- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896941456
作品紹介・あらすじ
リンゴと"甘さ"、チューリップと"美"、マリファナと"陶酔"、ジャガイモと"管理"-これら4つの植物と人間の欲望のせめぎあいは、"植物の目"からは、どんなふうに見えているのだろう。斬新な切り口で捉えなおした自然史・文化史に、マリファナ地下工場や遺伝子組み換えの現場などからの最新の報告を自在にまじえ、植物と人間の"未来"を静かに問うユニークな植物誌。全米で圧倒的共感を呼んだベストセラーの日本語版。
感想・レビュー・書評
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人の側からは何度も繰り返し語られてきた植物と人の関わりの歴史は、等の植物にとってはどういった意味を持っていたのかを解き明かそうとする本。
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【由来】
・千夜千冊
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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千夜千冊の1609夜で紹介されており興味をもった。
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わたし、花や樹を愛する気持ちは欠片もありません。幼い頃、桜が満開になった山に登らせてもらっても楽しくなかった気がします。そんなわたしでも、この本は滅法楽しかったです。むしろ植物に興味のない人向けに書かれている感じもします。
りんご、チューリップ、マリワナ、ジャガイモ。4つの植物が人とどのように関わっていったのか、エピソードや取材、実体験(栽培)をふんだんに交えて描かれています。リンゴは種から育てると変異を起こしやすい、絵画の主役だったチューリップのほとんどは病気だった、陶酔を楽しむ生き物は人間だけではない、栽培作物として優秀なジャガイモは小麦文化のヨーロッパでは疎まれた等等。。。
好奇心を刺激する内容がぎっしり詰まっていて、植物の魅力、侮りがたし!ですね。これは豊かな取材と勉強の賜物ですから、こういう本が出来て、ベストセラーになるところにアメリカの底力を感じます。
ちなみに一番楽しかったのはジャガイモの章でした。 -
2003年に出たものの新装版。こちらの表紙の方が好み。
人が自然をコントロールしているのではなく、自然の子孫繁栄に人間が噛まされているという見方をしてみたらどうだろう?という本。
切り口は面白いし、理系というより文系かなと思って読み始めたのですが、どうもなかなか読み下せなくて(^_^;)
最後のジャガイモ~遺伝子組み換え作物に関しては割と面白かったかな。
カバー図版 / アルプレヒト・デューラー≪アダムとエヴァ≫(部分)1507年 プラド美術館蔵、ピーテル・ホルステイン(子)≪センペル・アウグストゥス≫1645年頃 個人蔵(本文155-156頁参照)
原題 / "The Botany of Desire"(2001) -
甘いものに引き寄せられて、一生懸命働く。蟻や蜂ではなくて、人間の話。家畜は人間に飼育されている、とも考えられるけれど、人間に世話をさせて繁殖している、とも考えられるわけで、それは植物であってもそうなのでは、という話。甘いリンゴを食べたくて、綺麗なチューリップに魅せられて、マリファナでハイになりたくて、そしてジャガイモで自然を征服した気になりたくて。変人めいた人も登場して、なかなかに起伏に富んでいます。
食をグローバル化させようとする人たちの行動も、植物の欲望故なのか。人の抗いがたい欲望に我ながら困ってしまう本。 -
リンゴ・チューリップ・マリファナ・ジャガイモ、人を介して世界的な種の繁栄を謳歌している4種の植物を扱った本。植物誌とあるが、植物の側面から見た人文学的な話もあり、まさに本書が訴える「植物の多様性」を体現したかのような話題の多様さ。文句無しに面白かった。