで死体を保存するため)には驚かされます。
    罪人に対しても情けはあったようで、死体の試し斬りや解剖を禁止していたというのは、『死んで罪を償ったのだから、死体にまで手をかけるのは忍びない』という感情には、現代人との感性の違いが現れます。特に死体を解剖するのは試し斬りよりも厳しく禁止していたというのには、現代人からすればなかなかに理解し難いでしょう。だって現代では罪人でなくても、事故死やら病死でも解剖しますから、そのあたりが現代と全然違います。
    まぁまぁ面白かったのですが、これといった印象的なものは少なかったので、僕の評価はA-にします。

  • だいぶ世に中が変わったな。
    たった100年くらいで。

  • 処刑や切腹にまつわる諸々はもちろん、当時江戸の一般的な町人たちがどのような犯罪を犯していたか、あるいはその犠牲になったかというのが窺え面白かった。流血沙汰への好奇心も含めた人々の息づかいが感じられる。また扉絵に使われている試し斬りの図解がなんともコミカルで味わいがあった。

  • 非常に興味そそられるもので、残酷と言葉の意味さえも考えさせられる内容でした。江戸時代から明治までの事件、背景を中心に紹介されていて、明るい面ばかりじゃない江戸時代をまさに映し出してくれる一冊です。

  • 江戸時代の死体の有様がよ〜く伺えて実に興味深い。

  • 残酷って言うほど残酷な話は載ってないです。むしろ江戸時代の人間の発想の突飛さに感心しました(^^;

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著者プロフィール

氏家 幹人(うじいえ・みきと)
1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。歴史学者(日本近世史)。江戸時代の性、老い、家族を中心テーマに、独自の切り口で研究を続けている。著書に『大名家の秘密』(草思社)、『かたき討ち』『江戸人の老い』『江戸人の性』(いずれも草思社文庫)、『増補版 江戸藩邸物語』(角川ソフィア文庫)、『武士道とエロス』(講談社現代新書)、『江戸の少年』『増補 大江戸死体考』(いずれも平凡社ライブラリー)、『不義密通』(洋泉社MC新書)、『サムライとヤクザ』(ちくま文庫)などがある。

「2021年 『文庫 江戸時代の罪と罰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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