占いの力 (新書y 118)

著者 :
  • 洋泉社
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本棚登録 : 18
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896918502

感想・レビュー・書評

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  • 2018/03/30 18:05:33

  • [ 内容 ]
    「占い」のもつ強力な因縁力を縦横に語る本邦初の試み!
    科学万能主義といわれる現代、あらゆる情報が環境化する社会のなかで、人はなぜ「占い」の曖昧さに惹かれるのか?
    無根拠であるがゆえに、占いの「言葉」は人を分類し、規定する。
    そして、それは限られた人生の局面を切り取り、リアルという衣装をまとう。
    占いは人生を「物語化」し、「私」が曖昧な社会のなかで、私探しの物語のツールとなり、「今」を生きる自分の里程標となる。
    「占い」の構造と論理を縦横に語り、そこに多様化する物語性のあり方を探る画期的な試み。
    だれが「占い」をここまでマトモに語ることができただろう。

    [ 目次 ]
    第1章 すばらしき占いの世界(信じてないが受け入れる マス・メディアでの占いの取り扱い ほか)
    第2章 占いは人間を分類する(この本の著者がいい性格をしていることについて 性格はどうやって見分けるか ほか)
    第3章 占いがリアルである理由(微妙な胡散臭さ 占い師の名前 ほか)
    第4章 占いは人生を物語化する(新しいものはダメよ 麗しき人生観 ほか)
    第5章 物語としての占いを生きるために(墓ではなく物語を売る 物語を生きるということ ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ちょっと久し振り、でもないか、に読んだ鈴木さんのクラシック以外の本。やっぱおもろいなー!
    フツウこういった本って読んでると、この人めっちゃ本読みまくってて勉強しまくってて私なんかとは相当違う人間なんだろなー!て感じなんだけど、鈴木さんは知識のひけらかしっぽさがなくって、象牙の塔にこもってる感じがしない。ちょちょいとネットで調べたことを利用してたりして、現代の新しいかたちの知識人ってやつなんじゃないか、と思った。
    日本で大いに受け入れられてる占いについての本なんだけど、第4章が特に、ふんふんと面白かった。やたらと占いの世界は古風なジェンダー観に基づいている、てやつ。女は年上男性を選べ、火遊びすんな、そして男は煽てて下でに出ろ!ああ〜確かにい〜!
    最終章はなんかやたらとマジメに締めてるけど、そういえば「不思議な国のクラシック」も同じ感じの締めだったけど、鈴木さんはこういうパターンがお好みなんだろうか。
    あと、長年愛読している同人作家さん(・・・)が昔の本で使ってたイラスト?の元ネタが今回判明しました。15年来(・・・)のナゾがこれでスッキリ!ありがとう鈴木さん!!

  • とにかく面白い。なんていうかテキストサイト的なんだよね。「文章を読んで笑わせる」ってことを考えて書いてるなあ、ってとこが。エンターテイメントが、「柱としての内容」と「皮膚としての文飾」でできていて、なんていうか「衣がよく絡んでる」って感じ。テンプラで言うと。

    流れで言うと、3部作の締めくくりらしいね。「クラッシック批評こてんぱん」「美しい日本の掲示板」「占いの力」。見事に題名がミスマッチしてるのに主題がある、「骨と皮」のハーモニー。

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著者プロフィール

1970年、山形県生まれ。音楽評論家。著書に『不思議な国のクラシック』(青弓社)、『クラシック音楽異端審問』(アルファベータ)、『背徳のクラシック・ガイド』『愛と妄想のクラシック』(ともに洋泉社)、編著に『クラシック野獣主義』、共編著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『クラシック反入門』(いずれも青弓社)、共著に『村上春樹を音楽で読み解く』(日本文芸社)ほか。

「2017年 『クラシックは斜めに聴け!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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