シャルトル大聖堂 ゴシック (磯崎新の建築談義 06) (磯崎新の建築談義 # 6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897373966

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  • シャルトル大聖堂(ゴシック) (磯崎新の建築談義)
    (和書)2013年02月26日 16:40
    磯崎 新, 篠山 紀信 六耀社 2002年3月


    建築行脚シリーズをぱらぱら通読し、建築談義シリーズを試しに借りてみようと思い最初にこれにした。印象が強かったけどゴシックというものをどう捉えていいかわからなかったのでそこを期待して読んでみました。非常にわかりやすく書かれていてかなり良い。このシリーズを読み進めることに決めました。

    簡単に言うと古典主義とは理性であり人間中心主義でありゴシックはグロテスク・ファンタジーであり人間を超越するような神聖なものであるという。ゴシックはそういう意味でサブカルできなものファッションと親和性が高いらしい。ゴシックにもフランスやイギリスなどいろいろありイギリスの方はブリティッシュ・エキセントリックで徹底されているという。フランスは若干理性的だという。

    ステンドグラスの預言者、福音著者が頭に金の輪を頂いている。それは「ヴェーダ」でありオーラであるという。宇宙の波動を現している。それは自然の波動と身体の波動の干渉によって生み出される。それについてエヴァンゲリオンのATフィールドができたのは少し驚いた。

    磯崎新からエヴァの話題が出るとは思わなかった。興味があれば一読してください。

  • この本は、建築談議シリーズのなかでも、突然ブツッ、と途切れるように終わる。(議論に出てきたエヴァンゲリオンの影響でもないだろうが)磯崎・五十嵐両氏の対談は縦横無尽に駆け巡る。それが建築史におけるゴシックの異質性ゆえなのかもしれないが、シリーズ中最も異質にして刺激的な一冊だと思う。

    学生の頃、ゴシック建築にとりたてて興味があるわけではなかった。ゴシック建築論の権威であった教授の研究室の自由な雰囲気にあこがれて、何とか研究室の一員に滑り込んだ。

    今回、この本を読み返して、自分は何ともったいないことをしていたのだろうと激しく後悔した。パノフスキーの「ゴシック建築とスコラ学」。そこには正に同時代の建築と哲学における相同性、構造主義的な視点だったではないか。こんなに近くに建築と思考の関係を巡る重要なテキストがあったなんて。

    あるいはゴシックの構築性に対する古典主義のボリュームの比例との対比。自分はゴシックをそのように読むことなど無かった。あれほどの貴重な資料に囲まれ、あれほどの先生の下に居ながら、何をしていたのかと。

    思い返せば、先生のある種の放任こそ、学問に対する真摯な態度だったのではなかったか?本当に興味のあることを見つけて全身全霊を傾けることが真の学問だ、という無言の教えではなかったか?今更ながら聞いてみたいと思ったが、先生は退官後数年で天に召された。今となってはただただ後悔ばかりが残る。

  • まだ途中

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著者プロフィール

磯崎新(いそざき・あらた) 1931年生まれ(85歳)。建築家。代表作「つくばセンタービル」でポストモダン建築の旗手と目された。1996年ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展金獅子賞受賞。

「2017年 『空間へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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