「満たされない心」の心理学 (新書y 101)

著者 :
  • 洋泉社
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本棚登録 : 43
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896917819

作品紹介・あらすじ

「こうすれば心は満たされる」「性格はすぐに変えられる」「ナンバーワンよりオンリーワン」「あるがままに生きよう」-。巷にあふれるそうした"心理学的"アドバイスのなかには悩みをかかえた人には、むしろ負担になるようなものもある。本書は、マズロー、ライヒ、エリクソンらの心理学理論に立ち返り一生揺れ動きつづける心というものの姿にもう一度光を当てた、"一人ひとりが日々よりよく生きるための心理学"の試みである。

感想・レビュー・書評

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  • 今の心理状態に刺さる言葉がなく、さっと目を通して読み終えた。あまり現実感が湧かなかった。

  •  2017年3月18日
     「自分には価値がない」の心理学を手に入れたことを切っ掛けに再読した「満たされない心」の心理学でした。誰にでもすすめられる本ではありませんが、’10/10/5に読み終えた時より、今の自分に無くてはならない内容でした。

     世の中はアドラーブームですが、もう少し自分を客観的に見て、何とか立直る切っ掛けを得たいと思っている人には、根本橘夫先生の本がオススメです。私も2冊目なので、偉そうなことは言えませんが、構成がとても良いので、読む歳によって、得るものが違います。

     アドラー心理学は「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」としていますが、この本を読んで「私の悩みは、自分自身を信頼できていないこと」に起因していると確信しました。この時期に再読してかったと思える内容でした。

     自分を信頼できなくなってしまった理由は、私が「にせ自己」と「真の自己」に分離したためです。その原因は、私が、まだ若い時に自分の可能性を見切り「真の自己」の夢を捨て「にせ自己」で社会と接してきたことによる報いだと思われます。もしかしたら、心が折れてしまう人たちは、社会に適合するために、自分を押し殺しているのかもしれませんね。それに気づいたことで、立直ることが出来るかな。

     多くの方は、「にせ自己」と「真の自己」を巧みに使い分け、社会と自己に適合しているように見えますが、世の中に生き辛さを感じている人は、社会に適合しようとする「にせ自己」と素直な自分である「真の自己」とに引き裂かれているのではないでしょうか?そして、そのような人は、適合しているように見える人の自己欺瞞に敏感なのではないかと思います。

     電車の中でゲームに没頭している人を見るたびに、RPGゲームをクリアするために昼休みに攻略本を読んでいた頃(20年ぐらい前の働き盛りの頃^^;)を思い出します。あの頃、私は、目標を見失っていることを誤魔化すために、自分を成長させてはくれないけれども、刹那的に集中できることに、時間を浪費していたのだと思います。

     2010年10月05日には、こんなことを書いていました。まだまだ余裕?がありますね。

     不安は、逃げようとするほど大きくなるが、面と向かって対処すれば、小さくなる。まず、行動のリストを作り、避けられないこと、単純な行動から手をつけ、完璧を期さない。人の心は自転車のように、ある程度のスピードで走って、初めて安定する。行動しない人は、止まっている自転車と同じである。

     私達の行動は、不安を解消し、自信を持ち、勇気を出すために行われる。 行動しない人は、不安が解消されず、自信も持てない、勇気も出ないという悪循環に陥る。それを断つためには、不安を突き止め、どうすれば自信が持てるのかを考え、行動すること。

     この本を読んだ私の結論「満たされない心」から脱出する方法は「目標を立て、その達成に向けて行動を起こすこと…」そしてその目標は、他者から社会的に認められることを目指す「間接的に自己を満たすもの」ではなく「自らの自然な欲求を満たすもの」であることが望ましい。「ありがとう」のためではなく、自分が生きているという事実に感謝できるような、自分の人生に価値を見出せるものが望ましい。

  • とにかく常に自分の心が満たされていない状況の中、この本に出会いました。
    答えは自分でも分かっていましたが、あえて心理学的面からの解説で納得できました。
    以外にも自分の為に読んだ本ですが、丁度子育て中ということもあり、今後の子供の成長過程の参考にもなりました。

  • 著者は心理学者ではあるが、理論重視のハード心理学を中途で諦め、自己の内面と向き合うソフト心理学なる分野に傾倒した経歴の持ち主。フロイトとかユングとかエリクソンとか著名な理論を引用しながら、著者自らの経験も交えた筆致がユニークである。心理学の理論や症例を淡々と綴り、押し付けがましい人生訓や処世術には触れず(一部例外の章もあり)、人生の到達点とは何か答えに導いてくれる。冒頭に現れる、以下の逆説的な一言が、読み手に安心感を与えてくれた。>>>人生訓を書く人や心理的アドバイスを述べる人は、例外なく自分が賞賛される立場にある人である。<<<
    最後の方には世間話に近い心理学になってしまう。>>>歯が痛いだけで、人生を投げ出したくなることがある。<<<
    理論的でありながらも浮世離していない記述が好感を持てた。--- 2009.3.26

  • この本の中では、珍しくユングとフロイトが同列に語られていた。というよりあらゆるものが同列に語られていた。最初はフロイトなんて非科学的な歴史上の人物を、とも思ったけど、「味わう」という意味においてはまあ可能かな、と。/考える契機っていう点での大事さがこのへんの心理学の機能かなー。というわけで割と一般的な心理学の理論とか(発達に関するもの。エリクソンなど。)を満遍なく取り上げ、さらに個人的感覚で纏めた、っていう本です。

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