- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896918045
感想・レビュー・書評
-
春画を通して「江戸時代までの日本の性は豊饒」だと結びつけるのは短絡に思える。ある種江戸幻想(思いこみ)を語っているに過ぎないと思う(芸のある「語り手」であることは認められるけれど)。個人の認識にかかる問題であるが自分の生きた時代の多様性を知るものは「知り得ない」ということを知った人間であると自分は思う、江戸時代のほんの一現象(張形)はただそれだけことである。江戸時代を生きた人間の風俗(表層=春画)の特異なそこだけを注視しても江戸に生きるものの閨のありようはさまざま。定規でヒトの心奧の深浅は測れない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治維新でどれだけ日本が不幸になったかを計る
物差しとして張り形を研究すると
その変貌によって男女の関係を見ることができるし
お互いの多様性を受け入れている社会ほど
幸福なのだということをツブサニ知ることができそうだ
張り形が女の道具であった時と男の道具であった時で
社会のあり方がまるで違う
嘘と秘密のない社会ではお互いが対等であるがままで
必要な分だけ分け合い補い合える関係を創れるやしい
嘘と秘密で建前を保つ社会では利己的に干渉し合い
外力による縦社会の秩序が必要になる
そこでは民主という着ぐるみによる擬態カモフラージュで騙し合い
権利闘争と競争原理を法律と洗脳教育によって正当化して
依存と搾取と支配による格差社会を目指すことになる -
おおらかな性風俗。隠すだけが教育ではない。