- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784896949674
作品紹介・あらすじ
西洋絵画、日本美術、彫刻、ボタニカルアートからタバコや日本酒のパッケージデザインまで-魅力溢れる作品を細部まで眺めながら、そこに描かれた花・樹木・果実のシンボリックな意味を読み解く。東西美術の時空を越えた意外なつながりを繙く、目からウロコのアートエッセイ。
感想・レビュー・書評
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植物をあしらった絵画の解説書ですね。
著者の小林頼子さんは美術史家です。専門はオランダ美術、特にフェルメールの研究には定評があります。
社団法人、日本フラワーデザイナー協会の機関誌『フラワーデザイナー』で連載されたものを纏めあげられた作品との事。
なかなか美術館に足を運ぶ機会が無いので、美術の秋を堪能したく図書館で手に取りました。
ガーデニングも試みているので、花好きなのもあって、これは良い書物が有ると嬉しく思いました。
期待以上の良書ですね。
コンセプトは「植物に注目すると、文学や美術や映画などの芸術作品に関し、さまざまな興味深い読みが浮かび上がってくることがある。本書は、そのような可能性を掘り下げ、植物を起点とした文化譜のごときものをささやかながらも編むことはできないか、という発想から生まれた。」
私にしてはこれ以上のものが無い書物でした。
洋の東西を問わず、小林さんのリードで美術鑑賞が出来ました。本の美術館に偽りはありませんね。
それにしても、小林さんの学識には驚かされました。
とても読みやすく、語りかける文章にも馴染みやすく、作家としても嬉しい作品ですね。
他の作品も探してみたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
花が描かれた名画はたくさんありますね。
主役でなくても、意味のある脇役で登場することも多いです。
ギリシャ・ローマ神話では花は何かの変身だったりしますし、
キリスト教世界では、花には寓意が込められています。
本書では、図鑑のように見開きページで、花ごとに付随する話題がまとめられています。
その内容は多彩で、良く調べられているなぁと驚くばかり。
知らない世界に誘われるようでページを開くのが楽しい!
すごく面白い本です。
2017/11/29 予約 12/7 借りる。12/19 読み始める。2018/2/6 途中でいったん中止。 -
内容的に似たり寄ったりな部分も多くてちょっと飽きてしまったりしつつ、図書館の返却期限が来て最後まで読めず…どんなものにも歴史と物語があり、人はあらゆるものに意味を見出すものなのね。神話のバリエーションの豊富さにもびっくり。西洋美術中心だったので、もっと他の地域の話も聞きたかったな。
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フラワー関係の雑誌に連載されていたもの。
カラー図版も豪華です。
いろいろな絵画や神話の中に出てくる植物は、きちんとした意味があって描かれているのですね。
これを見れば、絵のメッセージを受け取るのがうまくなるでしょう。