- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896918472
感想・レビュー・書評
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「ファスト風土」という言葉は流行りませんでした。 「ファスト風土」とは、地方都市の個性が無い同じような風景のことです。著者の造語ですが、この言葉は結局流行りませんでした。
地方の道路整備で車社会が進展すると地域社会が流動化します。そのため人のつながりが希薄化し、犯罪発生率が増加するという仮説です。いろいろな事例を挙げて仮説の立証を試みていますが、どうも机上の空論のような部分もあって、「本当かな」と思う部分も多かった。最近は日本社会の危機感を煽る新書が多いですが、この本もその一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
09156
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読了。図書館
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[ 内容 ]
のどかな地方は幻想でしかない!地方はいまや固有の地域性が消滅し、大型ショッピングセンター、コンビニ、ファミレス、カラオケボックス、パチンコ店などが建ち並ぶ、全国一律の「ファスト風土」的大衆消費社会となった。
このファスト風土化が、昔からのコミュニティや街並みを崩壊させ、人々の生活、家族のあり方、人間関係のあり方もことごとく変質させ、ひいては人々の心をも変容させたのではないか。
昨今、地方で頻発する不可解な犯罪の現場をフィールドワークしつつ、情報社会化・階級社会化の波にさらされる地方の実情を社会調査をもとに探り、ファスト風土化がもたらす現代日本の病理を解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 のどかな地方は幻想である
第2章 道路整備が犯罪を助長する
第3章 ジャスコ文明と流動化する地域社会
第4章 国を挙げてつくったエセ田園都市
第5章 消費天国になった地方
第6章 階層化の波と地方の衰退
第7章 社会をデザインする地域
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
今地方の街並みがどんどん均一化していっている。どこにでもあるファーストフード店のように地方の街並みに個性がなくなっていってる。人々の心が荒んでいってしまっているような恐ろしさを感じた。
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移動手段の高速化と犯罪増加との相関関係について論じた部分は非常に興味深かったと思う。この本で三浦氏が言わんとしていることは正論だと思うが、一方で論理の破綻や調査が不十分な箇所も散見され、論の煮詰め方が甘い印象を受けた。
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郊外の均一化。確かにどこの地方に行ってもバイパス沿いはどこも変化がない。ジャスコはどこにでもあるし。地方は東京からみた"地方"であって、いまや昔の"地方"らしさがなくなっているんだろうな、と。
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ファスト風土とは幹線道路の左右にロードサイド店舗が並んでいる風景のことで、主に地方にある。
2004年に刊行された本だから、その問題意識はすでに一般的なものになっていて、地方の危機という考えは共有されていると思う。でも、これといった建設的な議論があまりないのは、地方の変化がある意味自然なものだから。そして、それに対応して都市への集中も自然なものだから。
人が集まるからこそ街ができるわけで、自動車が移動手段になっていると、そもそも人の塊ができないのだ。人の塊ができないと第3次産業は成立しにくいわけで、そうなるとどうしても都市から取り残されてしまう。テレビから流れる東京の最新情報を田舎にいながら見る(地方にも流れているのに、東京の情報ばっかり)、それでは、都市に人が集まるのは当たり前だ。
地方で「働く」の需要と生まないかぎり、結局都市化が進むだけだとおもう。そのためには、地方ってスバライプロパガンダを繰り返さないと。
田園都市の結果がファスト風土だとは面白い発想だ。 -
全体としては筆者の主観ばかりが目に付き、持論に対して具体的な根拠に乏しいように感じる。
ただ都市の構造が犯罪の助長に関係しているというのは、全面的にではないものの個人的に納得できる。
都市社会学系の本はあまり読んだ事がなかったので、新鮮だった。 -
メモ
TVで等で人々の物欲が刺激されて、利益誘導政治がその背中を押して、気づいたらどこもかしこもお互いのコピーのようになっている「郊外」。消費社会の果ては都市部でなく郊外にあった。その土地固有の歴史や人々や生活がどんどん消えていく。希薄な関係しか作らない「買う」「消費する」から、人と人の交流を産む「使う」「関与する」へ。街も人もありかたを考え直すべき。
シャッター商店街を見て切なくなってる暇があったら、イオンとかアウトレット行かずに近所の個人商店でモノを買えばいい。安売りしてないし、ポイントないし、品揃え悪いけど、でもそこで買おうとする行為が街へのコミットメントだと思う。価格コムチェックして、大手量販店回ってすっごく値切れたよ!っていうのを聞くたびにすごいやるせない。消費社会です。