時計坂の家

著者 :
制作 : 千葉 史子 
  • リブリオ出版
4.21
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本棚登録 : 474
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897843193

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んでいなかったことを激しく後悔。
    なんとすてきな物語なのか…!!

    小学6年生の夏休み、フー子は1人で汀館の祖父の家を訪れます。
    汀館は洋館や時計台の立つ町。
    日常から離れた雰囲気を持つこの町で、フー子の身に起きたのは、不思議で魅力的で、だけれども危険な気配も漂う冒険でした。

    錆びた懐中時計が時を刻み、白い花に姿を変える。
    閉ざされた扉の向こう側に立ち現れる迷路のような庭。
    祖父の秘密を抱えたような表情と、若くして亡くなったという祖母の影。
    次々に起こる不思議なことと過去の謎めいた出来事が絡まりあって、謎が深まっていきます。
    さらに、どうしようもなく惹かれてしまうものの魅力に抗えない登場人物たちの危うさにひやひや。
    休憩するのももどかしく、夢中になって読んでいました。

    高楼方子作品、今まで読んだことがなかったので、他のものも読んでみたいです。

    • nejidonさん
      すずめさん、こんばんは♪
      大好きな作品のレビューが読めて嬉しいです!
      すずめさんの感動がストレートに伝わってきました。
      出来れば小6の...
      すずめさん、こんばんは♪
      大好きな作品のレビューが読めて嬉しいです!
      すずめさんの感動がストレートに伝わってきました。
      出来れば小6の夏休みに出会いたかったと、どれほど思ったことか。
      ええ、もちろん全く間に合いませんが(笑)
      その頃の自分のものの見方・感じ方というものを思い出して、フー子と一緒になって危うい気持ちになって読みましたよ。
      挿絵も、物語にふさわしい不思議な感じをよく出していますよね。
      ちょっとクラシックでしたが。
      高楼さんは【十一月の扉】も面白いですよ。
      ぜひともおすすめです。
      2014/06/22
    • すずめさん
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      nejidonさんのレビューも拝見したのですが、年齢によって感じ方が変わる作品だろうな...
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      nejidonさんのレビューも拝見したのですが、年齢によって感じ方が変わる作品だろうなぁと思いました。
      私も小学生時代に一度読んでおきたかったです(>_<)
      挿絵もぴったりでしたね!読み終える頃には、この挿絵以外はありえないと思うくらい。

      全体的にクラシックな感じ、私はとても好きでしたよ!
      もし主人公が現代の子だったら、きっとケータイとかスマホとか持っていて、インターネットでひょいひょい調べちゃうのでは…?それじゃ味気ないなぁ…なんて思いながら読んでいました。

      おすすめ高楼作品を教えていただき、ありがとうございます(*^^*)
      『十一月の扉』、今度読んでみます!
      2014/06/24
  • そうだ、私はこのお話の舞台である「函館」に憧れて、北海道巡りを始めたのだった。
    ブルートレインで5回、その後は飛行機で5回も訪れた北の街。
    作品の中では「汀館(みぎわだて)」という名で登場する街だ。
    市電、坂、海、時計塔、修道院、アイスクリーム、洋館・・・そんなキーワードを自分の目で確認して、あとは新鮮なイカ刺しでお腹を満たしたものだった。
    「汀館」を「自分の住むところより小さくて田舎」と感じる小6のフー子は、夏休みを利用してたぶん札幌からやってきたのだろう。
    作者の高桜方子(たかどのほうこ)さんも、函館出身の方。
    思春期独特の神秘なものへの憧れと劣等感や嫉妬・危うさを丁寧に描いている。
    バーネットの『秘密の花園』や梨木香歩さんの『裏庭』にも似た、異世界への憧れと旅立ちは妖しく幻想的。
    そして現実への帰還のために配された親戚の少年・映介や祖父たちの脇役も的確で、339ページをあっという間に読み終えてしまう。
    古びた屋敷、頑固で威厳のある祖父、どことなく不思議なお手伝いさん、ロシア製の懐中時計、開かずの扉、早世した祖母、美しく奔放ないとこ、亡命中だったという魔術師。。。。お膳立ては完璧。
    少女のひと夏のファンタジーというにはもったいないほどの内容の濃さだ。

    思い切り昭和チックなモノクロの挿絵は、書き込みすぎて暗くさえ見える。。
    ところが読み進むにつれ、フー子の心模様にはこの挿絵以外はありえないと言う気持ちになってくる。
    不安と焦燥と羨望と、ここではない世界への強い憧れ。
    まだ携帯電話なんてものもなかった頃の話である。
    固定電話で、思う相手を呼び出せずにためらう場面など、じれったくも面映い。
    とりわけ、同い年のいとこ・マリカへの心惹かれる思いが繰り返し語られ、自分のことのように思い起こす人も多いことだろう。
    作品の終盤で映介が気づく場面がある。
    【惹きつけるものの方ではなく、どうしようもなく惹きつけられてしまう心の方・・・。
    そうだ、それが問題だったのだ、常に。】
    その年齢でしか抱きえないかのようなこの思いがお話の軸になっていて、振り回されてしまう危うさゆえに、フー子から目が離せない。

