ハンディキャップ論 (新書y 95)

著者 :
  • 洋泉社
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本棚登録 : 49
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896917550

作品紹介・あらすじ

ほんとうに「障害は個性」なのだろうか?なぜハンディをもつ人の努力に「感動」するのだろうか?「障害」とは人間が持つ多様性のひとつであり、人間の多様性への「ひらかれ」こそいま、私たちの豊かさとしてもっとも求められるべき課題である。福祉や教育の言葉ではなく、ましてやイデオロギーでもなく、「ふつう」の言葉で粘り強く考えるための現場から掴みとった実践的ハンディキャップ論がここに展開される。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の本は好きなので、それなりに読破しているし、今後も追跡し続けたい著者の一人である。ただ、その中で、本書については???の感。著者のすごいところは、一つの事件を丹念に掘り下げていく追求力である。ところが、本書は、その良さが減殺されている。もちろん、テーマを広く渉猟した結果なのかもしれないが、追求力が足りない。もっとも、新書サイズであることが影響しているのかもしれないが。

  • 369.27||Sa

  •  養護学校の教員を二十年勤めた筆者が語る障害とは。

     養護学校や自身の弟も障害者だったことを振り返りながら、障害を持って生きるとはどういうことか、親や兄弟はどんなことを感じているのかを語っていく。そこから障害者福祉とは何か、障害をどう考えるべきかを考えていく。
     障害は美化できるだけのものではない。どう考えるべきか難しく、白とも黒とも言える受け止めをするしかないのかと感じた。

  • 筆者の意見を、体験談を混ぜ入れて
    書いているところが凄い面白かったです。

  • ※ハンディキャップにまつわる意見は、極端に走りがちに見えることがある。ハンディがあることがいきなり特別な才能に変換されるかのような。実際に現場にいる著者だからこそ、そんな違和感について論じる説得力がある。なにかモヤモヤした気持に整理をつけるためになる一冊。

  • [ 内容 ]
    ほんとうに「障害は個性」なのだろうか?
    なぜハンディをもつ人の努力に「感動」するのだろうか?
    「障害」とは人間が持つ多様性のひとつであり、人間の多様性への「ひらかれ」こそいま、私たちの豊かさとしてもっとも求められるべき課題である。
    福祉や教育の言葉ではなく、ましてやイデオロギーでもなく、「ふつう」の言葉で粘り強く考えるための現場から掴みとった実践的ハンディキャップ論がここに展開される。

    [ 目次 ]
    序章 「あたりまえ」ということ
    第1章 「ハンディキャップ」をひらくために(つくられた「障害」-「色覚異常」 桜田淳の場合 「支援」から見えるもの)
    第2章 「家族」という場所から(「わからなさ」という実存に向けて 「親」であることと教育について 彼らの兄弟姉妹であるということ)
    第3章 「教育」という場から(「遠くのもの」と「目の前のこと」 わたしが愛した「つわもの」たち)
    第4章 社会のなかのハンディキャップ(社会にとっての「彼ら」の存在 わたしが提案したいこと)

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    [ 参考となる書評 ]

  • おそらく一番わかりやすいハンディキャップ論。

  • 障害を、すばらしい個性なんだ、才能なんだと祭り上げるのでもなく、逆に差別もしない。障害者の苦しみがわからないことを認めた上で理解しようとする姿勢が学べた。
    後半は、筆者の体験例が述べられている。とても読みやすい。

  • 支援は相手を見つめ、今の相手を受け止めるところから始まる。始まりは育児と同じ?

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著者プロフィール

1953年、秋田県生まれ。2001年よりフリーランスとして、執筆や、雑誌・書籍の編集発行に携わる。1987年より批評誌『飢餓陣営』を発行し、現在57号。
主な著書に『自閉症裁判』(朝日文庫)、『知的障害と裁き』(岩波書店)、近刊に、村瀬学との共著『コロナ、優生、貧困格差、そして温暖化現象』(論創社)、『津久井やまゆり園「優生テロ」事件、その深層とその後: 戦争と福祉と優生思想』(現代書館)がある。

「2023年 『明日戦争がはじまる【対話篇】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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