    初めて読んだときは「時計草」も「ジャスミン」も知らず、異国の物語を読むようにどきどきして読んだ。
    美しい庭を、この目で見たいとさえ思った。
    そして再読した今回は、結婚してもなお心の惹きつけられるままに生きた祖母と、それを救えなかった祖父への哀切がこみ上げる。

    ブクログのお仲間さんにおすすめした手前、忘れていたら恥なので読み返してみた。
    そして、思ったとおり「恥」だった(笑)。再読なのに細かな部分をだいぶ忘れていたのだ。
    でも、年齢によって受け止め方に違いがあり、この収穫は大きかった。
    かつては、異世界への憧れを共にして読んだのに、今は現実に戻ることの重要性を強く意識して読んだ。
    異世界への憧れは、異端への憧れにも似る。
    いわば諸刃の刃なのだと、私もどこかで学んだのだろうか。
    夢見がちな、かつては少女だったすべての方におすすめ。

    • HNGSKさん
      初めまして。あやこと申します。
      いいねをありがとうございました。
      児童書を購入したいなあと思っていたのですが、なかなかよくわからない中で...
      初めまして。あやこと申します。
      いいねをありがとうございました。
      児童書を購入したいなあと思っていたのですが、なかなかよくわからない中でもがいていましたので,nejidonさんの本棚を参考にさせてほしいです。
      フォローさせてください。
      2013/11/20
    • nejidonさん
      あやこさん、はじめまして♪
      コメントとお気に入りをくださって、ありがとうございます!
      児童書をお探しでしたか。
      「 高楼方子(たかど...
      あやこさん、はじめまして♪
      コメントとお気に入りをくださって、ありがとうございます!
      児童書をお探しでしたか。
      「 高楼方子(たかどのほうこ)さん」でしたら、はずれはないと思いますよ。
      あやこさんのお好みは分かりませんが、気に入って下さったら嬉しいです 。
      こちらこそ、楽しそうなそちらの本棚に、おおいにわくわくさせていただいてます。
      ワタクシからもフォローさせてくださいね。
      また面白い本に会われましたら、どうぞご紹介ください。
      2013/11/21
  • こ、これは…!ここ数年の読書の中でもダントツの、面白さというか、衝撃というか、しっくりくる言葉が見つからないほどの、良さ。
    最初の1ページ目から好みの設定ではあったけど、まったく予測できない展開。
    日本にもこんなファンタジーがあったんだなあ。
    本って小さくて、開かなければ何が書かれているかわからないただの紙のかたまりなのに、
    繰っていくと別世界がしまい込まれている、不思議なものだって常々思っていたはずなのに、
    つくづくとそれを感じさせる物語でした。
    この本こそが、作中の庭みたい。
    ちょっと怖いところが、またいい。いや、実は結構怖い。いろんな意味で。
    子供向けらしいけど、わたしはこれ、大人になってから読めてよかったです。
    出会えて本当によかった!

  • とってもドキドキした!!!
    海外のファンタジーのようなちょっとした不気味さと、少しミステリー要素のあるような、それこそフー子のように闇に引きずられてしまうような、そんな感覚。ちょっと怖い。

  • ジプシー、魔術、秘密の園、旅先の地などなど憧れが詰まった本。
    ミステリーでもあり、ファンタジーでもあり、読み終えたら深い満足感。

  • 11月の扉 を読んで、この作品にも挑戦したくなりました。読み始めると、ぐいぐいきます!

  • 資料番号:020052775
    請求記号:F/タカド

  • 本の装丁も、内容も、挿し絵も、子供のころ慣れ親しんだ空気が。

  • とてもミステリアスなファンタジー。いつしか物語に吸い込まれそうになる自分に気がつきます。現実とは違う場所にある異世界は甘美な誘惑を持って主を引き寄せる。祖父や時計師も不思議な魅力のある人物に描かれており謎めいたストーリーがぐいぐい読ませてくれます。

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著者プロフィール

高楼 方子(たかどの ほうこ)
1955年、函館市生まれの作家。1996年『いたずらおばあさん』『へんてこもりにいこうよ』で路傍の石幼少年文学賞、2000年『十一月の扉』産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2006年『わたしたちの帽子』で赤い鳥文学賞、小学館児童出版文化賞、2006年『おともださにナリマ小』産経児童出版文化賞をそれぞれ受賞。
絵本に『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)「つんつくせんせい」シリーズ(フレーベル館)など。幼年童話に『みどりいろのたね』(福音館書店)、低・中学年向きの作品に、『ねこが見た話』『おーばあちゃんはきらきら』(以上福音館書店)『紳士とオバケ氏』(フレーベル館)『ルゥルゥおはなしして』(岩波書店)「へんてこもり」シリーズ(偕成社)など。高学年向きの作品に『時計坂の家』『十一月の扉』『ココの詩』『緑の模様画』(以上福音館書店)『リリコは眠れない』(あかね書房)『街角には物語が.....』(偕成社)など。翻訳に『小公女』(福音館書店)、エッセイに『記憶の小瓶』(クレヨンハウス)『老嬢物語』(偕成社)がある。

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